捜査会議と十人の精鋭
八時三十分。警視庁会議室。今第一回赤い落書き殺人事件捜査会議が始まろうとしていた。刑事たちは捜査で分かったことを報告した。
「まず現場の聞き込みをした月影報告してくれ」
「はい。午後九時三十分に被害者の高野健二が近くの居酒屋で飲んでいたという証言がありました」
「では次。鑑識の北条。死亡推定時刻はいつだったか報告してくれ」
「死亡推定時刻は午後十時三十分。遺体の正面の落書きはペンキの乾きぐあいから被害者の死後一時間以内に書かれたものです」
「では次。葛城。コンビニでの情報はなかったか」
「遺留品の女物の財布は清水美里さんのもので間違いないです。それと月影さんの補足ですが被害者は居酒屋で飲んだ後に清水美里さんの寄ったコンビニで水を買ったことが分かりました。九時五十分に被害者が映っていました」
「最後に春野」
「その清水美里さんは殺人犯に誘拐されました。まだ要求はありません」
合田は捜査方針を発表した。
「月影と葛城は高野健二の交友関係を洗え。何人か捜査員を連れていっても構わない。残りは清水美里誘拐事件を追う。俺と春野と青田と斉藤は誘拐事件を担当する。あと七人は欲しい。残りはデスクワークをしてもらう」
その後七人の刑事が名乗りを上げた。名前は上条武、結城耕記、西野茂、麻生陽一、高崎一、中野幸雄だ。十人の精鋭はトラックに乗り込み清水美里の自宅へ向かった。
新たに七人の刑事が登場しました。
この十人の精鋭と誘拐犯との頭脳戦が始まります。