4話目
生後5ヵ月後
男は小麦をお湯で溶かしたオートミール風の離乳食を食べていた。
(あ~アレだね、母乳も癖があって美味しかったけどあれは赤子になったからかな? 素で母乳が好きなんじゃないよな?)
オートミールを食べながら、くだらない事を考えていたが今直面している問題に向き合うことにした。
「sdfjkjiejvmdsamkjf」
離乳食を食べさせてくれている女性が何か話しているが全く分からない。
(坂本竜馬じゃあるまいし、日本語以外分かるか!)
男は、日本語以外がさっぱり分からず中高の英語のテストなど一桁か0かのどちらかしか無かった。現状行なっているのはダンマリである。
(討伐ポイントの国語・公用語・言語を取得すれば何とかなるんだろうが……国語・公用語・言語だけで65,645,250てどんな鬼畜仕様! 少しだけ話せるようにならないと無理か)
男は肩を落としながら食べていた。ぶっちゃけ男は赤子なのでしょんぼりしながら食べている様子は可愛かったりする。
「kjhjkadhfldjfkljafdafjmkjj」
女性が心配そうに話かけているが全く分からない。こんな時は笑っとけばいいのだ。と言わんばかりに男は微笑んだ。
生後1年後
男は元気に走り回っていた。何故なら圧倒的に体力などの数値が低い為、適度に運動して体力を付けなければいけない。
スキル「絶対保護」によって5歳までは生活は保証されているが、5歳になった瞬間路頭に迷ったり、奴隷になったりする可能性が有るからだ。
(テンプレなら100%起こるな襲撃や略奪が有力候補だな)
男はそんな事を考えながら走っていた。子供達の楽しげな声が聞こえてくるが男の耳には意味のある言葉に聞こえない。男は未だに言葉を習得出来ていなかった。
(これって、思った以上にやばいよね)
男は1歳でまだ赤ちゃん言葉すらしゃべっていない。ここには1歳~5歳までの子供が多くいるが、2~3歳は簡単な言葉なら喋れるようだ。4~5歳は結構しっかりしている。
(このままだと、やばいね! マジでやばいね!どうしよう………)
よく現地で過ごしていれば言葉なんてすぐ覚えるさと聞くが、男には通用しないらしい。
(散り合えず日課の交換しとくか………)
生後3年
(祝3歳になりました! ひゃほう!)
男は三年間誰とも喋っていなかった為独り言が癖になっていた。
(取り敢えずテンション上げときました!
新しく分かった事は自分の外見、黒髪黒目のアジアン系ですね。普通の顔つきみたいです。
自分の名前が無い事が分かったので、ジェラートと命名。
この場所、ここはどうも孤児院のような所らしい偶に親らしき人が子供を置いて行くのを見かける。
アイテムボックスの制限、生後一ヶ月の頃から入れていたアイテムボックスが容量限界に達したようだ。毎日色々な物や交換した水を入れたり、暇なときに水道の水を入れ続けて60万Lも貯まっていた。
収納出来るアイテムは手が触れている物になり、液体系・流砂・土は手首から先が触れている面積もの、固形状の物は1mの立方体までのようで、生物入れることは出来ないが死体なら可、植物は問題ない。
一度に出せる量は物は1つ、液体系・土系は1秒間に10L分連続使用により途切れる事無く出せる。
そして、一番重要……未だに言葉が分かんない! ……笑えない、笑えないよ。自分の事だから……どうしよう)
生後4年11ヶ月29日
(はーい、やって来ました明日は僕の誕生日です。おそらくイベントが発生すると思われます。ここで現状を確認したいと思います。
現在地………………………………………孤児院?
国語・公用語・言語………………………日本語のみ
ステータス
体力 300/300 魔力 3/35 筋力 12 魔度 5 素早さ 125 防御力 15
筋力が多少上がって、素早さが大幅に上昇しているな! 来る日も来る日も黙々と走り、疲れては寝て、研究をしした甲斐があったものだと、言いたいのだが他の子も大幅に上がってるから意味ないしね! 努力している人より無邪気に遊んでる子の方がステータス良いって……………マゾゲーすぎる………………偉大なる先人が「人生はマゾゲーだ」と格言を残していたがその通りですね。
アイテムボックス内は
チョコレート系550個 駄菓子・スナック菓子系850個
野菜系20 炭酸飲料460本
花火系50個 かんしゃく玉100袋
水60万L 空き缶・ゴミ沢山
飲み食いした後にそこらへんに捨てるわけにも行かなかったので、空き缶や紙くずなどはボックスの中に入れています。
明日はイベントの日早めに寝ておくことにしましょう)