表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/15

第6話_不思議なオパール魔法

 プレシャスともっといっぱい宝石について語りたいけれど、いまは宝石魔法を早く作りたかった。


「夜にオパールの詳細を教えるね。魔法は明かりならずっと点灯したいから効果を継続させたい。形状にも凝りたいからホワイトオパールは可愛いハートシェイプよ。水の魔法は雫型のペアシェイプで、火の魔法は多面体カットでかがやきを増したい」


 オパールは硬度が低いから、面でカットされていない丸みを帯びたカボションカットが多いけれど、せっかくの魔法よ。好きな形状やカットのルースを見たい。


「明かりの魔法は中心部から全体的に照らすようにして、水の魔法は噴水のように吹き出すと面白そう。もちろん清らかな水でおいしく飲めるようにしたい。火の魔法は激しさがほしい」


 効果を細かく指定して呪文も考える。私が書いている間も、プレシャスが宝石魔図鑑を覗いていた。


「これで完成だから唱えてみるね。最初は明かりを灯す魔法よ」


 魔法は詠唱後に変更できないけれど枠の数は充分にあった。心の声で調整も可能なので、あまり深く考えなくても平気みたい。ゆっくりと深呼吸してから、宝石魔図鑑を手に持った。プレシャスが私を見つめている。


「輝き《かがやき》オパール」


 宝石魔図鑑が自動に開いて、オパールの基本ルースが飛び出した。7色オパールの魔法と同じく、基本ルースが私の周囲を漂っている。そのルースから小さなハートシェイプのルースが出現して、私の前で浮きながら止まった。


 とくに意識しなければ、私のみえる範囲に出現するみたい。ハートシェイプのルース自体が明るくなって、ここまでは想定通りだった。


「凄いです。呪文は異なりますが、周囲を明るくさせる生活魔法です」


 驚いた声のプレシャスは、ハートシェイプのルースをじっと見つめている。


「無事に魔法が成功してよかった。元となる基本ルースが出現して、そのルースから魔法が発動されるのよ。次は点けたり消したりするね」


 心の中でも可能なので、想像してから『オン』『オフ』を交互に唱えた。心の声に反応して、思った通りに明かりが点滅する。


 次に『デリート』で基本ルースを消したけれど、ハートシェイプのルースはそのまま残っている。最後に『クリア』と心の中で唱えると、ハートシェイプのルースも姿を消した。


「無言で明かりが変化するのは初めて見ました。何を試したか興味があります」


「心の中で唱えたのよ。宝石魔図鑑は私の心と繋がっているみたい。魔法発動もできるか試してみたい」

 先ほどと同じく想像してから『輝きオパール』と心の中で唱えると、基本ルースが出現してから、ハートシェイプのルースが飛び出して明かりが灯った。


「想定どおりに魔法が発動できてうれしい」


「驚きました。でもアイ様、人前では必ず詠唱してください。この世界のほとんどの人間は詠唱して魔法を発動します。呪文が異なる程度なら平気ですが、無詠唱は問題が起きます」


 心の中での発動は便利だったけれど、怪しまれて捕まるのは嫌よね。


「イロハお姉様の世界を楽しみたいから、普段は声を出して詠唱するね」


「この世界を楽しむには、そのほうがよいと思います」


「まだ試していない明かりのルースのみを消してみるね。クリア」


 基本ルースが残ったままで、ハートシェイプのルースが消えた。この状態で輝きオパールを唱えると、新たなハートシェイプのルースが出現して明かりが灯った。


「次は水の魔法よ。しずくオパール」


 今度は基本ルースから小さなペアシェイプのルースが出現して、そのルースの上部から噴水のように水が吹き出した。


「ちょっと待って、水浸しになる。クリア」


 ペアシェイプのルースは消えたけれど、床には水たまりが残っている。いつの間にかプレシャスは部屋の隅にいた。


「驚きました。避けるのが遅れて少し毛が濡れてしまいました。魔法発動時は気をつけてください」


「ごめんね、今度から注意する。すぐに床の水を拭くね」


 プレシャスに日用品がおいてある場所を聞いて、床の水をきれいに拭いた。失敗したけれど、よい経験ができたと前向きに考えた。


 床もきれいになって、少しだけ休憩したあとに魔法の続きを開始した。確認のために雫オパールで出現させた水を飲んだら、清流の水を思わせるおいしさがあった。


「次はどのような魔法ですか」


 プレシャスが聞いてくる。


「火の魔法を試してみたいけれど、屋内では危険よね」


 庭へ出てから、周囲の木々からも離れている場所まで移動した。プレシャスは離れた位置で待機している。事前に心の中で想像すれば魔法に反映できるはずなので、火の大きさをロウソクくらいに想像した。


揺らめき(ゆらめき)オパール」


 基本ルースが出現したあとに、多面体カットの小さなルースが現れた。小さなルースの上で火が揺らいでいて、火の大きさは想定どおりだった。


「近くで見ても平気ですか。急に火は暴れませんか」


 心配そうにプレシャスが聞いてくる。


「事前に大きさを調整したから大丈夫よ。この大きさなら火種には便利よね」


 無事に最初の魔法を作り終えた。


 食事がまだだったので、早めに夕食の準備をしたかった。プレシャスに聞いたらイロハ様からお金を預かっていて、周囲の森では食材も採れるみたい。自給自足ができる環境だったので、せっかくだから今日の夕食は森で食材を確保したい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ