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異世界ざこぴぃ冒険たん  作者: ざこぴぃ
第一章・終わりと始まり
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第4話・初めての出会い


―――砂漠の聖域オアシス―――


「あれはっ!?ハルト!急げ!人間が魔物襲われておる!」

高速移動(ランファースト)ッ!!」

 加速魔法を唱える!

 一定時間移動速度が極限まで上がる初級魔法だ。

「誰かっ!!ゼシカを助けてっ!!」

 頭が豚で体は人間の姿をした魔物に殺されそうな女騎士が見え、その周辺には護衛であろう兵士が横たわっており、先程助けを求め泣き叫ぶ少女の姿もある。

加速(ブースト)ッ!!」

 加速魔法にさらに加速を加え、魔物めがけ剣を抜く!!ザシュッ!!!

 魔物の首を一閃!魔物の首が吹き飛び血しぶきが上がる。間一髪の所で女騎士を救えた。後は……スライムの群れか。

光の雨(ライトレイン)ッ!」

 無数の光の雨がスライムの頭上に展開し、激しく突き刺さり消滅していく!


 この数ヶ月で魔法と剣の使い方がわかってきた。これもアリスの教えのおかげか。この世界で生きていく為の……。

「うむ。ハルトよ、見事だ。修行の成果であるな」

「あぁ……生命回復(ヒーリング)!」

 僕は女騎士ゼシカの傷を癒やす。

「すまない。なんとお礼を言っていいものか……助かった」

 美しい。水色の髪に青色の目。スラッとした体型なのに豊満な……が、鎧の上からでもわかる。

「大丈夫ですか?お礼などいりません。僕と子供を作り……」

「アリスちょぉぉぉっぷ!!」

『べしっ!!』

「いってぇぇぇぇぇぇ!」

「ど、どうかされましたか?」

 気を抜いていた。アリスの姿は周りには見えず、1人で痛がる僕は周りの人の目にはどういう風に映るのだろうか。

「たわけ。順序というものがあろうが」

 冷ややかな眼差しで僕を見るアリス。

「ゼシカ!!ゼシカッ!!わぁぁぁぁん!!」

「チグサ様、申し訳ございません。私共がいたらぬばかりに……お怪我はございませぬか!」

「私は大丈夫!それよりもゼシカが無事で……」

 泣きじゃくるチグサと呼ばれた少女。兵士達は間に合わなかったが、数人のメイド、ゼシカ、チグサは助かったみたいだ。

 しかしこのチグサと言う少女……記憶の中の何かが引っかかる。

「そなたの名前を教えて頂いてもよろしいか」

 ゼシカがチグサを抱きかかえ、こちらを振り向く。

「ハルト。センケ・ハルトと言います」

「えっ!おっ……!?ハ、ハルト様……ゼシカを救って下さり本当にありがとうございます。チグサと言います!このご恩は一生忘れません!」

 毅然(きぜん)とした表情で彼女は言った。

「ハルト殿。ぜひお礼をさせて頂きたい」

「そうですね!ぜひ我が家でお礼をさせて下さい!」

 2人が笑顔で誘ってくれる。

「まぁ、急ぐ旅でも無いし、お言葉に甘えて……」

「それでは、あちらにお乗りください」

 メイドさんが馬車の方を指差した。そう言えば馬車に乗るのは初めてだ。そもそもメイドさんっていうのも初めてかもしれない。


「アリス、探しものはあったのか?」

 アリスに念話してみる。念話とは言葉を発せずとも、直接相手の頭に話しかける魔法だ。

「いや、見当たらないの。ここに無いとすれば……あるいは……ブツブツ……」

 アリスは物思いにふけっている。

 僕が馬車の方へと移動するとアリスも引っ張られ着いてくる。アリス本体が僕の中に存在する事によって、分体は引っ張られるらしい。いつも歩いている様に見えるが、分体は若干浮いている説もある。

 どのくらい離れて移動できるか試したことがあったが、数十メートルでアリスの分体はすぅぅぅと寄ってきた。守護霊というか、守護神というか、今後対策を考えないといけない事もある。例えばお風呂とかトイレとか……。


 馬車に乗り込むと、早速ゼシカに聞いてみた。

「ところで、ゼシカさん達はこちらで何をされていたのですか?」

「はい。チグサ様とイースタンの森へ行った帰りにオアシスで休憩していました。先程のオアシスで突然魔物に襲われまして……そこへハルト殿が来てくれたのです」

「本当に助かりましたのっ!!」

 チグサはコロコロと笑顔がかわいい無邪気な少女だ。ゼシカにくっついてこちらを見ているが少し違和感を覚える。視線が妙に上を見ているのだ。

 僕は気付いていないフリをし、話を続ける。

「ゼシカさん……見た所、あの魔物に遅れを取る人数ではないとお見受けしましたが……」

「はい、そうなのですが、チグサ様を逃がすのが先決でして。後手を取ってしまい、あの有り様です。お恥ずかしい。ところで先程の太刀筋見事でした。ハルト殿は旅の冒険者とお見受けしましたが?」

『はい。南の大陸より来たばかりで聖都へ向かう途中でした』

 アリスの念話に合わせて嘘の返答をする。突然、異世界から来た人間族と神族のハーフって言われても信じられないからだ。

「南の大陸?サウスタンではなく?」

 まずいっ!何か余計な事を言ったか!

「……は……ははは!す、すいません!サウスタンの方角でした。田舎者でして!僕は仕事を探しに聖都へ向かう所だったんです!」

「そうか!それはちょうど良かった!馬車で2日ばかり走るが、私達も聖都へ戻る途中。これもなにかの縁だ。ぜひご馳走させて下さい」

 ゼシカがそう言うと、チグサも合いの手を入れてくる。

「ぜひぜひっ!」

「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます。聖都は初めてなので色々と教えてください」

 そうか。この大陸の南端がサウスタンなのか。さらに南は大陸が繋がっていないということなのだな。

「おかしいのぉ。以前はサウス山脈の向こうに大陸があったのだが……」

 アリスが難しい顔をしている。

「……ゼシカさん。僕は聖都が初めてでして、通貨の種類など教えて頂きたいのですが、構いませんか」

「もちろん。通貨や聖都のこと、仕事を探すなら冒険者ギルドの話も教えましょうか?」

「ぜひお願いします」

 僕は移動中のこの2日間で、通貨の種類、聖都、冒険者ギルド、大陸の話などを教えてもらった。

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