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小説ワープ  作者: 青。
1章 本が読みたい
9/13

9話 国王がくる

朝起きると、もう日が完全に昇っており、完全に寝坊してしまった。

部屋を見ると、アルが椅子に座って書類仕事していた。

私が起きたことを知ると、ホッとした表情で朝ごはんの用意を、いつ現れたのかが一切わからないレイに頼むと、そのまま部屋を出て行った。

その後ろ姿を見送り、いつも通りのシャツ姿に着替えると、食事に行く。

食事は、私の席にしか置かれていなかったので、多分みんなは食事を済ませたのだろう。

いつも通り美味しい料理を思いっきり楽しんだ後、本を見に行こうと思っていたら、お呼び出しがかかってしまった。


普通にアルに呼び出された。

勘弁してほしい。

昨日の話し合いで解決したんじゃないの?

と思いながら執務室に行くと、「国王に、妻を合わせたいと伝えると、すぐにこい」と言われたらしい。

会う時間は今から少し後で、時間こそ短いものの、大事な謁見となる。

しかも、私はこれまで、「礼儀がわからない」、「めんどくさい」などと言って社交界に一切出てこなかった。

そのため、いろいろとあらぬ噂が立っていたらしい。

だが、どれも根拠はなく、どういう風な人なのか注目が集まっていた。

それに加えて、私は小説やアニメ、漫画などでイケメンを見慣れているため、ある程度耐性があるのだが、男性をほとんど目にしないような人であれば、夢中になってしまうような見た目をしている。

それなのに、今まで結婚しようと近づいたもの達はことごとくあしらわれ、話をすることも難しいような存在であるため、余計に注目が集まっていた。

普通に注目の的なのである。


謁見では、国の重鎮が同席するため、私の見た目や服装など、少しでも有益な情報はすぐに伝わっていくだろう。

そのため、見栄を張ることが大切になるのだが、なにせ見た目と、女子同士の争いにだけはうとい人間のため、正直いらない意地の張り合いだと思うのだが、レイさん達がとても気合を入れている。

しょうがないから付き合ってやるかと折れたことが失敗だった。

正直、地獄だった。

いつまで着続けることになるのだろうと思いながら、ずっとものすごくきついコルセットをつけさせられて長時間座らせられたり、いろいろと髪飾りをつけさせられたり、とにかく大変だった。


そして私は今、抜け出してきた。

どうやって抜け出したかというと、レイさん達3人がいろいろと整えている時に、急いで窓から抜け出した。

今は多分、みんなが探している状態だと思う。

ちなみに今は、木の下にいる。

流石に運動神経が足りないので、木登りはできない。


本が読みたい。

そんなことを考えながら座っていた時、「お前だれだ?」

という、男にも女にも取れる声で言われた。

見上げると、私と同じように、ズボンとシャツを身につけている、美人がいた。

きている服は同じようなものなのに、溢れ出ている気品が隠せていないところから、かなり高貴な人物だと考える。

そうこうしているうちに、アルに見つかってしまう。

アルは、私に気がつく前に私の隣の麗人に対して、「陛下!」と呼びかけた。


その瞬間、自分でも発したことがないと思えるほど大きな声で、「えええええええええええええー!」

と叫んでしまった。

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