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異世界ざこぴぃ冒険たん  作者: ざこぴぃ
第二章・国作と住古来今
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第15話・プリン登場


―――ウェスタン王国王広間―――


 ブロンド髪の美女が兜を外し、膝を立ておじぎをする。

「アリス様、国王様、お初にお目にかかります。マリア・エルバルトと申します」

「お、おねぇちゃんっ!?」

「エルバルト教会の者か。なぜここに?」

「はっ。妹のメリダが誘拐され、ここウェスタンで目撃情報があり、調査しておりました。まさかここで出会えるとは思いませんでした……うぅ」

 涙ぐみながら、彼女は続ける。

「ハリス侯爵に人身売買の疑があると聞きました。そしてハリス侯爵は私達の父と母の仇っ……うぅ……!」

「うむ。もう良い。メリダよ、そやつを少し休ませるがよい」

「はい。アリス様……」

「ハリス侯か……。ちょっと調べさせるとしよう」

 国王がそう言い、側近に伝える。メリダはマリアの手を取り、姉妹で王広間から出て行く。

「……うむ。次はプリンじゃ。いつからこっちにいたのじゃ?」

「プリン?アリス、プリンって誰だ?」

 初めて聞く名だ。すると突然、チグサが直立不動で目を見開いて答える。

「はいっ!中央都市でチグサを見つけて、媒体(ばいたい)にして今日まで休んでおりました。ねぇさま!」

「どうりで、ウェスタンに来る馬車の中でハルトではなく、わしを見ておったのじゃろ?」

「おっしゃる通りです。ですが魔力維持もきつく、昏睡状態でした。申し訳ありません」

「わかった。チグサの体を返してやれ。お前もハルトの中に入るが良い」

「はいっ!ねぇさま!」

 チグサが直立不動でしゃべるのを目の当たりにし、国王がおろおろとしている。大事な娘なんだろう。プリンがチグサの体から抜けると、チグサの体が足元から崩れた。

 アリスは意識を失ったチグサを近衛兵に預け、近衛兵にイカの丸焼きとお手拭きをお願いしている。まだ食う気か。


 その後、僕は国王に中央都市の復興計画を説明した。ゼシカ達冒険者、城騎士団、商人、馬車などを1ヶ月程貸り受けたいとお願いした。

「たった1ヶ月で良いのか?その程度なら特に問題はなかろう。商人、馬車はラルクに言うがいい。して、資金はどうするのじゃ?城を復興するとなるとかなりの金貨が必要だと思うが?」

「ご安心下さい。先の討伐でそこそこ金貨は持っておりますし、私に少々考えがありまして。国が出来たあかつきにはウェスタン王国との同盟、道の整備など、またご協力下さいませ」

「ほほぅ……国を作ると言うのか。面白い。わかった。お主に任せよう」

「はっ!ありがとうございます。1週間後には出立したいと思います。また王妃の件もありますので、本日は祝賀会が終わり次第、城下の宿に移りたいと思います」

 これで出立の準備に取りかかれる。

「あい、分かった。ところでゼシカよ。その、なんだ。ハルト殿とは……その、もう仲良くしておるのか?」

「はい。毎晩同じ布団で寝ています」

 ゼシカが真顔で答える。

「嘘つけっ!ゼシカ!そんな事を言ったら国王様が――!?」

「……そう、そうか、そうかに!」

 国王も怒るどころか動揺して、そう()()、と言ってしまう状況だ。

「ぼくも一緒に寝てるよっ!一緒に寝てたら子供ができるって、ばば様が言ってたから!」

「リンまで!ある意味間違いではない!ないが!今は国王様を煽るなっ!」

「うむ……ハルト殿はあれか。たくさんの女の子がいなければ落ち着かない質なのだな……」

「変態じゃからのぉ……」

 国王がアリスの方を見て、()()()()()()、という顔をしている。僕の評価っていったい……。

「し、しかし、この石像のアリス様と本物のアリス様を比べても、今も変わらずお美しいですな!」

「そうであろう!国王、お主よくわかっているではないか!」

 なぜかヨイショする国王。明らかに話を変えようとしている。でも、あの石像って……。

「ねぇ、アリス。ひとつ聞きたいんだけど、あの石像って……胸、盛ってない?」

「ピキッ!貴様!くらえっ!ハルトッ!!世界のイカ丸投げ日(エンドイカヴァースト)ッ!!」

「なにぃぃぃぃぃ!??」

 アリスにいきなりイカの丸焼きを投げつけられ、これは避けきれないっ!どうする!

「ハルトッ!危ない!完全防御パーフェクトディフェンス!!」

 ゼシカが僕をかばって、手を広げ前方に立つ!しかしスキルはまだ発動しきっていないっ!!

「あぁぁぁっ!!」

 その場にいた全員が、スローモーションの様にゼシカに駆け寄ろうとするが……。

『びちゃ!!』

 ゼシカの顔にイカの丸焼きが炸裂した!!

「ぶはぁぁぁっ……」

「あっ……」

「ゼシカ……す、すまぬ……」

 ちょっと反省するアリスだった。


―――宿屋フラン―――


「ふぅ、着いた!ようやく堅苦しいのから開放された!」

「ハルト、お疲れ様でした!結局、祝賀会も忙しかったですね」

「料理おいしかった!お腹いっぱい!」

 ベッドに横たわり、天井を見上げる。

 マリアもチグサも祝賀会には参加していて一安心した。マリアとメリダは明日には合流予定だ。

 チグサは王族の娘だった。プリンが体に入っていた事も、何も覚えていない様だった。

 チグサってどことなく妹みたいでかわいいんだよなぁ……妹?ふと、そんな感情を覚えた。

 ゼシカはチグサの護衛を解かれ、しばらく冒険者としてまたやっていく事になった。

 後で聞いたのだが父がウェスタン国王、母は王宮のメイドだったらしい。チグサとは義理の姉妹だそうだ。

 ウェスタン王国正室の王妃はチグサを産んだあと、病で亡くなり、後妻でやってきた王妃があの口の悪い王妃だそうだ。

 なんだかややこしいなぁ……しかし、僕はこれで自分の目的のために動ける。

 アリスはと言うと、実体化するのに魔力をかなり消費するらしく1日のうち数時間は僕の中で寝ているそうだ。今は僕の中でアリスとプリンが仲良くお昼寝だ。

 プリンはアリスを崇拝する神様らしい。また今度詳しく聞いてみよう。

 そんな事を考えながら僕はいつの間にか寝入っていた。


◆◇◆◇◆


 ……いつの間にか寝ていたようだ。まだ外は薄暗い。

「はぁはぁはぁ……」

(ん……なんだ。なにか聞こえる……)

「ハ、ハルト……私もう……我慢できない」

(!!?ゼ、ゼシカっ!?)

 僕の布団に潜りこんでくるゼシカ。暗くて見えないが、たぶん……洋服は着ていない。僕はここで初めてを迎える事になる……のか?

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