30話 カオスなお茶会
貴族と仲良くするために、お茶会に行った先で、1人の人がオドオドしていたのに、その人を他の人が馬鹿にしたら、突然雨が降ってきた。
というのが今の状況だ。
しかも、その突然降ってきた雨は、バカにしていた人のところにだけ降っている。
だが、バカにされたほうがやっているのかと考えて横を見ると、やっぱりただオロオロとしているだけだった。
何が起こっているのかわからずに途方に暮れていると、突然こんさんから、
「あの子は、呪術を持っている。たぶん、本人も操作できていない。」
という声がした。
とりあいず、呪術によってこれを行っているらしい。
しかし、そうなるとかなりヤバイ。
呪術というのは、自分の寿命を代償にして行う。
そして、一回の呪術で代償にする寿命は、呪術の威力で変わるのだが、彼女が使っている呪術は、かなり強力なものだ。
普通に考えて、この呪術を使った後、生きていられれば奇跡のレベルだ。
そのため、あわててとめにはいろうとすると、こんさんからアドバイスをもらった。
「おそらく、彼女は心が不安定になっている。だからこそ、その心を落ち着かせることが大切になるよ。」
と。
とりあいず、それに従ってみようと思う。
こんさんの使える魔法の中では、精神を落ち着かせるものは存在していないため、普通に距離を詰めるしかないのだが、一歩一歩進むごとに、威圧感が増している。
かなり怖い。
体が、近づくのを拒否してしまっている。
それでも何とか側にいくと、
「大丈夫?」
と声をかけてみた。
しかし、彼女は震えながら俯いているため、全く気がついてくれない。
それでも繰り返し呼びかけ、やっと振り向いてくれた時、とても驚いた顔をしていた。
そして、ビクビクしていた。
だからこそ、繰り返し声をかけたのだが、むしろ逆効果で、どんどん萎縮してしまっていた。
そして、それと比例するように、雨の勢いが強くなっていく。
次から次へと降ってくる雨に、かなり怖がっている人の姿も何人かみられた。
しかも、雨が降る範囲が広がっている。
さっきまでは、彼女の悪口を言っていた人だけだったのが、この屋敷全体を覆うように雨が降ってきていた。
どんどん悪化していく状況の中であらわれたのは、なんとびっくり、こんさんだった。
こんさんは結界で屋敷を覆うと、ためらいなく彼女に近づいた。
そして、何をするのかと思ったら、彼女の腕の中に入り、魔法で温めたのである。
まさに、アニマルセラピーである。
彼女は動物が好きなのか、かなり表情がリラックスしてきた。
そして、それに合わせて雨が弱くなってくる。
そして、最終的に、雨がきれいな虹になった。
□ □ □
しかし、その後が大変だった。
あの後、呪術を発動させてしまった彼女は謝りっぱなしで、私がいくら弁解しようとしても、ソレを遮ってしまう。
そのため結局、彼女が勝手に呪術を発動したのを私が諌めたということになった。
とりあいず、雨の被害に遭った令嬢達には、このことを口止めさせておく。
口止めしても被害については伝えられるだろうが、あったほうがいいだろう。
そして、一旦解散し、仕切り直しとなった。
私には、彼女に聞きたいことがたくさんあったから。
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