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小説ワープ  作者: 青。
1章 本が読みたい
18/50

18話 国王の考え

国王陛下が犯人であることが分かったところで本題である。

今の国王陛下は、呪術を使える、つまりは呪術以外の魔法が使えないのであろうか。

答えは、「分からない」

国王陛下は、基本的に魔法を使わないし、使う必要がないため、魔法を使っているところをみたことがある人はいない。

だから分からない。

しかし、歴代の国王が全員、魔法を公の場で使わなかったわけではない。

中には、魔法を使っているところをはっきりと国民にアピールしていた事例も確認されている。

その例が、先代の国王陛下である。

先代は、即位式のときと、子供が生まれた時に魔法を使っており、その様子は国民に広く知らされた。

だが、魔法を公の場で全く行使せず、どのような魔法が使えたのか、わかっていない者も多い。

つまり、極端なのでデータがとれず、わからないのである。


つまり、魔法は使えても、魔法を見せていないことも十分に考えられる状況なのだ。


だが、ここで思うのだが、これまでの国王の中で、魔法を使えていた者とそうでない者がいた場合、そして魔法を使えない者が魔法を見せなかった国王だと仮定すると、今の国王陛下が魔法を使えない可能性も高い。


そんな、解釈次第でどちらとでもとらえられるような膠着状態を打ち破ったのは、


政治家のミライさんだ。



ミライさんは、政治家と言っても、政治を動かしているのではなく、昔から現代まで、どういう政治がどのように行われていたのかを研究している、いわゆる政治学者だ。

なぜ、政治学者という二つ名をつけなかったのかというと、語呂が悪いし、なんとなくかっこいいから

らしい。

そんなミライさんにも、こんさんと並んで情報が入ってくる。

それなら報告しろよ!

っとつっこみたいところだが、ミライさんは分かっていて報告しないのではなく、他の人に自分が持っている情報を渡すのが嫌なのと、政治という意味では変化がないため、報告できるようなことはないと思っているからである。

以前、報告させようと、こんさんが「報告してください。」みたいな注意をしたらしいが、

言い負かされたらしい。

その様は、かなり怖かったらしい。

以来、だれもミライさんにははむかえない。

そんなミライさんは、政治に関連する情報を持っていた。


「歴史書を見ていると、時々、その歴史書を書いた人がつぶやいている部分がある。」

例えば、「魔法使えないのかな?」とか、「式典で何をやったか」

などが、ポロッと書いてあったりする。

それをつなげていくと、即位式の際の式典の順序などに共通点があることが分かってきた。

そして、分かったのは、魔法を国民に見せた国王の即位式と、見せなかった国王の即位式では、魔法を見せないこと以外には、特に違いがなかったということだ。

つまり、魔法を見せなかったのではなく、魔法を使えないからこそ、同じ儀式をやっていても、魔法を使うかどうかで別れたのだと思う。


そういうふうに考えていくと、魔法を使えない可能性が高くなってくる。

また、歴代の国王陛下の側近が残した手記によると、魔法を即位式で使わなかった国王は、魔法の勉強にあまり前向きではなく、魔法を見せたことも、側近にでさえ魔法を見せたことはないらしい。

歴代の国王陛下の側近たちは、陛下の様子をめちゃくちゃ詳細につづっているらしい。


つまり、犯人は今の国王陛下。

呪術による犯行ということで。



私は一つ思ったことがある。

やればできる子と言うものが、本当に存在しているとは、今の今まで思わなかった、ということである。

知識ノ魔の者たちは、やればできる子なのね。

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