29話 後継者
新しいミッションが増えました。
その名も、
「国王やってくれる後継者探し」
いえーい。
いや、よくねーよな。
さてさて、私が国王を辞めるために必要なのは、代わりになる人材。
しかし人材は、そう簡単に見つからない。
当たり前だ。
国王になれる人間がポンポン見つかったら、この大陸は一瞬で分裂してしまう。
しかし、何とかして後継者を探さなければいけない。
国王というのは、見ててなんとなく、
「こいつがいいな」
と思ったやつらしい。
つまり、人を直接見る必要がある。
貴族たちの場合は、お茶会的なものに招待すれば解決だろう。
もっとたくさんの人と交流したいし。
ただ、貴族ではない国民となると、話は別なのである。
直接国民全員をみることはできないし、もしかしたら、王城周辺の町に住んでいる人たちではないかもしれない。
つまり、対象が広すぎる。
しかも、普通の国王としての仕事もたくさん残っている。
つまり、めちゃめちゃ効率が悪い。
ちなみに、そのことをラースさんとこんさんに言うと、
「それは想定外だった。頑張ってね」
とのこと。
かるすぎる。
しかし、しょうがない。
ということで、今私はお茶会にでている。
結局、地道に探していったほうがいいと思うため、貴族の屋敷に招かれる形でお茶会に参加している。
多くの貴族たちは、私のことを敬ってくれるため、とてもいい雰囲気なのだが、すごく睨みつけてくる貴族もいた。
そういった貴族たちはすべて記録してある。
今後の働き方によって、処分が決められる。
□ □ □
そして今は、私と同じくらいの年齢の令嬢たちが集まってお茶会を開いている。
実は、令嬢たちが集まってお茶会を開いているのは、私を招待するという点においては珍しい。
多くの場合私を招待している場合、家族がお茶会の主催者だったりするからだ。
加えていうなら、私がその手のお茶会をお断りしたことがあり、それ以降、家族でお茶会をやるところに混ぜてもらうという形で落ち着いた。
つまり、きょうのお茶会はかなりイレギュラーなのだ。
きょうのお茶会は、私以外に、
クラーク侯爵家
サラース公爵家
クラース伯爵家
ランドルト男爵家
のご令嬢が参加しているらしい。
名前は覚えていない。
こんさんが全部覚えているらしいので、こんさんに任せている。
お茶会が始まった。
今日はテラスでやるらしい。
テラスには、色とりどりのお菓子やお茶が運ばれてきた。
正直、お菓子やお茶を楽しむ方が、腹の探りあいよりも楽しい。
しかし、そうも言っていられないので、お茶会の間は、かなりたくさん話をしていた。
その中で気がついたのは、今回のお茶会の主催者の中で、とてもオドオドしている人がいることに気がついた。
よく見ると、自己紹介の時に一番最初に話していた、男爵家のご令嬢だ。
その人は、なにやらオドオドしながら周りに気を配っている。
いや、周りに気を配りすぎている気がする。
そして、私の気のせいでなければ、なにやら、他の令嬢たちの笑い声が聞こえる気がする。
よく耳を澄ますと、
「忌み子」
などという言葉が聞こえてくる。
よく見ると、その見た目は、アルビノだった。
アルビノというのは、本来体にある色素が抜けている個体のことで、アルビノの個体は、神の使いとして崇められたり、呪いだと言われて迫害されたりする。
たぶんあの令嬢は前者なのだろう。
そんなことをのんきに考えていると、突然その令嬢がまとう空気が変わり、空が曇って雨が降ってくる。
何なんだと思うまもなく、令嬢たちに雨が降ってきた。
貴族の階級は、上から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵
としています。




