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転生に選ばれし者

更新ペースは頑張りますがリアルと相談になりそうです。


誤字脱字は報告していただけると幸いです。

気軽にレビュー、評価、ブクマ等よろしくお願いします!

「ちょ~おめでた~!じゃなかった、おめでとぅ~!あなたは本日のG・O・Dな私による気まぐれ異世界転生者に選ばれましたぜ~いぇい!」

 

 音無響揮(おとなしひびき)は体のあちこちが光っている変態(男?)の大声に無理矢理起こされた。これは男女問わず目覚めの悪さランキングベスト3に余裕で入る起こし方だろう。

 

 何せ、身体中が、光った、変態の、奇声で、起こされたのだから。しかも微妙にチャラいのがまた響揮の怒りを増幅させていた。

 

 

「あっれ~全然嬉しそうじゃない感じ~?君すっごい運がいいんだぜ!何せこのG・O・Dな俺が選んだ人間なんだから!つまり、君は神に選ばれたんだよ!それだけでちょ~テンション上げ上げ~って感じでしょ?」

 

 響揮の表情を見て変態はこんなことを言った。たださえイライラしているのにも関わらず、この変態は話し方がいちいち鬱陶しい。

 

 響揮の頭には怒りマークが出ていてもおかしくなかった。

 

 

「君さ~なんかリアクションしてくれないと困るんだけど。こっちまでテンション下がるっていうか~」

 

 変態は項垂れた演技をしながら言った。何故演技とわかるのかというと、顔にこの状況はこの状況で凄く面白いって書いてあるからだ。

 

「なんでも楽しめる性格のようで羨ましいよ」

 

 響揮は皮肉めいた言い方をした。これは苛つく話し方をする変態に少しだけ怒りをぶつけた結果だ。

 響揮の声を聞くと、どうやら変態は満足がいったようでにっこりと笑顔で、

 

「それが僕のいいところだからね!」

 

 なんて言いながらくるくると回り始めた。

 

 響揮は心の中で一人称くらい統一しろと毒を吐きながらも頭が冴えてきたのでこの状況について質問をする。

 

「ここは何処だ?」

 

(ゴッド)の部屋と呼ばれている!」

 

 変態は鼻唄で国民的昼の番組の主題歌を歌い始めた。

 いちいち構ってると話が進まないので響揮は変態の鼻唄を無視して話を続ける。

 

「お前は誰だ?」

 

「だ・か・ら!さっきからG・O・Dだって言ってるだろ~!いい加減覚えないと僕も怒るよ!」

 

 変態は頬を膨らませながらプンプンと怒ったふりをする。

 響揮が苛ついたのは言うまでもない。怒りを鎮めつつ最後の質問をする。

 

「どうやったらこの夢は目が覚めるんだ?」

 

 響揮は今見ているのはただの夢だと決めつけていた。いや、こんな状況に陥って現実だ!何て言うやつは頭のネジが外れているか、中二病かのどちらかだろう。

 

 どちらでもない響揮は正常な判断をしていた。

 ただし、それはこの空間が一般的であったらの話だ。

 

 

 変態はニヤリと笑うと指をパチッと鳴らした。

 

 響揮は急に激しい頭痛に襲われて、目の前が一瞬真っ暗になる。その後目の前の光景は映画館のスクリーンのようになり、響揮は変態の横に無理矢理座らせられた。

 これだけでも非現実的と言えるだろう。

 

 

 

「これは君の過去だ。それもつい最近のね!」

 

 変態は再び指を鳴らすとスクリーンに3、2、1と文字が現れてその後映画が始まった。

 

 その内容は変態の言った通り自分の1日だった。

 

 その日は妹と買い物に行く予定だった。ついでに映画を見て、お昼を食べて、ゲーセンにでも行ってとまるで仲の良いカップルのデートのような1日を過ごす予定だったのだ。

 

 響揮は映像を見ていく毎に自分達に何が起きたのかを思い出していった。

 

 そう、それはたった一つの不幸。

 

 トラックの前に子供が出たのを妹が庇った。それを見て響揮が妹を助けようとするが、結果は失敗に終わる。二人ともトラックに轢かれて死んでしまったのだった。

 

 記憶を全て見終えると、頭の中には鮮明な事故の瞬間のイメージが湧いてきた。

 幸いという何というか、即死だったのだろう。痛みの感覚はなかった。

 

 

「今が夢でないことは理解できたかな?」

 

 変態、いや、神は真面目な声でそう告げた。

 

 理解したくはない。さっきの映像も夢の一部でもう少ししたら目が覚めるのではないか。そう思いたかった。だが頭にこびりついた鮮明なイメージがこれは現実だと否定していた。

 

 現実とはまた別かもしれないがこれは実際に起きている事実だと肯定するには充分だった。

 

 

 

 響揮は絶望……はしなかった。普通の人間ならもう少し生きたかった、せめて妹を救ってやりたかった、なんて思うかもしれないが、響揮は違う。

 

 妹と共に死ねるなら本望だ。

 

 響揮は重度の、病的なくらいのシスコンだった。高校でもバイト先でも頭の中は妹のことでいっぱいで、超の付くくらいのシスコンだった。

 

 

 閑話休題それはさておき

 

 神は響揮の顔と何が嬉しいのか全くわからないが、ニコニコとしながら、

 

「さてさて、質問タイムは終了ってことで!今から君に転生特典として何でも二つだけ願いを叶えてあげよう!」

 

 と言うのだった。

 これには流石の響揮も食い付いた。今まで神の言うことに何一つ興味を示さなかったあの響揮がだ。

 神本人も驚いているのはここだけの話だ。

 

「何でもというのは本当に何でも?」

 

「勿論!私は約束は守る主義だからね!」

 

 響揮はさっきまでとは打って変わって、興奮気味に質問をする。

 

「そ、その転生特典というのは転生者全てが受けられるのか!?」

 

「い、いえーす……」

 

 神も若干引き気味なのはここだけの話だ。

 本人は大興奮て気付いていないのだ。

 

 そして響揮は言質は取ったと黒い笑みを浮かべながら一つ目の願いをする。

 

 

「じゃあ一つ目の願いは、俺と一緒に妹も転生させてくれ!」

後書きには次回予告をしていきたいと思います。


ちなみに次回は、妹登場と転生の予定です

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