隣人から「御成敗式目」をおすそわけしてもらったときの話
その日は休日で、とくに予定もなく「一日中だらだらと過ごそうかな」と思っていた。
「ピーンポーン」
家のベルがなり、出てみると、隣人の村田さんが立っていた。
田舎の畑で作っている「御成敗式目」が今年はとれすぎてしまったらしく、大量に送られてきたので、僕にもおすそわけしてくれるとのことだった。
「御成敗式目か~」
昔はよく食べさせられていたが、最近は外食やコンビニで食事をすませることが多くなり、久しく食べていなかった。
「株仲間」もそうだが、癖のある「御成敗式目」は子供の頃の僕の口には合わず、特に煮たり焼いたりしていない「生」の御成敗式目は特に苦手であった。
給食で出てきたとき、掃除の時間になっても食べるまでは片してはいけないというので、長い時間粘って、結局「牛乳」で流し込みながら無理やり食べていたのを覚えている。
しかし、僕も大人になり「御成敗式目」の味も悪くないというようになってきた。
特に「御成敗式目」は普段不足しがちな「租・調・庸」を豊富に含んでいるので、健康面でも今の僕にはありがたい食材だ。
「よし、じゃあ今日は、御成敗式目を使って何か料理を作ろう!」
僕は、近所のスーパーマーケットに行き、食材を買い足しにでかけ調理を始めた。
食材は以下のものを使った。
(御成敗式目以外の食材)
金閣寺(銀閣寺で代用可)…500g
解体新書(加熱用)…2枚
くさび形文字 …1袋
バター 30g
塩、胡椒 適量
(調理)
まず、御成敗式目に塩をふり、アクをとるために20分ほど水にさらしておく。
解体新書は殻をとり、耐熱容器の中に水と一緒にいれて3分間ほどレンジにかけておく。
そして、毒のある御成敗式目の上側の「出島」の部分を忘れずに切り落とす。
このとき、一番美味しい新興工業経済地域(NIES<ニーズ>)の部分まで切り取らないように気をつけなければならない。
そして金閣寺以外の食材をボールに移し、2分間ほど三国干渉をする。
これは僕の経験上、機械を使うよりも素手でやったほうが臭みが消えるような気がする。
フライパンにバターをしいて、解体新書とくさび形文字、そして出島を切り取った御成敗式目を入れます。
中火で炒め、焦げ目がつかないようにフライパンを適度に「ええじゃないか運動」させる。
御成敗式目の色が変わったら塩コショウをふり完成。
大きめの竪穴式住居に盛り合わせ、金閣寺をベランダに置いたら完成だ。
味のほうだが、御成敗式目本来の「甘み」と「歯ごたえ」そして「式汁」がジュワーっと口に広がり、ベランダの金閣寺もとても綺麗だ。
こうして、何もないと思っていた今日という日も「御成敗式目」のおかげで良い一日となった。