表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説ワープ  作者: 青。
1章 本が読みたい
17/50

17話 犯人探し(後編)

先ほど、ラースさんにきいた、呪術の話。

これには伝承がある。

かつて、この世界では、呪術を使っている者たちが一定数存在していた。

呪術は、特定の人しか使えない魔法の一種類と考えられて来たからだ。

それでも、魔の者たちの使っている魔法の一種類ということで、迫害されていた事もあったらしい。

それでも、今よりも呪術を使う人がたくさんいた。

しかし、あるひとりの人の登場によって、呪術は使えなくなってしまった。

それが、聖ルベリオル王国の初代国王、レイナルド・ルイカである。

彼女は、魔法の中でも強力な、千変万化というものの使い手だ。

しかし、これはどちらかというと呪術に近い。

なぜなら、この千変万化は、歴代の中でもルイカしか使えないからだ。

ルイカは、望めば何でもできるこの力を、人々のために利用していた。

しかし、ルイカは一度だけ、呪術の再現をしようとして、呪術を発動させようとしたことがある。


そして彼女は知ってしまった。

呪術には、魔法と違ってリスクが存在することに。

呪術の世界では、まず刻印が刻めるかどうかで一つの関門がある。

刻印は、刻もうとして拒絶されることがほとんどなので、幼いうちはこれにリスクはない。

しかし、呪術の怖いところは、刻印を刻んでも、呪術の行使をする時に代償が必要なのだ。

大抵の場合、その代償というのは寿命である。

自分の使う呪術によって違っても、多くの場合、呪術を使う人ほどはやく死んでしまう。


そんな呪術には、何の皮肉か、人の役に立つものしか、基本的には存在していなかった。

ルイカが実験をするまでは、他者のために命をすてる覚悟のある人たちが、国を豊かにするためのものだったのである。


しかし、ルイカは実験を行った。

ルイカは、発動しようとした際に、自分の生きる力、すなわち生命力が吸われていくことを感じていた。

それで咄嗟に、発動をやめたのである。

ルイカは、「普通の」呪術の再現を行ったため、代償が存在したのだ。

ルイカが実験しようとしていたのは、実際に呪術として存在していた、「自分が作ったものを思い道理に動かすことのできる呪術」である。

これは、呪術としては協力な部類のため、ルイカが発動をやめてしまったのも、納得がいくくらい、変化がすごい呪術なのだ。


だが、ルイカが発動をやめたことで、ルイカから好きだったエネルギー(生命力)が行き場を失い、そのエネルギーが暴走することで、新しい魔法が生まれてきてしまった。

その魔法が、「霊たちに一度だけ命令を聞かせる魔法」である。

ルイカは、この魔法を、ひいては呪術を恐ろしく感じた。

ルイカは、だれにも話さずに、自分にしか解けない魔法で、呪術を存在しなかったことにする。

だれもが寿命を全うできるように。


しかし、ルイカは晩年、一つの村へ行った。それが、その伝承があった村である。

ルイカの指示なのか村人の判断なのか、この話は、村の人たちの間でずっと話されていっているのだ。

という話だ。



ちなみに、この話では村人から聞いたものをそのまま言っているのではなく、村人からきいた言葉をそのまま写した物を、現代語に翻訳したものらしい。

村人に伝わっていた言葉は、存在したのかも疑われていた古代語で、解読に長く時間を食ったらしい。


ストーリーとしてはここまでなのだが、村の長老に会った際、長老が、「国王様なら封印を解くのは簡単なのだがな」と言った。

引っかかりを覚えたがために問い詰めると、驚きの事実が分かった。

なんと、長老にしか伝わっていない、その呪術の封印の解除法が。

長老に教えてもらうと、どうやら王族は、その封印を、ある言葉をいうだけで解除できるらしい。

その言葉は、

「我は今は亡き、ルイカ様の子の子孫。ルイカ様の判断によって封じられしこの術を、自身の身を持って使用し、国家の安寧を保つため、その使用を許可してください。」

である。

そして、これを使用した場合、長老に伝わるようになっているらしい。


そこでは、現国王、ルイスの使用が確認されたらしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ