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「ようやくね…」
外にはたくさんの国民が集まっており私たちの登場を今か今かと待っている。
私は一度深呼吸をしてから後ろにいる人たちに声をかけた。
「それではいきましょう」
私は大きく一歩を踏み出した。
◇◇◇
父と母、それにクリスとケイトに全てを話したあの夜。
あれからは本当に色々あった。
まずはやはりケイトが狙われた。ケイトを亡き者にして私の専属侍女に宰相の手の者を潜り込ませたかったようだ。しかしケイトは全ての事情を知っている。ケイトは食事に入れられた毒を摂取してしまったが、その日の内にクリスによって解毒されていた。それにケイトの食事に毒を入れた者を捕まえることもできた。犯人は城の厨房に勤めていたメイドであった。
メイドは借金を抱えており、この仕事を引き受ければ借金を無かったことにしてやると借金取りに言われ城の厨房で働くようになったそうだ。そしてケイトの食事に毒を入れるように指示されたらしい。詳しく調べると借金は不当に負わされたものだった。しかしメイドは泣き寝入りするしかできず借金取りの言うことを聞いてしまったと言っていた。それと借金取りは先代皇帝の時代に騎士爵を賜った男だった。どうやら宰相は戦争賛成派を言葉巧みに仲間へと引き入れているようだ。宰相はおそらく戦争に興味はないと思われるが、戦争をだしに今の政策に不満を抱いている人間を駒として使っているのだ。
その後メイドは修道院へ騎士爵の男は炭鉱へと送られたのだった。
次に狙われたのはレイモンドとカトリーナだった。ケイトに使ったものと同じ毒を使い毒殺を試みたようだ。だがこどもの勘とはすごいもので毒入りの食べ物には絶対に口を開けず、無理やり食べさそうものなら泣いて暴れた。このようなことが頻繁に続いたことから調査するとまたしてもあの毒が使われていたことが判明したのだ。実行犯もすぐに捕まったがまたしても戦争賛成派の人間であった。
ラスティア帝国が戦争をやめ二十年近く経っているというのにいまだにあの頃の栄光を忘れられない者がいるのは悲しいことだ。戦争はなにも生まない。ただ失うだけなのに。
この一件もありレイモンドとカトリーナの家庭教師や専属侍女は父と母とウラヌス公爵で内密に決めることにした。宰相や第一皇妃から余計な横やりが入ると面倒だからだ。本来なら時間をかけて家同士の兼ね合いを考えたりしながら選ぶのだが、双子の身の安全には変えられない。おかげで双子はすくすくと育っていた。




