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約束を果たすために  作者: 楼霧
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第五話 遺跡調査について

ほぼ、毎日更新している作者様は本当に凄いと

思う今日この頃です。


リーゼにこってりと怒られた日から数日後、家に帰ってきたソフィアが「次の闇の日にエリオットさんが来てくれるから」と話してくれた。


「闇の日ですか?今日は、土の日だから明後日ですね?楽しみです」


この世界にも曜日があった。六属性に準えてあるようで、光、風、火、土、水、闇のサイクルだ。光の日がどうやら日曜日的な位置付けのようだ。おしい、あと一つで元の世界と一緒だったのに。

ちなみに、月は12ヶ月と同じだ。さらに、この世界にも四季がある。春は風の季節、夏は火の季節、秋は土の季節、冬は水の季節といった感じだ。


ソフィアが帰ってきて少ししてからアレックスも帰ってきた。


「ソフィアとアレックスが帰ってきたことだし夕食にしましょうか。ルート、リリ、手伝ってくれる?」

「分かりました、母様。行こうかリリ?」

「はい、ルゥ兄様。リリ、お腹ペコペコです」


俺とリリでテーブルの上にお皿を並べる。お皿を並べ終えた頃にリーゼが料理を持ってきて、家族全員で食卓を囲んだ。


「そういえば、ソフィア姉様。闇の日にエリオットさんが来てくれるということは、遺跡調査は目処が付いたのですか?」

「ええ、そうよ。今日で遺跡の2階層目の探索が終了したの。明日は、冒険者ギルドで成果の報告ね」

「ちなみに、遺跡調査って何をしているのですか?」

「主には古代の魔術具の回収かしら。まあ、魔術具を探す前に必ず魔獣や魔物の討伐ね」

「必ずなのですか?」

「そうなの。遺跡はね、その全体が魔力を帯びてるんだけど、その魔力に引き寄せられて魔獣や魔物が住み着いちゃうのよ」


「それに、討伐するのは魔獣や魔物だけじゃないぞ」とアレックスが話に割り込む。


「遺跡に出てくる厄介なやつと言えばゴーレムだな。あれは、身体が石で出来ているから固いんだ」

「あれ?父様も遺跡調査に行ってるのですか?」

「いや、昔の話だな。まだ、王都で騎士団に所属していた頃の話だ」


どうやら、騎士団では、腕を磨くために定期的に遺跡へ赴き、魔物を討伐する訓練があったらしい。


「一番大変だったのは、ミスリルゴーレムと対峙したときだなぁ」と言いながらアレックスは遠い目をする。「あれは、本当に大変でしたものね」とリーゼが相づちを打つ。


「父様と母様、二人一緒だったのですか?」


「そうだ。あのとき、6人編成で隊を組んでいたんだが、その時初めてリーゼと出会ったんだ」

「そうでしたね。あのときからあなたは、素敵な人でした」

「いやいや、リーゼこそ素敵だった。俺はあのとき完全に一目惚れだったからな」

「そうだったのですか?ふふっ、私も一目惚れでした」


おっと、二人の世界に入り始めている。イチャイチャするのは、後にしてもらいたい。ここには、まだ幼い妹もいてるというのにと思いながら隣に座っているリリを見ると「今日も父様と母さ様は仲良しさんですね♪」と笑顔だ。

・・・やだ、眩しい。天使かな?この子は。


完全に話が脱線してしまっている。俺は話を戻すためにコホンッと咳払いをして話を戻す。


「ところで、遺跡で見つかる魔術具はどんなものがあるのですか?」


「そうねぇ。危険な兵器の魔術具だったり、便利な魔術具だったり色々ね。見つけた魔術具は冒険者ギルドを介して魔法ギルドに送ることになっているの。魔法ギルドはその送られてきた魔術具の研究を行っているわ」

「魔法ギルドですか。聞き覚えがないのですがルミールの町にありましたっけ?」

「魔法ギルドがあるのは王都だけだから」

「そうですか。だから聞き覚えがないのですね」


「ちなみに魔法ギルドが研究して、商品化された魔術具はこの家にもあるわよ」

「もしかして、火付け石ですか?」

「正解よルゥ」

かまどで木に火を付ける際、リーゼが使っているの見たことがある。見た感じライターだ。中に火のマナを宿した魔石が入っているらしく、ボタンを押し込むと火が出る仕組みであった。


「それに、今、家の中を明るくしてるランプも魔術具よ」

「結構、身近にあるんですね魔術具」

「まあ、普通の家にはないと思うけどね。まだ、普通の人がおいそれと買える値段じゃないのよ」

「・・・うちはどうなのでしょう?」

「うちは俺が元騎士団長だったからな。それなりに財力はある。子供はお金の心配なんかしなくていい」

ん?、お金の心配をした訳ではないのだけど・・・まあ、いいか。


「遺跡かぁ。ちょっと興味がありますね。俺でも遺跡に入ったり出来るのですか?」

「それは残念だけど無理だわ、ルゥ。遺跡荒らしを防止するために許可をもらった人しか入れないようになっているの。もし、許可もなしで遺跡に入ると厳罰になって、最悪、死罪になるわ」

「そうなのですか?厳しいですね」

「いや、それぐらい厳しくしておく必要があるんだルート。さっき、ソフィアが言ったが危険な兵器となる魔術具があったりする。それが悪用されたら大変だからな。実は、過去に事件が起きたこともある」


「それでも、勝手に入る人が全くいない分けじゃないんだけどね。でも、あれ本当に止めて欲しいのよね。はぁ・・・」

「切実そうですねソフィア姉様」

「うん、そういう人って単独で行動する人が多いの。でも、単独で遺跡に侵入するなんて自殺行為だわ。魔獣や魔物に殺されていることが多いのよ。それでね、ほら、人の身体って、ちゃんと燃やして埋葬しないとアンデット化しちゃうでしょ?遺跡調査に行ったときによく徘徊してることが多いのよ。」

・・・でしょ?って言われても人がアンデット化するなんて初めて聞いたんですけど?


「薄暗い遺跡の中で不意に出てくるの。とってもビックリするわ」

「ソフィア姉様にも苦手なものがあったのですね」

「・・・それはどういう意味かしら?」とちょっと凄味のある笑顔でソフィアは俺を見てる。まずい。

「へ、変な意味はないですよ?ただ、ソフィア姉様だったらアンデットでも問題なく倒せるんじゃないかなと思っただけです」

「倒すのは簡単なのだけどね。やっぱり、死んだ人が動いてるのって不気味だから・・・」

「確かに不気味ですね」と肯定しておく。拳骨回避。


それにしても、許可がないと遺跡に入れないのか。ちょっと残念だなぁと考えてたらリリから「ルゥ兄様は冒険者になるにですか?」と質問してくる。


「う~ん。どうだろう。遺跡には興味があるけど、冒険者になりたいかと聞かれるとまだ、分かんないなぁ」

「ルゥが冒険者になりたいなら私がギルドに紹介してあげる。といっても、冒険者ギルドに登録出来るのは10歳になってからだけどね」

「まあ、将来何をしたいかじっくりと考えるがいい」と言いながらアレックスは俺の頭をガシガシと撫でた。


余談だが、あれ以上イチャイチャされても困ると思い、あの場では聞かなかったのだが、後日、結局どうやってミスリルゴーレムを倒したのか聞いた。アレックス曰く、「愛の力だ」だそうだ。どうやら、力押しで倒してしまったらしい。この父は、一体どれだけ強かったんだ?と別の意味で謎が出来てしまうのであった。

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