死んだ僕。そして転生……
全ての物語はここから始まった。
僕の名前は白田輝ごく普通のどこにでもいる15歳の高校生だ。ごく普通……と言うよりかはあまり特徴がない。テストの成績が特別よいという訳でもないし、スポーツ万能でもないし、これといった趣味があるわけでもない。好きな食べ物はカレーだ。母からは『輝はとてもやさしい子ね。』とよく言われる。僕自身、結構うれしい。因みに僕は今帰宅の準備途中だ。
「なあ、白田。今日一緒に帰るか?」
「うん、いいよ。」
僕は友達に誘われて一緒に帰ることにした。これといった意味はない。
「にしても、お前今日めずらしく遅かったな。」
「うん…まぁね。」
「なんかあったのか?」
「変な夢見ちゃって…。」
「変な夢?」
「うん。なんか、『助けて…。』って声が聞こえて…。」
「助けて?」
「で、そこからがちょっと分からないや。」
「確かに変な夢だな。」
こんな具合のことを大抵話している。
『助けて……』
「?」
「白田…?どうかしたのか?」
「ねえ、今助けてって言った?」
「は?言ってねぇぞ。」
「気の所為かな?」
疲れているのかな…?とか、考えながらを足を運んだ。僕らは交差点で止めらされた。
「早く帰って寝たほうがいいんじゃないか?」
「そうだね…。」
『助けて…!』
「!?」
「?」
「(確かに聞こえた……!さっきは分からなかったけど、あの夢の声と一緒だ!)」
「おいおい、どうしたんだ?」
と、次の瞬間…強い風が吹き込んできた。そして、向かい側で小さい赤ちゃんが居る乳母車が赤信号中の交差点に飛び出してきた。
「まずい!」
「おい!やめろ死ぬぞ!」
友達の言葉は聞こえていなかった。あの子を助けるのに必死だった。赤ちゃんを乳母車から出し、向かおうとしたその時に車が向かってきていたのに気づいた。
「(死ぬのか?いや…この子だけでも…!)」
僕は赤ちゃんを茂みにフルパワーで投げ飛ばした。僕は目を閉じてその場で座り止まった。数秒後に体が浮き上がり意識が途絶えた。
『助けて…!』
『誰か……お願い…私たちを……皆を……!』
「はっ?!」
僕は目が覚めた。僕はベッドの上であった。どうやら此処は病院らしい。
「そっか。僕、車に轢かれて……。」
すぐ横に目をやると僕の母が泣き崩れていた。すぐそばには医者らしき人もいる。
「母さん…大丈夫だよ!」
だが、僕の手は母の体をすり抜けていった。突然のことでかなり驚いた。医者が何か言っている。
「死亡……確認……。」
「へ……死亡…?だって生きて……。」
僕は心電図を表示する装置(名前は知らん)が直線であったことに気が付いた。
「嘘…僕…母さん……。」
すると僕の体がどんどん離れて行っていた。風にあおられ飛んで行く風船のように、ゆっくりと……僕の母がからっぽの僕の体の前で泣き崩れている姿を涙を流して見ながら…。
「ああ…死んじゃったんだ…。」
「まだ、色々やりたかったなぁ…。」
「でも…母さん…やだよ……一人はやだよ……。」
僕の体は光に包まれてそこで意識は再び途絶えた。
「うぅん………。」
死んだらどこに行くんだろう……。地獄かな…それとも天国なのかな?確か、豪が深いと天国に行けないとかおばあちゃんから聞いた気がする。僕地獄生きなのかな……?というか、なんだ?この感触は……。
「……あれ?生きてる?」
僕は起き上がって周りを見た。洞窟?のような場所だった。遠くに湖のように広い池がある。
「どこなんだ?…というか、視線がなんか…可笑しいような……。」
うん、なんか可笑しい。視線が異常に高い。というか、体中が変な感覚だ。歩くたびにドスドス音するし一体僕の体どうしちゃったんだ?とりあえず、そこの池で確認してみよう。
「一体僕の体どうなって…………。」
信じられなかった。水面に映っていたのは牙が生え、青色の鱗、ワニのような顔立ちをしたもの。そう、ドラゴンだった。
「は?」
「いやいや、夢でしょ。流石に……」
自分の顔を引っ張ってみた。痛かった。夢じゃなかった。
「嘘でしょ……。」
僕は今世紀最大に頭を悩ませた。なんで死んだらドラゴンになったのだろうか。人間とかになるのだったら分からなくはなかった。
「これ…転生ってやつだよね……?」
「というか、手のこれなんだ?」
手のこれというのは手の甲に埋め込まれた宝石のことだ。色は透き通るような白で光輝いて見える。ダイヤモンドのようだった。
「完全に埋め込まれちゃってる……。というか、本当に何処なんだよここは……。」
「上から出られそうだけど…。」
「とてもじゃないけど届かないよなぁ……」
だが、僕は大事なことを忘れていた。今僕はドラゴンなのだ。
「(まてよ……?僕は今ドラゴンだ。てことは……)」
「ふんッ!!」
背中に力を入れる。すると、羽がバサッと生えてきた。とてもビックリ。
「よーし。これで出られる。」
僕は羽を羽ばたかせて穴から出ることに成功した。そして、僕は周りの景色を見渡す。とても美しい。穴の周りは森が広がり、遠くに山も見える。
「でも、これからどうしよ。」
「ま、適当に飛んでようかな…。」
この時の僕は知らなかった。自分の存在がどれだけこの世界にとって重要で危険な存在なのか。平和が大好きな優しい少年の異世界物語はここから始まったばかりだ。
続く…
初めての投稿ですががんばります!個人的にですが転スラを超えたいです!
あと、pixivでも小説作ってますので読んでみてください!
↓ここから飛べます
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