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私、オリヴィア。焦茶の髪に薄茶の目という平凡な十五歳の女の子。でも可愛いって言ってくれる人も少しはいる。
こんな私だけど、一応、男爵令嬢よ。今年から学力標準レベルの学園に通っている。一年生なの。
入学してまもなく、私のクラスに編入生が入ってきたの。
「レイアさんです。皆さん、仲良くしましょうね!」担任の先生が紹介する。
名字の紹介がないのは、学園が生徒のうちは対等な立場であるべきだから、家名を意識させないようにさせる、という方針だからなんだって。
まあ、有名どころの子息や令嬢やらは、名字をことさら名乗らなくても皆知っている。
また、皇族や高位貴族などは、似顔絵など出回るので、平民にも知られる。
でも、なんらかの理由で集まりに出ず顔を知られていない貴族子息や令嬢もいるけど。
彼らは名乗られない限り、身分はわからないけど、かなり少数派のはず。
ともあれ先生の横に立っているのは、レイアという名のとっても美しい女の子。
事情があり、これまで表に出て交流できなかったという。
その事情については私達には教えてもらえなかった。
そしてどこのご令嬢なのか、全くわからない!深窓の令嬢かもしれない…
容姿からすると、私のような低位貴族では無さそうだわ。
皇族の方々に、髪や目の色が似ているし。
けぶるプラチナブロンドの髪に、深い青い色の目のレイアに、私の心は鷲掴みにされたわ。
だって凄く凄く綺麗なんだもの!
とても同じ人間とは思えないわ!
精緻に作られた、お人形みたいなんだもの!
同じクラスの男子生徒達なんか、穴のあくほど彼女を見つめている。
…それ、やり過ぎだってば。
でも、その美貌と不釣り合いに見える彼女の服装…
つぎはぎだらけの古い服。
これ、誰か、どうにかしてあげないと!見たときそう思った。
でも、まずは彼女と仲良くなりたいな。
私は胸の鼓動を押さえて、彼女に話しかけた。
「こんにちは!私オリヴィア。同じクラスのよしみで、これから仲良くしましょうね!」
レイアは不審そうにこちらをみている。長く伸びすぎた髪のすきまから探るようにこちらを見ながら、「…よろしく」と小さく返事をしてくれた。
…少しグイグイ行きすぎだったかも!?私は反省した。
でも同日、授業始まって、先生が、誰か教科書を彼女に見せてあげなさいと言った時、私以外に誰も手をあげなかった。
彼女の隣の席は空いてたから、私がそこへ移動して教科書見せたりとかしたの。
さらに、彼女がまだ用意してなかったので、
新しいノートをさしあげたり、
筆記用具などもなかったので、私のを貸したりしたわ。
他の人、みな彼女を遠巻きにしてたの。美少女すぎて気後れでもしたのかな?
私以外に誰も手をあげなかった。
もしかして彼女の服のせいかもしれない。こんな服装の人は、学園にはまずいない。
こんなことはいいたくないけれど、貧民窟の人の格好に見える。
…みんなには異様に見えたのかも。
レイア、私の手助けを喜んで友達になってくれたらいいんだけど…
彼女は、礼を小声で述べるだけで、遠慮しているのか、私には距離を置いている様子のままだった。




