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そんなある日。下校時間で皆クラスから居なくなった時、突然レイアが私に話しかけてきた。
「ねえ、オリヴィア」びっくりして振り向くとレイアが笑みを浮かべて立っていた。
「なあに?」
レイアは言った。「あなた最近私のとこに来ないじゃないのよ。」
「え…その、お友達、たくさんできたみたいだから、嫌な思いさせた私は、もうそばに行かないほうがいいかなって。」
「そんなことないわよ」
私は嬉しくなった。レイア、少しは私のこと、友人と思ってくれてたのかも!
レイアは言った。
「あの人たち、私の容貌は褒めてくれるんだけど、手足となって動いてくれるわけじゃなくて。
あなたのような人は必要なのよ。」
え…それ、どういうこと?
「ま、あなたも気が利かない人だけどさ。
学園に来たからには、男子生徒の有望株を捕まえるのが第一の目標でしょ?
それなのに、あなた私とべったりすぎる。
私と男子生徒との話すタイミングをことごとくつぶしてたの、気づいてなかったの?」
…は?…学園は、勉強するところだよね…
「そんなぼんやり口を開けないでよ。今後気をつけて、私のご用聞きだけ、してくれたらいいんだから。
そうそう!服なんだけど。ああいうみすぼらしい服を着ていたら、裕福な男子生徒の目を引いて、誰か私の服を仕立てようとしてくれるに違いないと思って、着てきてたのよ。
学園用の服は、用意はされてたんだけど、それは着ずに敢えてボロを着てたわ。
これ、小説で読んだ、金持ちの男を落とすテクニックなんだけど。」
レイアは啞然としている私を尻目に話を続けている。
「貧しい格好の美少女を自分の財力で着飾らせ、淑女へと変えていくのって、彼らの心をがっちり掴んでしまうらしいわよ。」
「は、はあ」
「だからあなたのしていたことはいろいろと邪魔だったの。
…服を持って来るにしても、もっと豪華なものなら受け取ってあげたんだけどさあ…
あの程度なら私にふさわしくないんだから。
まあでも、あなたが便利だった時もあったわ。
だから、私の意図をきちんと把握して、今後態度を改めてくれたら、
私の下僕として使ってあげるから、そばにいていいわよ?」
レイアは笑った。
「美しい私のそばにいたいんでしょ?おこぼれで、私に近寄ってきた男子生徒とも知り合えるかもよ?」
私は、自分の体が震えているのに気づいた。「卒業後には、どこかで働く予定なので、その時はお仕えすることがあるかもしれないんですが…学園では皆対等に勉強するので、誰かの下僕になろうとは思いません。」
「あら、そう。ま、気が変わったらこちらにおいでね。」レイアは去った。
…この人、見た目と内容が全く違う…
あんなに綺麗なのに…
私は言われたことがショックでしばらくその場から動けなかった。




