表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ざこぴぃ冒険たん  作者: ざこぴぃ
第六章・魔王とその仲間
81/113

第79話・月夜見命


―――神の社―――


 月子を呪いから解くには、神器・天之叢雲(アメノムラクモ)が必要だと言うことがわかった。持ち主は素戔嗚尊(スサノオノミコト)。しかし肝心のスサノオがどこにいるかがわからない。


「スサノオの居場所か。北の神殿の司祭ならもしかしたら知ってるかもしれんの」

「北の神殿……?」

「うむ。月子はわしが預かっておいてやる。天之叢雲を探して来るが良い」

天照大御神(アマテラス)様わかりました。それともう1つ教えて下さい。天之叢雲の呪いはわかったのですが、その呪いをかけた魔物とはいったいどんな魔物なのでしょうか」

 今後、最重要になろう回答を待った。

「わしにもわからぬ。ただ月子をここまでさせるのはやはり神族の呪いでなければ無理じゃろうのぉ」

「……神族。わかりました。北の神殿に行って参ります」

「うむ、無茶はするなよ」

「――月っ!?」

「ん?」

「い、いえ。何でもありません」

 一瞬、アマテラス様が月子とかぶり、名前を呼びそうになった。月子は眠っている……気のせいだ。

 俺は月子を神の社に預け、北の神殿へと向かった。


―――北の神殿―――


 海岸近くに神殿が見え、少し離れた場所に小さな町も見えた。

「ここが北の神殿か。クロ、入口まで頼む」

「ピィィィィィィ!」

 バサッ!と、クロが降下し北の神殿の入口にあっという間に辿り着く。

「どちら様ですか?」

 入口で門番に聞かれる。人間ではない……足が尾ヒレになっている。人魚族か?

「天照大御神様の使いで、司祭様にお会いしに来ました」

 使いではないけれど。

「少々お待ち下さい」

 門番は神殿の中へと確認しに行き、しばらくすると門番が帰ってきた。

「どうぞ。お通り下さい」

 俺は人魚族に案内され神殿に入って行った……。


―――学校食堂―――


「やっぱりご主人様のところへ……うぅっ」

「チハヤ?どうしタン?」

「うぅん、な、何でもない。気分が……ちょっと横になるね」

「わかったメス。後はやっておくから休んでて下セイ」

「メリー、ありがとう」

「……」

「メリー様。先程、物見から知らせが入りご主人様が北の神殿に向かわれたとの事です」

「エッ?オ、オゥ、そうでスカ。引き続きお願いしメス」

「はっ!」

「ただいまぁ、メリーお腹すいたぁ~」

「……フフ、リン。おかえりなセイ」


―――北の神殿―――


「そなたが天照大御神の使いの者か?」

 体長3mはあろうか。威圧感に押しつぶされそうになる。

「……はい、司祭様」

「用件を述べよ」

 司祭の横で、丸まっているドラゴンの目がこちらの様子を伺っている。下手な事を言うと殺されるかもしれない。

「天照大御神様のご命令により、神器・天之叢雲を捜しております。ご存知でしたら教えて頂きたいと思います」

「天之叢雲……。うむ、それは素戔嗚尊を探しているという事か……」

「命にかえても助けたい人がいるんです。その呪いを解くのに、どうしても素戔嗚尊様に会わないと……!」

 思わず力が入り、声が大きくなる。それを聞き、しばし考え込む司祭。

「……わしも直接は知らんのだ。じゃがあやつなら知っておるかもしれんの。……ちょっと待っておれ、フンッ!」

 そう言うと司祭の姿が消えた。

「グルゥゥゥ……」

 神殿の王広間で、ドラゴンと2人っきりにされると正直困る。誰か話が出来る人を呼んでくれまいか。

「ガァァァァァ!!……フゥ」

 びっくりした。今のはアクビか。

「――フンッ!はぁぁぁぁ。わかったぞい」

 戻るの早いな。正直、助かるけど。

「西の大森林におるそうじゃ。じゃが……」

「じゃが?」

「誰とも会わぬそうじゃ。昔のスサノオとは別神の様だったと言うておった。魔物も従え、様子が少しおかしいそうじゃ。時間をくれまいか?わしがちょっと様子を見てくる」

「司祭様!ありがとうございます!」

「なぁに、天照大御神に恩を売っておかないとな!ファッファッファッ!」

 俺は神殿近くの小さな町で、司祭からの連絡を待つ事にした。


―――北の神殿東町―――


「きゅぅぅぅぅん……」

「良い子だ、しばらくこの町の近くで待てるか?」

 クロが甘噛みをしてくる。……とっても痛い。

「クロ、わかったわかった!よしよし……」

 するとクロが町外れの森に向かい威嚇をした。

「ガルゥゥゥゥゥ!!」

「クロ?どうした?」

 森に何かいる気配がする。

「わんわんわんっ!」

 森からかわいい声が聞こえる。なるほど、野犬でもいるのか。俺は森に向かい声をかけてみる。

「こっちにおいでぇ。怖くないよぉ~」

「わんわんわん……グガァァァァァァ!!」

「え?」

 犬程の大きさかと思って近付くと、そこにはクロの2倍はあろうかと言う、頭はワシ、体はライオンの様な……合成生物がいた。

「な、何だ……この生き物は……!」

「待て待て。コラッ!威嚇するな!」

「グゥゥゥ……」

「旅のお方、すいません。この子、よそ者が来ると威嚇しちゃうんです。この町は番犬変わりにグリフォンがいるんですよ」

 町から1人の青年が歩いて来て、グリフォンと呼ばれる生物をなだめる。

 しかしこれがグリフォンか……初めてみた。

「はじめまして。助かりました。あの、この町に泊まれる宿はありますか?」

「あぁ、宿屋なら1軒ありますよ。そのくらいのサイズの鳥馬さんでしたら町の入口に泊まれる場所もあります。後、魔法を付与できる指輪を作ってますので是非、私のお店にも寄ってくださいませ」

「わかりました。助かります。ところでグリフォンって――」

「えぇ、宿屋に行きながら説明しますね――」

 俺はこの町で待機することにした。指輪か。月子に買ってやろうかな……そんな事を思いながら……。


―――神の社―――


「月子よ、聞こえているのか?」

「……うぅ……ねぇさん?ここは?」

「神の社じゃ。ナツトの体から結界ごとお主を引っ張り出したのじゃ」

「そうか……体に違和感があって、なかなか神力が元に戻らぬ」

「天之叢雲の呪いじゃ。お主の体に呪いをかけたのは……たぶんスサオじゃ」

「っ!?呪い?スサオがこの地に来てるのか!」

「うむ。北のイズモの国で色々やらかしたみたいじゃな。あやつも天界へ帰れなくなった口かもしれん」

姉弟(キョウダイ)揃って……まったく。ねぇさんはこれからどうするのだ?」

「わしは……この世界の最後を見届けるつもりじゃ。それがわしの使命じゃからの」

「そうか……ねぇさん、頼みがある。また眠ってしまう前にナツトに会いたい」

「……はぁ。月子よ……。わかった。わしの神力を少し分けてやる。後は好きにするが良い」

「ありがとう……いつかきっとこの恩を返すからな」

 そう言い残して月子は神の社を出ていった。


―――学校―――


「ガガ殿。あれは……?」

「何かくるな。嫌な予感がする」

 西の方から砂煙が上がっている。

「全員、校内へ避難!魔法障壁を発動!」

「はいっ!」

『ジリリリリリリリリッ!!』

 校内にけたたましい警音が響く。

『屋外で作業中の皆さん、大至急校内にお戻り下さいっ!!繰り返します!屋外で―――』

「ガガっ!どうしたのっ!?」

「また魔物の群れか……いや、それにしては数が少ない。どちらにせよ、チハヤ様達は避難の準備を」

「わかったわ。お願いね!」

「ピューーーーーイ!!」

 口笛を鳴らす、ガガ。人魚族が数体、海辺から顔を出しうなずく。最悪の状況になったらチハヤ達を人魚族が海向こうの島に送る算段は出来ていた。

「ガガ、あれは?」

「神の手の者か、あるいは魔界から我らを連れ帰りに来たか」

「ヒサビサノ……タタカイダ……」

 そしてそれは何の前ぶれもなく現れた。屋上にいたガガ目の前に浮かぶ人影。

「クックック。おいおい、まだ生き残りがいたのか。全員死んだと思っていたのだがな」

「貴様は誰――!う、動けない!?」

「何だ。ただのサキュバスか?くだらん。どうだ、お前ら俺様の配下にならぬか」

「ふ、ふざけるな!私はヴァンパイア一族のガガ!名を名乗れっ!貴様はいったい!」

「ほぅ、ヴァンパイアか。面白い。我が名は素戔嗚尊(スサノオ)、この大陸の新たな王とでも言っておこうか」

 ニヤリと笑うスサノオ。

「スサノオ!?神か……くっ」

 そしてついに、この物語の終末が近付く……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ