プロローグ
どうも、こんにちは、いや・・おはよう
いきなりだけどこんな話って信じますか?
ただ眼が赤いだけの普通の少年の僕が
朝目を覚ますと
全く見た事のない建物や、同じく初めて見る雲が浮かんでいる
無限に続く荒野に立っていた!
何を言っているか訳が分からないと思うが、言っている僕にも訳が分からない!
昨日僕は普通に目覚ましをかけて、普通に電気を消して普通に布団の横になって寝たはずだった。
そう、普通に・・・。
普通に寝たら普通に起きるハズだろう?
「おかしいな・・はは・・ハハハ」
何だか急におかしくなって来て漫画やアニメみたいにほっぺをつねってみたり頭を叩いてみたり色々してみるけどもちろん何も起こらない。
ここで自分の置かれた状況をもう一回考えてみる。
1・ここは来たことも見た事もない荒野
「まぁ地元から外に出た事なんかなかったけど」
2・自分は寝たままの服装ではなく買った覚えのない服を着ている。
3・目の前にはヨダレを垂らしてこっちを見ている獰猛そうなオオカミっぽいものがいる。
「いやいやオオカミなんて流石に日本に野放しはしてな・・・」
「ガルルゥ」
「・・い・・・よね?」
オオカミと目が合った。
それが会津の如くこっちに駆け出してくるオオカミ
「ちょっ!待っ・・・くぅ!」
間一髪でオオカミの突進を避けたが牙が掠ったのかそれとも爪か、とにかく腕から少し血が出て来ている。
「とにかくこいつをどうにかしないと!くっそーっ銃でもナイフでもあればなぁ」
あいにくどっちも自宅に置いてある。
普段は思い出さないようにしている”それら”を思いながら今いる状況を打開しようと色々考えているけど全く答えは出て来ない。
そうしている間にもオオカミはジリジリと距離を詰めて着ている。
「今度は逃がさないって感じ?やめなよ、僕なんか食べても美味しくないよ!普段あんまり美味しいもの食べてないし」
そんな事はおかまいなしとばかりにとうとうオオカミが後ろ足に力を込め始めた。
飛び込んで来る気だ!
「くそぉー!」
もうダメだと思って眼を瞑ったがいつまでたっても痛みはやって来ない。
恐る恐る目を開けてみたらそこにいたのは・・・
「な~んだ、素敵なオジサンがいるような気がしたから助けに来てみればこんなガキとかチョー拍子抜け☆」
「ふぇ?」
そこにいたのは、
凶暴なオオカミの上に片足を乗せて立っている
蒼眼の美少女だった!!