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死に戻った逆行皇女は中継ぎ皇帝を目指します!~四度目の人生、今度こそ生き延びてみせます~   作者: Na20


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 父と母にも信じてもらうことができた。

 ここからが始まりだ。



「それで私たちは何をすればいい?アンゼリーヌのことだからそこまで考えているのだろう?」


「はい。お父様にはロイガール公爵家とバスピア侯爵家のデルシャ国との繋がりを調べてほしいのです。おそらくケイトやお父様お母様に使った毒はデルシャ国の物だと思われます」


「分かった。停戦中だからと宰相に一任しまっていたがまさか敵国と繋がっている可能性があるなんてな…」


「あとマリアンヌお姉様とロイガール公爵子息の婚約を進めてほしいのです」


「そうだな。それがいいだろう」


「ありがとうございます」



 四度目のこの人生では私もお姉様もまだ婚約者がいない。臣籍降下の道を選べば候補の中から自分で婚約者を選ぶことができるが、二人とも皇帝の後を継ぐ道を選んだので婚約者を決めるのは皇帝になる。

 二度目の人生ではお姉様とロイガール公爵子息は婚約していたので、婚約するのが少し早まるだけのこと。父の反応を見るに元からそのつもりだったのだろう。



「それとお母様にはレイとリーナの守りを今以上に強固なものにしてほしいのです。レイとリーナに関しては私も今後何が起こるのか全く分かりません。何も起こらないことが一番いいのですが相手は皇帝の座を狙っています。間違いなく何か仕掛けてくるでしょう」


「そうね。これから二人は専属の侍女や家庭教師を付ける機会が出てくるわ。そういったところから危険が入り込んで来る可能性が高いわね」


「私もそう思います。二人はこの国の宝です。何がなんでも守らなくてはなりません」


「ええ分かったわ」


「でもお父様とお母様の身の安全も重要です。何かいつもと違ったり不調がある場合にはすぐ私に教えてください」


「分かった」


「分かったわ」


「おそらく相手はデルシャ国から手に入れた無味無臭の毒を使う可能性が高いでしょう。…そこでクリスにお願いがあります」


「なんでしょうか」


「私は魔法にはあまり詳しくはないの。だから少し調べてみたわ。そうしたら解毒魔法という魔法があることを知ったのだけど、クリスは知っているかしら?」


「はい。解毒魔法は回復系の魔法に分類される魔法です」


「そう。ではそれを習得することはできるかしら?」


「…回復系の魔法はとても難易度の高い魔法です。今この帝国でも使える者は少なく、魔法使いの中でもさらに極少数かと」


「それはクリスには無理ということ?」



 私はクリスにできるかできないのかをわざわざみんなの前で聞く。クリスはとても優秀だ。おそらく私の予想が正しければ…



「いえ。以前皇后陛下のお茶の一件をお聞きした時にもしかしたらと思い、すでに習得済みです」


「さすがクリスね」


「ありがとうございます」



 やはり私の予想通りクリスはすでに解毒魔法を習得していた。父も母も驚いている。おそらく報告しなかったのは私を不安にさせないためだろう。



「この通りクリスが解毒魔法を使うことができます。デルシャ国の毒は身体に少しずつ蓄積していき衰弱させるというものだそうです。一番は摂取しないことですが、無味無臭なので気づくのは難しいかもしれません。なので少しでも体調に変化があればクリスから解毒魔法を受けてください。特にケイトは注意してちょうだい。おそらく最初に狙われるのはケイトよ」


「かしこまりました」


「本当は毒自体を防ぐことができればいいのだけど…。私の力が及ばなくてごめんなさい」



 本当のことを言えば父にも母にもケイトにも一滴たりとも毒を飲ませたくない。しかし入手ルートや城にいる宰相側の人間全てを把握することは、幼い私一人の力ではどうすることもできなかった。だからこそこの場にいる人たちに全てを話し助けを求めたのだ。皇帝の座を目指す者としては情けない限りだが、人命が最優先だからと割りきることにした。



「うふふ」


「ケイト?」


「ケイトは嬉しゅうございます。アンゼリーヌ様が一臣下である私をここまで気にかけてくださるなんて。アンゼリーヌ様が謝ることなどなにもありませんよ」


「…ありがとう」


「それに私はまだまだアンゼリーヌ様のお側を離れたくはありませんからね。今後はさらに自分の身の回りには十分に気をつけます。でももしもの時はクリス、よろしくお願いしますね」


「かしこまりました」



 (ああ、私はこの人たちを絶対に守らなければ)



 自分だけが生き残っても意味がない。みんなと一緒に十八歳より先の人生を生きていきたいのだ。

 それに新しく生まれた命も絶対に守ってみせる。だから皇帝の座は絶対にお姉様には譲らない。争いごとは今でも得意か苦手かで言えば苦手だ。しかしお姉様が皇帝になれば再びラスティア帝国は戦争の時代に入るだろう。そうなれば前線で戦う騎士や兵士、それに罪なき民の命までも奪われてしまう。そんな未来はあってはならない。だから私は皇帝になるのだ。平和で豊かな国を正統な血筋である双子に引き継ぐために。


 私は改めて決意を固くしたのであった。



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