49話
さてはて、私が魔の者たちをぶっ飛ばしちまった件についてなんだが、どうしよう。
隠蔽は不可能だし、これだけやらかしちまったのなら、城の者たちにも知らせが入っているはずだ。
つまり、両方から大目玉を食らう羽目になってしまう。
かといって、このままほっとくわけにも行かない。
そこで、私の転移魔法を使うことにした。
痕跡でいずれだれがやったかバレるが、時間稼ぎをすることにしたのである。
ポカンとしているこんさんごと、会議の会場に転移しようとすると、
「やめろ!」
という声がした。
仕方がないのでやめてやったものの、このままでは人が来る。
咄嗟に思いついたのは、元の世界の家だった。
しかし、できるはずがないと却下しようとしたが、術式が発動してしまった。
通常の転移でこられない場所なのは間違いないのに、私一人を対象として魔法陣が展開、そのまま吸い込まれていった。
□ □ □
そして、目を開けると病院だった。
私はどうやら、長い間眠り続けていたらしい。
通常ならば家族やらに来てもらう必要があるのだが、だれも来なかった。
病院というのは、慈善事業じゃない。
治療をし、治療によって金を取る仕事だ。
だからこそ、私を救おうとはしてくれたものの、私が受けていたものは点滴のみだった。
しかし、みんながいろんな物を持ってきて、精一杯治療してくれたのは間違いない。
私は現に、持ちこたえることができたのだから。
しかし、これはあくまでも応急処置だ。
慢性的な栄養不足や貧血などはどうしょうもないし、それらを治療してくれるようなお金もない。
否、お金なんて用意してくれない。
ということで、いきなりとばされた私は、思考をかなりぐるぐるしていたのであった。
□ □ □
その頃、魔の者たちは笑顔であった。
世界の調和を乱す人間を、うまいこと閉じ込められたからである。
あの人間は、怨嗟に…………呪いにしばられながら、それに気が付かず、自身もまた、呪いとなるのだろう。
あそこにいるのは、世界を乱しかねない者たちだけだ。
それ以外の人たちはいない。
彼らは一生、ここから出られない。
いや、一つでてこられる時があった。
呪術使いが、呪術を使う時だ。
呪術を使うのは、呪術との対話だ。
まったく持ってそのとうりだと思う。
そして、歴代生粋の化け物たちが放つ、魔法の残りカスを、人格の残りカスを人は、
『呪術』
と呼ぶ。
いつしか、人間たちが呼んでいた。
しかし、このことを知っている魔の者は少ない。
魔の者の中でも、知識ノ魔の者だけだ。
そして、その筆頭として、先ほど閉じ込められたルーのアイボウとしていたこんさんが今、ルーの様子を楽しそうに見ながら、ゆっくりとワイングラスをかたむけているのであった。
完結です!
次の話にあとがきをのせます!!




