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小説ワープ  作者: 青。
1章 本が読みたい
14/50

14話 それぞれの発見

小綺麗な家具に囲まれて、椅子に座っていた。

絶賛会議が始まろうとしている。

会議は基本的に、こんさんが主導している。

具体的には、

①自分たちがつかんだ情報を、それぞれが発表。

(異常性がわからない人が多く、当てにならない)

②自分たちが発見した技術の報告。

(大抵の場合、研究者のライカさんと、旅芸人のアーさんが発表する)

③研究に対する対応

(主にこんさんが主導する)


という順番になっている。


初めは、情報である。

こんさんの読みどうり、こんさんを除く全員が、特に異常なしと答えている。

絶対にそんなはずはない。

なぜなら、こんさんの調べによれば、少なくとも、貴族が数人隠居し、新しく爵位をついだものが何人かいるからである。

それに加えて、私とこんさんが繋がりを持ったという、重要な出来事がある。

それなのに何も言わない。

要は、だれも興味がない。

仕方ないのでこんさんが、資料を一人一人に配っていく。

興味無さそうに見ている人が12名程度。

いや、私とこんさん以外全員やな。

まともに話も聞いていない様子だった。まあ、みんなの間でも、こんさんが何とかしてくれるという共通認識があるのだろう。

完全に丸投げだった。


ところが、新技術発表会になるとようすが一変。

全員が興味を示していた。

まず最初の発表は、ライカさん。

ライカさんは、魔法の仕組みを使って、部屋の温度が一定になる装置を作ったらしい。

半分エアコンである。

しかも、かなり小型化していて、手のひらサイズの石になっていた。

これは、持っている人のすぐそばに結界を張って、その結界内の温度を操っている。

また、サイズを大型にして、部屋全体を一定の温度にすることも可能になるため、実験の際に部屋の温度を調節するのにも使用できるらしい。


続いてアーさん。

アーさんは、新しくアクロバットを生み出したらしい。

バク宙とかをめちゃくちゃ綺麗にやっていた。

あとは、マジック。

人が消えたり、火を吹いたり、いろいろやっていた。


二人の発表以外では、特に他に発表をしようとしている人はいなかった。


続いては、その2人が発表した新技術について。

選択肢としては、

①、公表しない

②、国王陛下の名前で公表する。

③、自分の名前で公表する。

④、しれっと使う。

というのがある。

③と④は、正直論外。

問題になるのは、公表するか、公表しないかである。

これについても、半ば決まっている。

なぜなら、2人とも、新技術を見てほしくて仕方がないからだ。

ということで、大抵の場合は国王陛下の名前で研究について発表があり、研究についての商業化なども、国王陛下にお任せとなっている。

今回の場合だと、ライカさんの発明は国王陛下の名前で発表された後、国王陛下の息がかかった商会にて、取引されることになる。

アーさんのマジックは、国王陛下の前でお披露目をしたあと、国王陛下の名前で、技術の紹介がある。

アーさんは、その技について誰かに教える。

そして、その人ができるようになったら、その人を隠れ蓑にして旅を続ける、といったことをしている。


今回の場合は、かなりたくさんのマジックを新しく生み出したため、かなり習得させるのに時間がかかると思われている。

目立ちたくない、目立たないことが災いとなって発生する手間である。


結局、いつもどうりに、なったのである。

何も変化なし。

むしろ、変化がなさすぎて拍子抜けしたレベルだ。

このあと、みんなでご飯を食べながら、和気あいあいと終わるのが普段なのだが、今回は少し違った。

宴会の準備をこんさんがしていると、ドーンという音とともに何かが入ってきた。


その瞬間、今まで緩かった空気が、一瞬で張り詰め、全員が戦闘の準備をしだした。

かくして、理解ができていない私を通り越して、戦闘が始めようとされていたのだ。

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