『狐の親子とプレスマンの刺さったヘビ』
掲載日:2026/07/25
但馬国の浜村というところに、心優しい和尚さんがいました。寺から町まで用事があって出かけた折、いかにもおなかをすかせた狐の親子が道ばたにいるのを見かけました。和尚さんは、お坊さんなので、そうおいしいものも持っていませんでしたが、握り飯を一つ持っていたので、それを二つに割って、狐の親子に与えました。その日は、用事を済ませて寺に帰ったのですが、三日ほど後、狐の親子が寺にやってきて、握り飯の礼を言うと、これから庄屋の娘が病にかかること、和尚さんが庄屋の家に来て、床下でプレスマンの刺さったヘビを助ければ娘の病は治ることを伝えて、姿を隠しました。
和尚さんは、身なりを整えて、庄屋の家に向かいました。庄屋の家では上を下への大騒ぎで、医者やら祈祷師やらが呼ばれていましたが、全く役に立たず、和尚さんは、娘の床の下の畳を上げさせ、枕元で、それっぽい念仏を唱えますと、娘はつき物が落ちたように回復しました。
庄屋は和尚さんに大層感謝し、立派なお堂を寄進してくれ、お寺の暮らしは安定したので、狐の親子も、油揚げのおこぼれに預かることができました。
教訓:原作と違って狐つきじゃないところが複雑。速記小説の厳しさ。




