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異世界ざこぴぃ冒険たん  作者: ざこぴぃ
第六章・魔王とその仲間
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第74話・ヴァンパイア・ガガ


―――1階ホール―――


 翌日、俺は魔物達に会った。

 ヴァンパイア、リザードマン、ウォーウルフ、オーク、ゴブリンの代表が既にホールで待っている。

「お初にお目にかかります。ヴァンパイアのガガと申します」

「オ、オレ、リザードマン」

「ガフッ!ハァハァハァ!」

「おで……」

「ハラヘッタ……」

 話できる奴1人じゃん!とツッコミを入れたくなる。

「こほん。皆さん、良くおいで下さいました。俺がチガ・ナツトです」

「みんな!ご主人様!て呼ぶんだよっ!」

「ゴシュジンサマ……?」

「さて、ここに来た理由を聞こうか」

「はっ!私共は反征服主義団体ノーアクに加盟しておりまして、魔物の偵察と報告が主な仕事です。今回この魔物の進行も私達の意思に反します。ノーアクとはそもそも――」

 ガガが言うにはノーアク集団は反征服派であり、魔界、地上界、天界とは手を取り合うべきと主張しているそうだ。今回も進行を止めようとしたけど、力不足で申し訳なかったと。ガガの目を見た限りでは嘘は言っていない様だった。

「先だって、あなた様の力を間近で拝見し、その力を……」

「もういいガガ。話は終わりだ」

 俺は椅子から立ち上がる。

「ご主人様!?なんでぇ!」

 慌てるリン。

「ナツト様!ど、どうされましたかっ!?気を悪くされたなら謝ります!」

「オ、オレ、リザードマン」

「クゥゥゥン…」

「おこた……?」

「ハラヘッタ……」

「お前らがやった事は許せる事ではない。俺から見たら同じ魔物……しかしチャンスをやる。今から外に出ろ。俺に勝ったら話を聞こう。ただし負けたらこの話は終わりだ。全員でかかってこい!」

「ナツト様……。わかりました。仕方ないですね。剣を交えずに交渉したかったのですが……良いでしょう」

 全員立ち上がり外へと向かう。

「ご主人様!こんなのって!」

「リン、大丈夫だ。見ててくれ」

 さてさて。ガガ達は嘘は言ってはいないが、力無き者には敬服できないオーラが丸出しだった。このまま話を進めてもお互いが気を使い、いずれは戦いの火種になるだろう。最初から俺達が上の存在だと言う事をわからせないといけないみたいだ。

「さて、この辺でいいだろう。本気でかかってこい」


◆◇◆◇◆


『妖刀村正よ、我が手に宿れ……』

 俺は妖刀を抜く。スゥゥゥ――見事な刃先だ。禍々しい魔力を感じるが操れない事はない。カタカタカタ……と音を立て刀が震える。

『ほう、そなたが新しい主か。クックック。我を従える力量があるのか?』

「しゃべった!?妖刀って喋るのか!?」

『念話だ……妖刀には死者の命が宿る……』

「怖えぇよ……」

「グガガガガガ!!」

 そんな事を村正と話していたら、オークとゴブリンが襲ってくる。ゴンッ!とオークの持つ棍棒が俺に直撃する!

『主よ、我に任せてみぬか。魔力だけ供給してくれたらいい。クックック。数百年ぶりに暴れてみたいのぉ……』

 ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!村正との会話の最中もずっと殴られている。

「……アレ?ゴシュジン、イタクナイ?」

「ちょっとうるさい」

 ボコンッ!裏拳でオークとゴブリンが吹き飛ぶ。

「村正よ、すまない。実は俺は……刀を使った事がない」

『……は?クックック!気に入った!我に全て任せよ!』

 魔力を妖刀村正に集中すると、スゥゥと体が軽くなる感覚がする。

「ガルゥゥゥゥゥ!」

 オーク達に続いて、ウォーウルフ2匹が噛み付いてくる!

『我の念に続くのだ……』

「わかった。村正任せた!」

漆黒の太刀(シッコクノタチ)――』

漆黒の太刀(シッコクノタチ)――」

 体が自然に剣技の型を作る……!

月陰(ツキカゲ)!!』

月陰(ツキカゲ)!!」

「キャイィィィィン!!」

 一瞬で2匹のウォーウルフが血しぶきをあげて倒れる。剣を振るった俺自身の目にも、剣先が見えない。

「メリー!すぐに回復を」

「ハッ、ヘイ!!生命回復(ヒーリング)!」

 傷付いたウォーウルフの傷がみるみる治り、キョトンとした表情を浮かべる。

「お次は……リザードマンか」

「ワレ、ナ、ネビュラ。オアイテ、スル」

「かかってこい」

 リザードマン3体が左右に開き、3方向から剣を振り下ろす!

月陰(ツキカゲ)咆哮(ホウコウ)!!』

月陰(ツキカゲ)咆哮(ホウコウ)!!」

 八方向に斬撃が飛ぶっ!

 ビシャャャャャ!と血しぶきが飛び散り、リザードマンが倒れる。

「ヘイヘイ!!生命回復(ヒーリング)!」

「ウゥ……ツヨスギル……ネビュラノマケ……」

 すかさずメリーがリザードマン達の傷を癒やした。

 後はヴァンパイアが2人。ヴァンパイアの1人が前に出る。1人ずつ来る気の様だ。

「我が名はザクス……剣には少々覚えがある。いざっ!」

『ほう、こやつはなかなかいい太刀筋じゃ。ククク』

「だ、大丈夫なのか?村正!俺にはほとんど剣が見えない!」

 キンキンキンッッッ!キィィィンッッッ!

『大丈夫だ。しかしまだまだ若いのぉ……行くぞ!』

「お、おう!」

月陰(ツキカゲ)燕返し(ツバメガエシ)!』

月陰(ツキカゲ)燕返し(ツバメガエシ)!」

 キィィィィィィィィィンッ!

 甲高い音が辺りに響き、ザクスの刀が宙を舞う。

「見事……!」

「ふぅ、後1人!」

 ガクッとうなだれるザクス。さて残り1人。

「ザクスがひざをつくのを久しぶりに見たわ。さぁ。楽しませて……」

「ヴァンパイア・ガガ……来いっ!!」

「勝負っ!!」

 キンキンキンッッッ!ザシュ!ザシュ!

 ガガはザクスと違い強引に攻めてくる。村正が受け切れないのではない。俺が力負けをし、隙を与えてしまっているのだ。

「くっ!!」

「どうしたの!ご主人様の力はこんなものなのっ!」

 キンキンキンキンキンキンッッッ!!

 あらゆる方向から剣先が飛んでくる!村正がうまく流してくれているが、俺は目で追いきれてない。

『目で追うな。剣先に集中すれば相手の動きも見える。集中しろ』

「村正……!」

 ガガから一度距離を取り、深呼吸をする。

「ふぅぅぅぅぅ……。村正、頼む」

『これで決めるぞ……』

 村正から青白い魔力が揺らめく。

月陰奥義(ツキカゲオウギ)月花(ゲッカ)!』

月陰奥義(ツキカゲオウギ)月花(ゲッカ)!」

「バカなっ!消えっ――!どこだ!」

 ザシュゥゥゥゥゥゥ!!

 ガガは一瞬俺の姿を見失い、背中から一太刀を浴び倒れ込んだ。一面には血が広がり、まるで花の様だった。

「ガハッ!!」

「勝った……か。メリー!回復――」

「ご主人タマ!違っ!倒れているのはザクスさんドス!」

「何だと!!」

『ほぅ、あの奥義をかわすか……』

「ガガはどこだ!」

 ガガをかばう様にザクスが割り込み、ガガの姿を見失う!

「あ、危ないわねぇ……。そんな技を隠し持っていたとはね。だけどここなら届かないわ」

「ガガッ!」

 ガガは遥か上空に浮いていた。メリーが急ぎ、ザクスに回復魔法をかける!

生命回復(ヒーリング)!!」

「かはっ!ごほっごほっ!すまない……かはっ!」

「ザクスさん動かなイデ!傷が深イン!オーガさん、ザクスさんを病室に運ブンダ!」

「オデ……ザクス……クウ」

「食べるんじゃナイ!運ぶンダ!バカタレ!」

「オデ……バカタレ……」

 ザクスは病室に運ばれ、メリーとリンも病室へと急ぐ。

「さて、ご主人様。空を飛べないとなると私が遥かに有利だが降参するかい?」

「降参?ガガ、何か勘違いしてないか?」

「勘違い?どういう事……?」

「俺は元々剣士ではない。この妖刀村正の願い……いや、お前らの得意な舞台で戦っただけだ」

「そんな強がりを言った所で、上空にいる私が下に降りない限りご主人様の攻撃は当たら――!?」

「気付くのが遅かったな、ガガ。終わりだ」

「そ、そんな!?いつの間に!!」

『――光の雨(ライトレイン)・極』

 ガガが空を見上げると同時に、数百の光の雨がガガの体を貫く!!

「ギャァァァァァァァ!!」

「ガガ、俺の勝ちだ」

 光の雨に体を撃ち抜かれたガガは地面へと墜落し、負けを認めたのであった。

『村正ありがとう。助かった』

『主よ、愉快であった。また会おうぞ』


………

……


 ――翌日。

 病室で手当てを受けていたガガもザクスも、ようやく傷が癒え動ける様になった。

 夜通し看病を続けたメリー達には感謝しかない。

 魔物達を1階のホールへと集めると俺は話始める。

「お前らこれでわかったか!」

 魔物達は俺の前にひざまずき、ガガが口を開く。

「我らでは敵いません。試すような心づもりが少なからずありました。申し訳ございません」

「お前らに一言言いたい!」

 皆が注目する。

「俺の得意な戦闘は魔法だっ!剣など一度も使ったことがないっ!」

 ドンッ!!ガガ達の目が点になる。

「いやいや、それはあまりにも……」

「クックック」

「ハッハッハッハッハッハ!」

「恐れ入った!あれほどの刀さばきで魔法が得意とは!ハッハッハ!愉快だっ!」

「あぁ……何て事ですか……!このような強い御人を試していたとは……恥ずかしい!強い御人……私と結婚して下さいっ!」

 ガガが両手を広げてアピールしてくる。

「断るっ!!」

「ぐは……」

 ガクッと、ひざから崩れ落ちるガガ。

「だがしかし!お前達は今日から俺の配下だっ!力を尽くせっ!以上!」

「ご主人様っ!?いいの!ありがとう!」

 リンが抱きついてくる。

 力には力を見せつける。これでこの魔物達は俺どころか、チハヤ達にも歯向かう事はないだろう。

「キマったな……」俺は自分に酔いしれた。

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