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僕らのフェアリーテイル  作者: 水輝希愛
序章 契約
1/8

出会い

好きなヒロインのタイプの小説が少なすぎるので自分で書くことにしました。

つたない文章ですが楽しんでいただけたら嬉しいです

「邪魔なんだよ魔盲!」

「もう消えてくれよ頼むからさぁ!」

「悔しいかぁおい!?だがお前は魔盲だからなぁ、る俺らに歯向かうなんて出来やしないよなぁ!?」

「ハハハハハハハッ!!!!」


魔法がごく一般的な世界で僕は魔盲。魔法が一切使えない落ちこぼれだ。

魔法を使うために必要な魔力。それが僕には宿っていない。

朝起きて。

学校に行って。

放課後にクラスメイトに校舎裏に呼ばれる。

僕は彼らのストレス発散のためのサンドバックとなる。

蹴られ殴られ覚えた魔法の試し撃ちに使われる。

そうして彼らがそれに飽きて去った後にようやく学校から帰ることができる。


学校の近くにある町に僕の家はある。

もともと両親が買った家だが両親は僕が七つの頃に死んでしまった。

両親は国家魔術師であり幸いお金に困ることはなかった。

魔術学校の校長先生が両親の知り合いだったということで校長先生が特例で入学させてくれた。


晩御飯を作った後に日課であるトレーニングをしにいく。

僕は魔法が使えないからせめて体だけは鍛えないとと思い入学した後から毎日続けている。

走りこみ。簡単な基礎的な筋力トレーニング。剣を扱う練習。これらを通して2時間程度行う。

僕は戦いになれば魔法を撃ちあう基本的な戦い方が出来ない。

だから僕は敵の魔法を避けながら近づき接近戦に持ち込むことしかできない。


その日課が終わった後にお風呂に入りご飯を食べて寝る。

これが僕の日常。落ちこぼれの僕の生活だ。


そしてそれはある日を境に終わることとなった。

一人の少女と出会うことによって。


* * * * * * *


いつものようにリンチを受けた後に今日の食材が無いということに気づいたので買い物に来ている。

服や顔がぼろぼろなので道行く人が僕のことを見てくるがその視線にはもう慣れてしまった。

既に日が落ちている時間なので仕事を終えた人が食事に来ているようで昼間と比べて賑やかに感じる


いつも行っている八百屋に向かうために歩いていると、なにやら揉めているような声が薄暗い路地から聞こえる。

興味本位で覗いてみると亜麻色のローブを深く被った小柄な人が4人の男に囲まれていた。

かわいそうにと思いながらも僕にはどうすることも出来ない。困ってる人を助ける力が僕にはない。

ここで無理に助けに入っても事態を悪化させるだけなので僕は近くの憲兵を呼ぼうと思い、急いで


「・・・!!。あっ、やっと見つけた!」

「あぁん?」


そうときまれば急がなければと思い振り向こうとするとローブを被った人と目があった。

男達の口ぶりから察するに女の子なのだろう。その瞳はまるで全てを飲み込むような深く美しい蒼だった。

その直後に女の子が僕に声をかけた。

やっと見つけたというのはどういうことだろうか。僕には残念ながら女の子の知り合いはいないのだが。

そして少なくとも男達が僕に気がついてしまったために、憲兵を呼ぶという作戦はおじゃんとなってしまった。


「てめぇ誰だぁ?この女のツレかぁ」

「ボクこの人と待ち合わせしてたんだよ。もう!遅いよ!」


ちょっと待ってそんな事を言ってしまったら・・・


「こんなボロボロのガキとかよ。なかなか面白い冗談だなぁ」


男達は笑っているが目が笑っていない。

男のうちの一人が女の子の肩を掴む。

あぁだめだ。女の子もろとも共倒れだ。


「ねぇ。ボク急ぎの用があるんだよね」


殴られる覚悟を決め、諦めていると突然女の子が纏う雰囲気が変容する。

まるで刃物を身体中に突き立てられているかのような冷たい雰囲気を醸し出している。


「だからさ。ドイテクレナイカナ」


たった一言。女の子が口にした一言で男達は肌を粟立て足を振るわせている。


「ヒ、ヒッ」

「うわああああああああああ」


男達はそれぞれ阿鼻叫喚しながら去っていった。


「さて、おじゃまむしはいなくなったね!改めて初めまして。ボクはルカ!」


被っていたフードを取るとまず初めに見えたのが彼女の髪。

美しく流れるようなさらさらとした黒髪が腰のあたりまで伸びている。

そしてその顔は綺麗というよりかはかわいいという言葉が似合うような少女だった。


「それでキミの名前は!?」


先ほどまで漂わせていた雰囲気は綺麗さっぱりと消え

朗らかで明るいような印象を受ける


「えっとアストラル=アリシューザです」

「アストラル君!いい名前だね。でもちょっと長いかな~。アス君って呼んでもいいかな?」


今は亡き両親からもらった名前を褒められるのは素直に嬉しい。

それに今までずっと馬鹿にされる生活だったために褒められるということに

慣れていない僕は女の子にそんなことを言われて嬉しくならないはずがなく少し顔が熱くなる。



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