第二百二十四話 ノックネイン砦 中編
「確認したいことは確認出来ましたし、どうあの砦を落とすのかも決めました。というか、ものすごく今更ですが、こんなにも見晴らしが良い場所に見張りが一人も居ないとか何考えているんでしょうね?」
「そりゃあ、何も考えてねぇんだろ?わざわざ、自分から魔人族に喧嘩を売って、死にに行くような奴は居ねぇからな」
「なるほど。攻められる心配がないから、見張りを立てる必要もないということですが。それはいくら何でも舐めすぎですね。馬鹿なんじゃないですか?」
「辛辣だな。まあ、俺もそう思わなくはないが・・・。まあ、魔人族相手に喧嘩を売ろうなんて命知らずは本当に中々居ねぇからなぁ」
意味深に俺のことをじっと見ながら話すセイキ。その目が、お前がその命知らずな奴だろ?と雄弁に語っている。でも、それは俺だけに限った話ではないはずだ。なぜなら、魔人族に抗うために行動を起こした者が、俺の目の前に立っている。
「中々居ないと言いますが、セイキもその一人でしょう?」
「クッ、違いねぇ」
セイキにつられて俺も小さく笑っていると、セイキが崖に近付いてノックネイン砦を見下ろしながら「それで、ルートはこれから砦を落とすのか?」と尋ねてくる。
「もちろん、今すぐにでもこの砦を落とします。と、言いたいところですが、さすがに俺一人で出来ることは限られます。だから、少し人手を貸して欲しいのですが、そうですね・・・。セイキ、百人ほど手伝ってくれる方を集めて頂けませんか?」
「おいおいルート。そんな畏まって言わなくても、ただ一言、手伝えって命令してくれて良いんだぜルート。俺たち鬼族はお前の下に付いたんだ。お前はそういう立場なんだから何の遠慮なんかいらねぇぜ?」
「立場ですか。立場を出されると、確かにそうかもしれませんが、これは俺が個人的にお願いすることですから。まあ、レジスタンスの旗頭というみんなの上に立っている以上、それなりに威厳が必要なことは分かります。分かりますが、そういうのは追々ですね」
「居丈高にならねぇのはルートの良いところかもしれねぇが、それで舐められてたら話にならねぇぞ?まあ、自覚はあるみてぇだから、これ以上は言わねえけどよ」
「苦言痛み入ります」
俺が右手を胸元に添えて丁寧に礼をして見せると、セイキは仕方がないといった感じに「はぁ」とため息をついた。ちょっとセイキに呆れられてしまったが仕方がない。正直なところ、俺にはそういう役目は向いていない。
それに、獣人族の戦闘部隊で大隊長をしていたカスガロルドや最も人数の多い鬼族を率いるセイキといった優れた人材が仲間なのだ。任せられる所は、任せてしまいたい。そんなことを考えていると「それで、その百人でノックネイン砦を襲うのか?」とセイキが再び尋ねてくる。
「いいえ、今回は時間を掛けるつもりはありませんので、攻めるのは俺一人です。どういう作戦かは、一度プーヌカイに戻ってから話しますよ。手伝って頂ける百人の方にも、俺が何をして欲しいのか話す必要がありますから」
「ったく。派手に暴れられるのかと思いきや、闘うのはルートだけかよ。しかも、そこまで自信満々に言うとは、ルートは一人であの砦を攻め落とせる自信があるんだな。まあ、あれだけの殺気をまき散らせるぐらいに、おっかない奴なのは知ってるから驚きはしねぇけどよ」
「おっかないって。あれは分かり易く実力を示しただけなのに・・・。まあ、そんなことは置いておいて、あの砦で俺の敵となりえる魔人族は一人だけですからね。一対一なら後れは取りませんよ」
苦笑気味なセイキに俺が自信満々な理由を話すと、セイキは「魔人族以外は眼中になしかよ。まあ、さすがルートって感じだな。ちなみに、その魔人族だが業火の使い手って呼ばれているぜ」と魔人族のことを教えてくれる。ノックネイン砦を牛耳る魔人族には、二つ名があるらしい。これから闘う敵ではあるが、ふとちょっとだけ他人の様な気がしなかったのはここだけの話だ。
「業火、と言うことは、その魔人族が得意な魔法は火属性ということですね。となれば、俺はなおのこと相性が良いですね」
「へぇ?と言うことはルートが得意なのは水属性ってことか?」
セイキに水属性が得意なのかと聞かれて、俺は腕組みしながら考える。火と相性が良いといったのは、メルギアとシアンからもらったうろこを持っているからではあるが、決して俺は水属性が不得意という訳ではない。むしろ、俺はどの属性も満遍なく魔法が使えると言っていい。
・・・ムムッ、改めて考えると意外と難しい質問だな。
「セイキは中々、難しいことを聞きますね」
「いや、俺はそんな難しいことを聞いたつもりは全くないんだが?俺からすれば、ルートがなぜそこまで悩んでるのか不思議だ」
「俺は色んなマナから愛されてますからね。だから、どれが得意かと考えたらどれだろうって?・・・うーん、強いて言うなら、よく使う樹属性でしょうか?」
俺が眉間に皺を寄せながら答えを導き出すと、セイキは不可解そうに片眉を上げながら「悩んだ挙げ句の答えが樹属性だぁ?それって確かドライアドの領分じゃねぇのか?」と突っ込んでくる。
だが、そこまで口にしてから、セイキは突然、額に手を当ててやってしまったという顔をしながら「あっ、しまった。思いもよらねぇ答えに思わず突っ込んじまったが、相手はあのルートだった。俺としたことがいかんいかん」と言ってニヤニヤとし始めた。
「むっ、何ですかその気になる言い方と反応は?」
「なにってそりゃあれだ。それでなくてもすげぇ奴が現れたと思っていたのに、次に会った時には転移魔法を使える様になってる様な奴だぜ?普通の奴ならあり得なくても、ルートならあり得るだろうなって思ってな」
俺は普通じゃない、とセイキに言われて、俺が眉間の皺をより深くしていると、今まで黙って話を聞いていたシエラが「あ、セイキさんのそれ、私もそう思う」とセイキの話に乗っかった。何やら分かり合ってるセイキとシエラの二人に、俺は口を尖らせる。
「シエラまで・・・。むぅ、いいですよ。どうせ、俺は変人ですよ」
俺がいじけて見せるとセイキは「よし!とりあえず、話は分かった。何をするつもりなのか気になるところではあるが、一旦帰ってからだな」と右手をグーにして左手にバシッと打ち付けてから、クルリと踵を返して「誰を連れていくかな?」と悩み始めた。シエラも何事もなかったかの様に崖に向かって歩いていく。どうやら、二人ともいじける俺へのフォローはしてくれないらしい。
・・・あ、ちょっと面白がってるな二人とも?まあ、良いけどさ。
とりあえず、人手の確保はやる気になってくれているセイキに任せておけば大丈夫そうだ。指折り数えながら、頭の中で選別しているらしいセイキの様子に俺は頷いてから、心配そうな顔で崖からノックネイン砦を見下ろすシエラに声を掛ける。
「シエラ、心配しなくても必ず助ける。だから、今は一旦戻ろう」
シエラは顔を上げてこちらを見ながら「・・・分かったわルート」と返事をするが、再びシエラはノックネイン砦に視線を落としてしまった。そのシエラの横顔を見ていると僅かに口元が動いているのが見えた。俺はシエラの好きにさせてから、転移魔法でプーヌカイへと戻った。
プーヌカイに戻るや否やセイキがすぐに人手確保のために動いてくれる。俺はセイキがどんな人材を集めてくれるのか興味があったので、俺も一緒に、と思ったが、セイキは「ちょっくら集めてくるぜ。すぐに戻るからな」と声を掛ける間もなく走り去っていった。人の話を聞かないセイキの様子に俺は苦笑してから、頭を切り替えて説明会の準備をしておくことにする。
「ルート、それは何をしているの?」
俺が光のマナに魔力を捧げて、空中に無数の光の線を引く様子を見たシエラは首をコテリと傾げながら尋ねてくる。これは、妖狐のコトが見せてくれた空中に映像を映し出す妖術からインスピレーションを受けたもので、俺は光の線と線を結んでいって、索敵魔法で把握したノックネイン砦の立体的な見取り図を作り上げる。
「これか?これはノックネイン砦の見取り図だ。ノックネイン砦は地上三階、地下一階の建物だな」
「見取り図って・・・」
何でそんなことが出来るの?とでも言いたげな感じにシエラは眉間に皺を寄せる。でも、シエラはそのことを口には出さずに一つため息を吐くと「それじゃあ、この青色や黄色、赤色の光の粒は?」と指差しながら尋ねてくる。出来る出来ないの不毛な質問よりも、建設的な質問に切り替えたシエラに、俺は心の中で拍手を送る。
「この光の粒は人を示していて、青色は敵意が全くない人たち。黄色は中立って感じだな。魔人族に従いたくはないけど、従わざるを得ないって人たちところだ。最後に赤色が、俺たちと完全に敵対関係にある奴らって訳だ。ついでに言うと、そこの三階の一室に一際明るい赤色の光があるだろう?それが砦に居る魔人族だ」
・・・業火の使い手とかいう中二病まっしぐらな二つ名を持つ魔人族。感じ取れた魔力からすれば、それほど強大な印象は受けなかったけど、油断はするべきじゃないよな。
「そう、色違いの光の粒はそういうことなのね。あれ?それじゃあ、この建物の横、ぼんやりとした光は?」
シエラの指差した建物の陰に淡く光る塊がある。でも、色はない。反応からすると何かが居てるのは間違いないが、それはすでに生き物としての反応ではない。
「・・・そこは実は俺にも良く分からない。でも、敵対勢力が居る訳じゃないのは確かだな。敵意の反応がないから色が付いてない訳だからな」
「そう、ルートの魔法なのに、ルートにも分からないことがあるのね」
「まあ、初めてこういう形に魔法を使ってみたからな。何度も試行錯誤を繰り返して、魔法の精度を上げていくのですよシエラさん」
「はいはい、ルートはすごいすごい」
冷たい反応をするシエラに俺はわざとらしく泣き真似をして見せる。シエラはそんな俺の様子を見て、クスッと小さく笑ってから、視線を見取り図に戻した。その視線の先が、さっきの淡く光る塊とは別の場所に移ったことに、俺はシエラに覚られない様にホッと息を吐く。
・・・とりあえず、この光の塊から話を逸らすことに成功したか。この反応、ルミールの町が襲われた時のあれによく似ている。多分、これは・・・。
「ねぇ、ルート。青色の光がここ、建物の地下に集中してるってことは・・・」
「そこに捕まっている人たちが押し込められているんだろうな。索敵魔法から感じ取れた部屋の様子だと、地下は牢屋になってるみたいだな」
俺が青い光を指さして説明すると、シエラは胸元で両手をぎゅっと握り締めて、祈りを込める様に目を閉じた。シエラの手が小刻みに震えていることに気付いた俺は、シエラの頭をポンポンと優しく叩く。
「気負い過ぎるな、とは軽々しく言えないけど、これだけははっきりと言える。この人たちは俺が絶対に助ける。これ以上の犠牲なんて一人足りとも絶対に出さない。だから、シエラには俺がそれを成し遂げるところをしっかりと見届けて欲しい」
「ルート・・・。うん、分かった。見届けさせてもらうわよルート」
「おう、任しとけ!」
俺がシエラにドンと胸を叩いて見せると、シエラは口元を押さえながらクスッと小さく笑う。シエラの笑顔を見れたことは嬉しいが、カッコ良く決めたはずの今のやり取りで笑う要素はなかったはずだ。
「むぅ、何かおかしなところがあったか?」
「ふふっ、ごめんなさい。ルートが本当に自信満々だから。その、昔はいつも気だるそうにしていて・・・。家で本ばかり読んで、私が手を引っ張って連れ出さないと外に出掛けないぐらいに、めんどくさがり屋だったでしょう?何て言うか、男らしくなったというか、逞しくなったというか。ルートは随分と成長したんだなぁって思ったらつい、ね」
「ん?それはいい男になったと評価してもらったと思っていいのかな?」
「もう、そうやってすぐに調子に乗るところは変わらないのね」
シエラと他愛のない話をしている内に、セイキがプーヌカイに住む鬼族から百人を選抜して連れてきた。その誰もがとても晴々しい顔をしているのは良いが、なぜか全員の衣服が乱れて、擦り傷や打撲痕が出来ているのが見える。セイキが連れてきた百人の様子を見て、俺はじろりとセイキに視線を向けた。
「セイキ?まさか無理矢理殴って連れてきた訳じゃないですよね?」
「違う違う。俺が声を掛けたら百人以上集まっちまったからな。互いに闘わせて勝ち残った奴らを連れてきた。ここに集まった百人は、言ってしまえば鬼族の精鋭とも言えるな」
ビシッとサムズアップをしながら「ハッハッハ」と楽し気に笑うセイキに、俺は一言忠告する。俺が人手を必要としているのは、戦闘員の確保ではない。
「それはまた血気盛んなことで。でも、向こうで言った通り、ノックネイン砦を落とすのは俺一人でやりますので、鬼族の精鋭といえど、手出しは無用ですからね?それが守れない様であれば、折角集まって頂きましたが連れては行けません」
「うん?、まあ、それはルート次第だろうな。ルート一人で手に余るって状況だったら、悪いが俺も含めて確約は出来ねぇぞ?」
「えぇ、それで構いません。俺がやらんとすることを聞いてもらえば、闘いを楽しむ隙なんかないことを分かってもらえると思います」
「ほほぅ?それは楽しみだ」
ニヤッとした笑みを浮かべるセイキを押しのけた俺は、準備していた見取り図を使って集まってくれた百人に向かって説明を開始する。立体的な見取り図や俺の作成内容を聞いて、一々驚きの声が上がる。が、俺は驚きの声は無視して説明を続けた。
多少、話を聞いていなくても、皆にやってもらうことはそれほど難しくはない。そんな俺の説明会で一番大きな驚きの声が上がったのは、説明会締め括りの最後の一言だ。
「それじゃあ、直ちに向かいましょうか。作戦の決行は今日の夜です」
「はい、到着です。皆さんまずはお疲れ様でした」
セイキに集めてもらった百人に向かって、俺は労いの言葉とを掛ける。俺は全員に雷属性と光属性の補助魔法を掛け、素早さと体力を底上げしてノックネイン砦まで走らせた。ノックネイン砦はプーヌカイから鬼族の足で走って二日ぐらいの場所にある。と言うことは、雷属性の補助魔法で走ってもらえば、物の数時間でノックネイン砦に出すたどり着けるという寸法だ。みんな俺の言葉に反応が出来ないぐらいに疲弊をしているが、予定通り深夜にノックネイン砦にやってくることが出来たので何の問題もない。
「まさかあのまま本当に走って、ここに戻ってくるとは思わなかったぜ」
「血の気の多そうな鬼族も、ここまで体力を消費させれば余計な手出しは出来ないでしょう?」
「ぶはっ、俺が言うのも何だが鬼かお前は」
「いやぁ、それほどでもないです」
「褒めてねえよ!」
「ちょっとそこの二人!敵さんの門前でじゃれ合ってないで静かに!」
ノックネイン砦外壁の出入口前で、セイキと俺が漫才をしていると、息を整えた鬼族の男性に小声で怒られた。男性の言い分は本来であれば正しい指摘なのだが、俺は「問題はありませんよ」と首を横に振って見せた。ノックネイン砦にたどり着く直前に、俺はもう一度索敵魔法でノックネイン砦のことを調べていた。索敵魔法で感じ取った結果として、ノックネイン砦を囲んでいる外壁の上にも、中庭の広場に入るための出入り口にも見張り役が一人も居なかった。そう、ノックネイン砦では誰一人として見張り役を立てていなかったのだ。
見張り役が居ないということは、当然見張りをするつもりがないということなので、ノックネイン砦周辺は、暗闇を照らすためのかがり火もなく辺りは真っ暗だ。本当に誰かが砦に攻めてくるということが全く想定されていない。自分たちを脅かす存在など、もはやどこにも居ないと主張してかの様な状況に、俺は渇いた笑いが勝手に出る。
・・・まあ、そのお陰で、こうして出入り口までやって来ても、騒ぎになる気配が全くなくていいんだけどさ。それにしても、度し難いほどに愚かしいな全く。
「しっかし、ルートの補助魔法はすげぇな。まさか、あれだけの速さを維持して走れるとは思わなかったぜ」
「お粗末様です。精鋭の皆さんはちょっとしんどそうですが、さすがにセイキはまだまだ平気そうですね」
「まあな。俺はこいつらとは日頃からの鍛え方が違う、と言いたいところだが、こいつら走る前にすでに疲れていたからなぁ」
手伝ってくれる百人を選抜するために、バトルロイヤルの様なことをやったとセイキから聞いていた。「そりゃあ、そんなことをしたら疲れるのは当たり前だ」と思わずにはいられない。とは言え、そんなことをしていようが、していまいが、元から漏れなく全員には走ってもらうつもりだったので、結果は大して変わらなかったかもしれない。
・・・全員を転移魔法で移動させたかったところではあったけど、さすがにこれから魔人族と闘うのに、闘うための魔力がない、とか目も当てられないからな。
「つまり、それがなかったら、みんなセイキみたいに走れたと言うことですか?」
「まあ、いけたんじゃねぇか?俺たち鬼族は、身体能力に結構自身があるからな。獣人族にも引けを取らねぇぜ?それよりも、こんなへばった状態じゃ使い物にならないと思うが、走らせるんじゃなくてルートが転移魔法を使えば良かったんじゃねぇのか?」
「その気持ちは良く分かりますが、さすがに百人を一遍に転移させるのは、俺の魔力がどうなるか分かりませんでしたからね。ノックネイン砦を落とすのに、俺自身が使い物にならなくなっていたら話になりません。・・・あれ?いや、でも、あれか?もしかして、一遍に転移させるんじゃなくて、人数を小分けにして複数に分けてやれば出来なくもなかったかな?」
セイキの話に答えている内に、ふと思ったことが俺の口からこぼれ出た。それを耳聡く聞いたシエラが、俺の袖をグイッと引っ張ってくる。シエラに視線を向けると、深呼吸をしてまだまだ息を整えている最中といった感じのシエラの姿が目に入った。シエラもここまで一緒に走ってきたので、鬼族の精鋭百人と同様にかなりお疲れ気味のご様子だ。
「シエラは一緒になって走らなくても、転移魔法で来てくれて良かったのに」
「はぁ、はぁ、目を、離した、隙に、はぁ、はぁ、何するか、分からない、じゃない・・・」
「なるほど。それだけ俺と一緒に居たかったと」
「はぁ、はぁ、茶化さない!」
息を切らせながら怒るシエラを宥めていると、セイキに「この場でいちゃつけるとは大したもんだな」とからかわれてしまう。確かに時と場所を選ぶべきだが、悪い気はしない。もっとからかわれるぐらいにシエラとの仲を深めていけたらいいな、と密かに思う俺なのであった。