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約束を果たすために  作者: 楼霧
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第五十五話 火の季節の新名物

「おはようございます、ゾーラ。例のもの手に入りましたか?」

「ああ、おはよう坊ちゃん。手に入ったよ。見ておくれ」


火の季節の一月目が半ばを過ぎて、ますます暑くなってきた。そんな季節にピッタリなデザートを作るために、俺は料理長のゾーラに頼んで、ある食材を探してもらっていた。


ゾーラとはアレックスの実家に来た初っ端に、料理について語り合った仲だ。何というか気さくな近所のおばさんといった感じで親しみやすい。見た目が、とてもがたいが良いため、一見すると料理が出来るようには見えない。だが、ゾーラの料理の腕は一級品だった。


元々は傭兵をしていたらしいが、カジィリアに受けた恩を返すために料理長をやっているらしい。そういう内情を話してくれるぐらい、俺はゾーラと仲良くなっていた。多分、この屋敷の中で一番仲が良いと言っても過言じゃない。


・・・それを口にしたらラフィが怒りそうだから口にはしないけど。


ゾーラが出してくれた食材を手に取って俺は確認する。見た目は、青い色をした枝豆のようであったが、強く甘い香りを放っていた。


「ありがとうございます。とても甘い良い香りがしますねこれ。うん、これで完成しそうです」

「そうかい?そりゃ良かった」


俺は早速、その食材を使って料理を始める。料理といっても今回は、色々と食材を混ぜ込んでいくだけだ。すでに最良の配分は確認済みなので、最後にこの枝豆もどきを少量入れて完成だ。


「それにしても坊ちゃんは色々と考えるねぇ。本当に料理が好きだね」

「何度も言ってますが、俺は料理が好きなんじゃなくて、おいしいものを食べるのが好きなんです」


「料理好きだね」と感心しながら言ってくるゾーラに、俺は「食べるのが好きだ」と返すのが、二人のいつものやり取りである。


「よし、後はこれを冷やすだけっと」


色々と混ぜ込んだ液体を木で作ったカップに入れた後、同じく木で作った蓋を被せた。それを三十センチぐらいの木箱の正面を開けて、中に入れる。木箱の中に手を入れるとヒンヤリとした空気を感じることが出来る。


この小さな木箱は、俺が自作した魔術具の冷凍庫だ。氷のマナに働きかけて、木箱の内部の温度を下げる作用を組み込んでいる。最近、完成させたもので俺が作った魔術具の記念すべき第一号である。そして、そんな冷凍庫に入れたのは、アイスクリームである。暑い季節には欠かせないものだろう。


「この分は、このまま置いていきます。お昼過ぎぐらいには固まってると思うので、そしたら、試食してみて下さいね」

「この魔術具も坊ちゃんが作ったんだろ?本当に大したもんだねぇ。で、今回のデザートは、アイスクリームとか言ってたね。冷たいデザートなんて初めてだから楽しみだよ」


水の季節に降った雪や氷を地下深くに溜め込んで作る氷室はある。だが、何かを凍らせるほどの効果はない。専ら金持ちが冷たい飲み物を作るためか、肉等の腐りやすいものを保存しておくために使われる。だから、この国に冷やして固めたデザートは存在しなかった。


・・・水の季節なら作れないこともないだろうが、寒いのに冷たい食べ物を食べようとは普通思わないしな。



「そう言う感じで、声を送ることが出来るようなのですがエルレイン先生は、どう思いますか?」

「実に興味深い話ですね。しかも実際に会話したのでしょう?ルートには、面白いことが出来る人と知り合いのようですね。是非一度、お会いして直接、話を聞きたいところですが・・・」

「あー、間違いなく本人が嫌がると思うので、それは遠慮して下さい」

「そう。仕方ないですね」


その日の午後、俺はフロールライトに魔力を込めて、ウィスピに送り返し、実際に声を送ることが出来るか実験した話をエルレインにした。もちろん、ウィスピが精霊であるということを隠しながらである。実験自体は一応、成功をした。途切れ途切れで聞き取りにくくはあったが、互いの声を聞くことが出来たのだ。


机に頬杖をつきながら俺の話を聞いていたエルレインは「分かったわ。手伝ってあげますから、それを魔法祭で発表出来るように頑張りなさい」と手が空いている方で俺を指さしながら言った。


・・・魔法祭?


「先生、魔法祭って何のことですか?」

「おや、知らないのですか?ああ、そうでした。ルートは一年生でしたね」


エルレインの話によると土の季節には、魔法祭というお祭りを行うそうだ。年に一度、一週間掛けて行われるお祭りらしい。


そもそもこの国、エルグステアには、魔法技術を近隣諸国から集中させている。一番の理由は、エルグステアのすぐ隣にある魔族領の情勢が、かなり不安定であることだ。仮に魔族がエルグステアに侵略し、敗れてしまった場合、近隣諸国に手が伸びることになる。だから、魔族領との一番の窓口となるこの国に、魔族に対抗するための魔法技術を一極集中させていた。


魔法祭は、その成果を近隣諸国に見せるためのものでもあるらしい。近隣諸国からお偉いさんが見に来るそうだ。そのため、学園だけでなく、魔法ギルドも全面的に参加する国を挙げての大規模なお祭りだという話であった。


「話は分かりましたが、そんな大事な話をマリク先生から聞いてませんよ?」

「それはそうでしょう。一年生に魔法祭の役割はありませんから。強いて言うなら魔法祭を見学し、来年の参加に向けて準備するのが役割ですね」

「ん?だったらどうして、俺は参加することになるのでしょうか?」

「それは、ルートが研究室に入っているからです」


学園の研究室は、魔法祭で何かしらの発表を必ずしなければならないらしい。普通は一年生で研究室入りする者はいない。そして、闇属性の研究室に所属する生徒は俺一人だけである。だから、必然的に俺が何かを発表しなければならないとのことだ。


「それだったら、エルレイン先生が発表したらどうでしょうか?」

「残念ながら、学園から魔法祭に参加する者はあくまで、生徒がメインです。教員である私が出る幕はないかしら」


ちっとも残念そうな顔をしてないエルレインがニヤニヤとしながら語る。何だか、面倒事を押し付けられたような気がするのは気のせいだろうか。気のせいじゃないですね?


「はぁ。分かりました。仕方がありませんね」

「ええ、頑張りなさい。もし魔法祭に間に合わなかったら、この間まで作っていた魔術具を出せば良いでしょう。あれも十分に特殊ですからね。そういえば、何かおいしいもの作ると楽しそうに言ってましたが出来たのですか?」


エルレインに問われて俺は大きく首を縦に振りながら、道具袋に手を伸ばして冷凍庫を取り出した。家に置いてきたのとは別の二台目の冷凍庫で、一台目よりも小さいが性能は同じものだ。朝早くに冷凍庫に入れていたので、アイスクリームは十分に固まっているだろう。俺は冷凍庫からアイスクリームの入った木のカップを一つ取り出して、カップアイスを食べる時に使う木ベラと一緒にエルレインに手渡した。


「本当に冷たいですね。全く、どういう原理で冷やしているのかしら」

「あはは、その辺りは追々レポートにまとめようかと思っているのでその時に。それよりも早く食べてみて下さい。あ、毒見要りますか?」

「いいえ、結構です。その必要はありません」


エルレインは木ベラをアイスクリームにつんつんと突いて、冷えて固まっているのを確認しながら、真面目な顔付きで毒見をすることを断った。ボソッと「毒見の分だけ減るじゃない」と呟いたのは聞き流しておくことにしよう。エルレインと出会ってから、まだ二週間ぐらいの付き合いしかないが、すでに何度もデザートを持ってきていたので、食に関して信頼を得たようだ。


「はむ。・・・・んん~。これは冷たくて、甘くて、おいしいわね」


エルレインは一口アイスリームを食べると手を頬に当てて、身悶えするように身体を振るわせた。その後、目をキラキラさせながら凄い勢いでアイスクリームを食べ切ってしまう。


「あ、先生、冷たいものをそんなに急いで食べたら」

「何ですかルート?あ、うぅんんん!・・・ルート、頭が痛いです。まさか毒を!?」

「違います。冷たいものを一気に食べると頭が痛くなるんです」


どうやら、この世界でも冷たいものを一気に食べると頭が痛くなるらしい。頭を押さえながら足をバタバタさせて、ちょっと涙目になったエルレインを見て、本人には悪いが、俺は何だかホッとしてしまった。


・・・こちらの世界の人も元の世界の人と同じ症状が出るんだなぁ。


「うぅ~。早く言って欲しかったです」

「言う間もなく、食べたのは先生じゃないですか」

「む。そんな可愛くないことを言うのですか。先ほどの声を送る魔術具の製作を手伝ってあげませんよ?」

「えぇ・・・」


悪いのは明らかにエルレインの方なのだが、魔術具の製作を手伝ってもらえないのは正直困る。仕方がないので俺は、もう一つ冷凍庫からアイスクリームを取り出して、エルレインの前に差し出した。


「極めて横暴だと思いますが手伝ってもらえないのは困りますので、これで手を打って下さい」

「ふむ。仕方ないですね。今はこれで良しとしてあげましょう」


・・・自分で差し出しておいてなんだが、食べ物で買収される先生ってのはどうなのだろうか。うん、深く考えるのは止めておこう。


「それにしても、ルートはあの名門の貴族だというのに自分で料理をするのですね」

「うーん。そんなにも変ですか?」

「そうですね。普通は、専属の料理人を雇っているのが一般的じゃないかしら。その他の家事も使用人を雇ってさせますし、自らやる貴族はほとんどいないのではないかしら。たまにそういったことを趣味でする方もおられるようですけどね」

「へぇ。先生は詳しいのですね。あ、もしかして、先生も貴族だったりして?」


ちょっとした思いつきの軽い気持ちで聞いたものだったのだが、エルレインは少し視線を彷徨わせた後、暗い顔で答えてくれる。


「ま、隠すことではありませんね。貴族と言われたら一応そうです」


目を伏せながら答えてくれる様子に、これ以上聞いてくれるなという雰囲気を感じて、俺は話題を自分のことに慌てて戻した。


「ま、まあ、あれです。変と言われても、その貴族である母様が、ルミールの町では料理をしてますから、俺にとっては普通のことですよ」

「そういえば、リーゼ様は料理上手なことでも有名でしたね。その教えを受けて、これほどまでの腕を身に付けたということかしら?・・・ルート、あなた私の嫁に来なさい」

「何を言ってるか分かりませんが、謹んでお断り申し上げます。それにしても、そんなことを言うということは、先生ってもしかして未婚者ですか?」


エルレインの歳は、まだ二十歳代前半ぐらいだと思う。元の世界であれば、それぐらいの年で未婚者なのは、さほど珍しくもない。しかし、この世界では、十五歳で成人として見られるためか、二十歳代で未婚者であれば所謂、行き遅れの部類に入ってしまう。今年の風の季節で十七歳となったソフィアでさえ、そう言われ始めているので尚更だ。


「・・・・・」

「あれ、先生?」


エルレインは俺の言葉に全く反応を示さない。ただひたすらに黙々とアイスクリームを口に運んでいる。先ほどとは違い、ゆっくりと味わうようにアイスクリームを全て食べ終えると、持っていた木のカップとヘラを机の上にそっと置いて、無言のまま両の手を俺の頬まで持ってきた。


・・・「あ」と思った時には遅かった。


「ふぇんふぇ、ひあいひあい!」

「どうやら、ルートの口には、悪魔が取りついてようですね。先生が取り払ってあげましょう」


素敵なぐらいにこやかな笑顔を浮かべながら、容赦なく頬を引っ張るエルレイン。危うく頬をもぎ取られそうになるが、一口だけ食べて手に持っていたアイスクリームを先生の目の前に差し出すことで難を逃れた。


エルレインは俺の渡したアイスクリームを食べて「あら、溶けかけもおいしいですね」と言いながら、さらに寄こせと目で訴えかけてくる。確かに冷凍庫の中には最後の一つが残っているがこれは、持っていくところがあるので渡す訳にはいかない。


「そんな目で見つめられても、最後の一つは駄目です。これから持っていくところがありますから。また作ってきますから、それで勘弁して下さい」

「約束ですよ?」


年齢と結婚と甘いものが絡むと女性は怖い。つくづくそう思いながら、授業の終わりを告げる鐘が鳴るのを待った。



鐘の音が鳴ると俺は足早に研究室を後にして、商業地区にあるアイオーン商会を目指した。商業地区に入ると、市場の通りがある。簡易な屋台が建ち並び、食材などのさまざまなものが売りに出されている。その通りをさらに進み、商業地区の中央部まで行くと各商会の建物が立ち並ぶエリアとなる。一階がお店になっているところが多く、その大体は高級な品物を取り扱っていた。


そのエリアの中心部に商業ギルドがあり、商業ギルドに近ければ近いほど大店となる。アイオーン商会は、王都では中堅クラスであるため、中心部からやや外れたところに建物がある。建物は三階建てではあるが、中心部にある大店の建物と比べるとかなり小さい。いかにも中小企業が入ったビルといった感じである。ちなみにアイオーン商会は、主に食材を扱うお店であるため、一階にお店はなく事務所兼倉庫として使われている。


「ご苦労様です。フリードさんはいますか?」

「ルート様、ようこそいらっしゃいました。旦那様は二階の執務室にいらっしゃいます。お話は伺っておりますので、どうぞお入り下さい」


すでに何度も訪れたことがあるため、商会の人とは顔馴染みとなっている。建物をドアを開けてもらって中に入り、俺は階段を上がる。階段を上がった先の通路に居た人が、俺が階段を上がってきたことに気が付いて、フリードが居る執務室のドアを叩いて「ルート様がお見えになりました」と声を掛けてくれる。


その人に「どうぞお入りください」とドアを開けてもらい、俺は執務室の中に入った。


「フリードさんどうも。景気はどうですか?」

「よう来てくれた。いやぁ。ルート君が学園と渡りを付けてくれてからというもの、業績は右肩上がりやで」


商売が順調に進んでいるか確認をしたが、形式的な挨拶である。実はアイオーン商会が順調に稼いでいることは知っていた。俺は道具袋から一つのカードを取り出して、フリードに話しかける。


「本当に順調ですよね。日に日にこのギルドカードの残高が増えていくので嬉しい限りです」


俺が道具袋から取り出したのは商業ギルドのギルドカードである。商売をする者としての登録証であるが、それだけじゃない。商業ギルドには、銀行のように口座を設けて、そこにお金を預けておくことが出来る機能がある。


ギルドカードにはその口座の残高が記載されるのだが、ギルドカードに魔力を登録した本人しか見ることが出来ない仕様になっている。また、ギルドカードを使うことで、お金を引き出すことも、お店によってはギルドカードで決済することも出来る。もちろん、それも本人以外が使用すると分かるようになっているらしい。


・・・俺とフリードが契約を交わした商品がカードを通して売れるとその度に金額が更新される。一体、どういう仕組みになっているのか不思議で仕方がない。残高がすぐに見て取れるのは嬉しいのだが、無駄にハイテク過ぎる。


「ああ、これからもっともっと稼ぐから期待しといてな?それよりも今日来てくれたのは新作かな?」

「はい、一つしかないんですが、どうぞ。味見してみて下さい」

「何やこれ。めっちゃ冷たいやんか」


俺は冷凍庫から最後の一つのアイスクリームを取り出して、フリードの前に差し出した。フリードは、アイスクリームを手に取ると冷たいことに目を丸くして驚きながら、一口食べる。


「んん!口の中がヒンヤリして、それに甘い。めっちゃおいしいなぁこれ。何よりこの暑い季節にピッタリな食べ物やな」

「そうでしょ?暑い季節なのに、冷たい食べ物はないと料理長に聞いて作ってみました」

「氷室を持っているのは、貴族や一部の金持ち、後は大きな商会ぐらいやからな。それに、だいたいは保存用に使うもので何かを凍らせれるようなものではないからなぁ。ちなみにこれを冷やしたのは、そのちっちゃな箱の魔術具やね」


フリードは、冷凍庫を手に取ってまじまじと眺めた後、正面のドアを開けて、手を中に突っ込んだ。「ヒンヤリして気持ちええなぁ」と笑みをこぼす。


「持ってきてくれたアイスクリームもええけど、むしろこの魔術具の方が売れそうやなぁ」

「そうですね。アイオーン商会でも、魔術具を販売出来たら良かったんですけどね」

「まだまだ中堅であるウチでは、ちょっと厳しいなぁ」


魔術具は誰も彼もが販売出来る訳ではない。使いようによっては危険性もあるため、予め魔法ギルドに申請する必要があるのだが、その申請料が馬鹿高い。そのため、魔術具を販売しているのは専ら大店となっている。それが、大店と中小の商会とで実力の差が出来てしまっている要因の一つになっていた。


・・・魔術具は高価なだけあって、利益も高いらしい。


「まあ、販売に関しては、他の商会に頼もうとか思っていませんので、フリードさんに頑張ってもらうしかないですね。魔術具としては、魔法ギルドに登録済みですので、いつでも貸出出来ます」

「それはウチにとって、ありがたい話やけどええの?大店で取り扱ってもらった方が一気に稼げると思うで?」

「うーん。お金が欲しいのは、道具袋を買い取るためですが、別に急いでないので問題ありません。それよりも、アイオーン商会が大きくなったら、ルミールの町に流れるお金が増えるでしょ?故郷が活気付く方が俺としては嬉しいです」

「そうか。そこまで言われて気張らん訳にはいかんな。ルート君のためにもこの新商品。火の季節の名物にしたる!」


フリードは、胸の近くで拳をグッと握ると気合を入れるように高らかに拳を上げた。その意気込みを頼もしく思いながら、俺は「よろしくお願いしますね」と声を掛けた。そして、家に帰ろうかと思い、立ち上がって執務室を後にしようとしたところで、フリードが「そや」と言って俺を呼び止める。


「一つ言っておかなアカンことがあったわ。最近、一気に業績を上げたこともあって、ウチの店を探ってる奴らがおるみたいなんよ。恐らくは大店のどっかやと睨んでるんやけど、中々しっぽを掴ませてもらえへんくてな。今のところ何もないと思うけど、ルート君も念のため、気を付けといてな」

「分かりました。利益が絡む面倒事は、大変そうですもんね」


幸いなことに、俺は索敵魔法が使える。悪意を持って近付いてくる輩を判別することが出来るのだ。お金で絡んでくる奴は、大体が碌でもない奴だろう。


・・・面倒事にならないよう十分に注意しないとな。


数日後、アイオーン商会の手によって売り出されたアイスクリームは、商魂たくましいフリードの手によって、王都に瞬く間に広がった。「火の季節の暑い日にはこれ!」という定番を勝ち取るのは、さほど時間は掛からなかった。

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