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7 【雑談】同級生に配信を見てもらいます【リュシア】

 夕方


 配信開始。


 机の上。


 今日は紅茶が二つ。


 コメント欄。


 > 誰か来る?

 新キャラ?

 保護者か?




『こんばんは』


 里愛の声。


『今日は、同級生の方が来ています』


『ミアさんです』


 少し間を置いて。


『……こんばんは』


 落ち着いた少女の声。


 コメント欄。


 > 声落ち着いてる

 常識人感ある

 絶対ツッコミ役




 未亜は少し笑う。


『なんか、こういうの緊張するね』


『配信って本当にやってたんだ……』


 里愛は頷く。


『はい』


『皆さん、優しいですよ』


 コメント欄。


 > そうかな……

 守護者多いだけです

 優しくありたい




 未亜、 ちらりと画面を見る。


『……え、待って』


『今、何人見てるの?』


 里愛、 少し視線を向ける。


『四十五人です』


『えー!?』


 思わず大きな声。


 コメント欄。


 > かわいい

 一般人反応だ

 45人って結構多いよな




『そんなに人いるの!?』


『すご……』


 里愛は不思議そう。


『そうなのでしょうか?』


『十分すごいよ!?』


 未亜は本気で驚いていた。


『普通、最初ってそんなに人来ないからね!?』


 コメント欄。


 > 常識人だ

 この子まともだ




 里愛は少し考える。


『皆さん、紅茶がお好きなのかと』


 コメント欄。


 > まあ半分くらいそう

 空気を吸いに来てる

 観測民です




 未亜はコメント欄を読んで、 少し眉を下げる。


『なんか、変な人たち多くない?』


 コメント欄。


 > 自覚はある

 見守り隊です

 インターネット保護者会




『保護者会って何……?』


 里愛は首を傾げる。


『皆さん、親御さんなのですか?』


 コメント欄。


 > 違います

 違うけど違わない

 説明が難しい




 未亜、 少し笑いを堪える。


『里愛ってさ……』


『ネット慣れしてないよね』


『そうなのでしょうか?』


『うん』


 即答。


 コメント欄。


 > 即答で草

 ミアちゃん強い




 未亜は机の上のスマホを見る。


『WaveTubeの設定とか見た?』


『設定……?』


『収益化とか投げ銭とか』


 里愛、 数秒止まる。


『……?』


 コメント欄。


 > あっ

 知らなかったのか

 まさかの未設定勢




 未亜、 本気で驚く。


『待って!?』


『今まで全部そのまま!?』


『はい』


『だって、配信ですよ?』


 コメント欄。


 > 天然

 概念で生きてる




 未亜、 額を押さえる。


『ええと……』


『それ、お金入る設定できるからね……?』


『えっ』


 本気で驚く里愛。


 コメント欄。


 > 初めて知った顔してる

 ガチで知らんかったんだ……




『皆さん、お金を送るんですか?』


『送れる』


『どうして……?』


 コメント欄。


 > 存在税

 紅茶代

 癒し料金




 未亜、 笑いながらも設定を開く。


『あとね、危ないから学校名とか周辺の店とか映さない』


『あと制服も気を付ける』


『窓、鏡、郵便物』


『配信ってそういうの見る人いるから』


 里愛は静かに聞いている。


『……皆さん、そんなところを見るのですか?』


 コメント欄。


 > 見る

 見る奴はいる

 世界は広い




 未亜は少し真面目になる。


『悪い人もいるからね』


『ちょっと無防備すぎる』


 コメント欄。


 > 正論

 本当にそれ

 助かる




 里愛は少し考えて。


『……ミアさんは詳しいのですね』


『まあ、普通くらい』


 コメント欄。


 > 普通の基準がありがたい

 この配信だと常識人が輝く




 未亜はコメント欄を読む。


『ねえ』


『さっきから保護者って言われてる人誰?』


 コメント欄。


 > お前か?

 新保護者候補

 後方腕組み勢




『違う違う!』


 未亜、 笑う。


『私こんな張り付いてないから!』


 コメント欄。


 > “こんな”で草

 認識はしてるんだ




 里愛は小さく首を傾げる。


『保護者の方は、皆さんではないのですか?』


 コメント欄。


 > 純粋

 その発想はなかった

 まあ半分そう




 未亜は、 少しだけ困ったように笑った。


『……もぅ、これだから』


『放っておけない感じがする』


 コメント欄。


 > 分かる

 それ

 だから45人いるんだよ




 静かな部屋。


 紅茶の湯気が、 ゆっくり揺れていた。

深夜。


匿名掲示板サイト《裏窓ログ》。


【今週見つけた新人配信者を雑に語るスレ part133】



---


602:名無しの観測者

今日の同級生回かなり良かった


603:名無しの観測者

ミアちゃん常識人すぎた


604:名無しの観測者

「45人!?そんなに!?」

↑普通の感覚これなんだよな


605:名無しの観測者

リュシア世界だと45人少人数会議くらいの感覚か………?


606:名無しの観測者

あいつ数字感覚バグってる


607:名無しの観測者

でも未亜ちゃん来て、 改めてリュシアの危うさ浮き彫りになったな


608:名無しの観測者

収益化知らなかったの普通に衝撃だった


609:名無しの観測者

「配信ですよ?」

↑概念でやってる


610:名無しの観測者

金稼ぎじゃなく、 本当に“配信”してるだけなんだな


611:名無しの観測者

逆に怖い


612:名無しの観測者

欲が薄い


613:名無しの観測者

だから空気違うのかもな


614:名無しの観測者

未亜ちゃん、 配信経験ある側っぽかった


615:名無しの観測者

いや普通のネット知識がある側だと思う


616:名無しの観測者

この配信だとそれが玄人に見える


617:名無しの観測者

「窓、鏡、郵便物」

↑実践的すぎる


618:名無しの観測者

めちゃくちゃ助かる


619:名無しの観測者

保護者二号説


620:名無しの観測者

いやでもあの子、 距離感が同級生だったな


621:名無しの観測者

分かる


622:名無しの観測者

監視じゃなく普通に心配してる感じ


623:名無しの観測者

なんか、「放っておけない」

って言った時かなり核心だった


624:名無しの観測者

あれ視聴者全員思ってる


625:名無しの観測者

本人だけ分かってない


626:名無しの観測者

「皆さん親御さんなのですか?」

↑ここ面白すぎた


627:名無しの観測者

発想が純粋


628:名無しの観測者

ミアちゃん笑い堪えてたな


629:名無しの観測者

あと地味に、ミアちゃん来て空気変わった


630:名無しの観測者

現代感が増した


631:名無しの観測者

分かる

リュシア空間に一般人混ざった感じ


632:名無しの観測者

でもちゃんと馴染んでたな


633:名無しの観測者

紅茶飲みながら話してるだけなのに空気良かった


634:名無しの観測者

この配信、事件起きないのに見れるのなんなんだろうな


635:名無しの観測者

生活音を見てる感覚


636:名無しの観測者

あとミアちゃん、コメ欄理解早かったな


637:名無しの観測者

途中から完全に視聴者側だった


638:名無しの観測者

「変な人たち多くない?」

↑正しい


639:名無しの観測者

否定できない


640:名無しの観測者

保護者論争また始まってて草


641:名無しの観測者

ミア=保護者説は無理あるだろ


642:名無しの観測者

でも現実側の人 感はあった


643:名無しの観測者

リュシアって、周囲に常識人配置したくなるんだろうな


644:名無しの観測者

分かる


645:名無しの観測者

一人だと危ういから


646:名無しの観測者

後輩ちゃんは癒し、 同級生ちゃんはブレーキって感じ


647:名無しの観測者

姉さまはラスボス


648:名無しの観測者

やめろwww


649:名無しの観測者

でも今日一番笑ったの


650:名無しの観測者

どこ


651:名無しの観測者

「皆さん、お金を送るんですか?」


652:名無しの観測者

あったなwww


653:名無しの観測者

文化を知らないお嬢様


654:名無しの観測者

その後の

「どうして……?」

が強すぎた


655:名無しの観測者

根本から理解してない


656:名無しの観測者

存在税です


657:名無しの観測者

癒し代です


658:名無しの観測者

空気代


659:名無しの観測者

本人絶対納得してないだろ


660:名無しの観測者

でもそのうち

「紅茶代に使わせていただきますね」

とか言いそう


661:名無しの観測者

容易に想像できる


662:名無しの観測者

設定変更前に公開範囲だけ確認しておきなさい


663:名無しの観測者

いた


664:名無しの観測者

混ざるの自然すぎる


665:名無しの観測者

今回かなり普通の助言だったな


666:名無しの観測者

ミアちゃん来て少し安心してそう


667:名無しの観測者

でも完全には安心してない感ある


668:名無しの観測者

そりゃそう


669:名無しの観測者

相手はリュシアだぞ



---


深夜2時41分。


スレッドは静かに流れ続けていた。

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