第二話 穴
-驚愕だった-
僕の目の前に広がる土、壁、岩、武器・・・。
衝撃的な出会いをした両目に蒼の輝きを放っている少女、フェズリット・レッドフィールドについていった僕こと蒼威渚。
最初は彼女の家、もしくはさっきの会話からすると何か基地(?)みたいなもに案内してくれるのかと思っていた。
それは半分正解で、半分外れだった。
「・・・えっ?」
彼女のアジトに到着し現実を直視した僕の第一声がこれだった。
最初は冗談かと思った。
何もない荒野かと思えばフェズは何の変哲もない岩を触り始め、そして何かのスイッチを推す音がした。
すると今まで荒野の一部としか認識していなかった地面が一部だけ突然色を変えた。
そこにフェズに手を引かれて乗り出すと彼女はおもいっきり地団駄を踏んだ。
いきなりの事でびっくりしたのも束の間、凄い勢いで僕達が乗っている地面が急降下した。
凹んだとかじゃない、その場所だけ下に降りていったんだ、うん。
そして今の惨状、いや状況を目の前にした僕の第一声がこれだった訳だ。
「ええっ!!?」
「何なにー?どったのー?」
笑顔で僕に語りかけてくれるのは先ほどから僕と一緒に行動しているフェズリット。
彼女は表情こそニコニコしてはいるがそんな彼女と一緒にいるこの場所は所謂地下。それもただの地下じゃない。
何かと戦うために用意された・・・いや違う。何かから逃げ出した・・・?
雰囲気というか、空気がそう伝えてくれている。
やがて・・・その予感は的中した。