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或いは、御伽噺  作者: 玉響
第一章:夢現
6/7

1-2

 



「ってテンポ良くしたいところだけど、取り敢えず隠れよう」

「え?」

「隠れる?」



二人の怪訝そうな顔を見て、華奈は肩をすくめて口を開く。



「まぁ、こんな怪しい場所で、しかも見渡しの良い所にいつまでも突っ立てちゃまずいからね」



華奈の言い分に、美桜と麻音はそうか、と頷く。

華奈はぐるりと周囲を見て、硝子張りの温室らしき建物に目を留める。



「あの温室の近くまで行こうか」



温室はそう遠い場所になく、身を隠すにはもってこいだ。

それに、ああいう建物は簡単には立ち入れない筈だ。



(セオリーでは、ね)



「あたしは後ろに付くから、二人は一緒に行って」

「いいの?」

「うん、行って」

「匍匐前進とかやった方がいい?」

「出来るならね」

「すみません普通に行きます」



美桜の言葉を最後に、二人が走って行く。

その背中を見て、華奈は思った。


特別そうな庭だったのは、不幸中の幸いだと考えるべきだ。

これから何があろうとも。



(それにしても……)



―――なんて、



(ああ、いけない。二人を追わなければ)



何処かへ行きそうになる思考を華奈は引き戻した。

そして、最後に一度、周囲に視線を走らせてから、先に行かせた二人を追いかけた。



その直ぐ後、彼女達のいた場所から少し離れた茂みで、二つの影が揺れた。



 


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