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PDCAサイクルですか?  作者: 小島 剛
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私の場合<P→C→DDD……>

次に具体的な調査対象となる案件を決めるのだが、ここで、機関誌『国土問題』を読み込んで、今のところ一番興味深い和歌山県日置川殿山ダム水害訴訟を集中的に調べ、鑑定人・地域住民・弁護士のやり取りや、裁判所による鑑定書県の取り扱われ方などを研究することに決めた。

当時、科研費がおりていたので、テープレコーダーなどを買い込み、聞き取り調査の用意をする。

すなわちP(計画)である。



この時点では聞き取り調査が主になるだろうと思っていたのだが、実際に担当弁護士の事務所に行ってみると、原告の方が幾人かいて、皆さん「水害の様子とかは書類にまとめてあるし、自分たちが言いたいことは陳述書にまとめてあるよ」という。

すぐに準備書面や陳述書を見せてもらうと、なるほど、インタビューして得たい情報だと思っていたことはすべて上手に弁護士さんの手で書面や陳述書にまとめられており、私が聞き取りをする必要はほとんどない。

さらば、テープレコーダー。

私はフィールドワーク開始早々、方法の変更を求められた。

すなわちA(改善)である。

あとは、補助的に現地見学などをしながら、膨大な書類を読んで読んで読みまくり、まとめていくわけだ。

すなわち「たまにC→偏執的にDDD…」である。



 結局のところ、場当たり的にPDCAのうち、必要な作業を特定し、その都度何を行うのかをフレキシブルに変えていくのである。



 だから、私の考えでは、P→D→C→A→P…、と固定してしまったら、何をするにもうまく行くはずが無いのであって、PDCAの4つのうちどれか一つを進めていても、他の3つあるいはそれ以外の特殊な作業への切り替えを念頭に置いておき、事情に応じて対応していくほうが良いというのである。



 ただ、PDCAの切り替えのタイミング、選択、各作業の効率などは、経験によって習熟していくよりほかない。

まったく取り組んだことのない仕事をするというのなら、座学でもよいし、暗中模索でもよいから、とにかく始めて見ることだろう。

物事によってPDCAのパターンはすべて違う。

一つのパターンを極めるのもよいが、何かと変転の多いご時世である。

いろいろなPDCAのパターンを少しずつ知っていたり、新しくオリジナルなPDCAのパターンを案出できる人もいないと困る。

そう考えると、ある集団があって、その構成員が画一的であればるほど、その集団は弱体だということになる。

日本の組織にはごく有りがちな事なので、用心したい。



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