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第4話_使い魔は遊色効果

 森の中にある開けた場所に家が建っていた。日はまだ高い位置にあったので周囲を見渡すと、雑草などは生えていないので、きっとイロハ様が作ってくれたと思う。森の外がどのようになっているのか分からないけれど、街があれば行ってみたい。


 視線を移すと真新しい家が出迎えてくれた。木造造りの1階建て1軒家で、私が住むには充分な大きさにみえた。


 家に入ると目の前の床に変わった動物が座っていた。


 動物をみた瞬間、7色にかがやくきれいな瞳の色に目を奪われた。耳が尖っていて尻尾も長くて、体は白色に黒色の斑がある猫みたいな雰囲気を思わせる。大きさは成長した猫くらいで、両手に抱えて持てそうだった。


 動物と視線があった。


「イロハ様の使い魔です。呼びやすい名前を決めてください」


 驚いて動きが止まったけれど、使い魔という言葉で納得がいった。猫にみえる使い魔は女性を思わせる声で、私の返事を待っている。聞きたい内容は山ほどあるけれど最初は名前を決めるみたい。


遊色効果ゆうしょくこうかのように体の色が変化していて、まるで宝石のプレシャスオパールね。決めた。名前はプレシャスよ。雰囲気にあって似合っている」


「わたしの名前が決まりました。プレシャスとお呼びください。遊色効果の意味を聞きたいですが、まずはアイ様の質問に答えますので、何でも聞いて下さい」


 プレシャスが家の奥へ向かって、リビングと思われるテーブルと椅子のある部屋へ案内してくれた。近くの椅子に座ると、プレシャスはテーブルの上に飛び乗ってこちらを見ている。プレシャスと仲よくなれたらうれしい。


 プレシャスのきれいな毛並みはモフモフとフワフワで、プレシャスの許可がとれればぜひ触ってみたい。でも今は質問の時間よね。


「イロハお姉様の世界が知りたい。特に魔法と魔物は元の世界に存在しなかった」


「まずは魔法ですが、精霊の力を借りて発揮できる力の総称です。精霊は人間の魔力を対価としてもらいます。魔力は自然界にある不思議な力で、体内には魔力を多く宿していて、能力のある人間が魔法を使えます」


「雰囲気は元の世界にあるファンタジー物語と一緒ね。魔法に種類はあるの?」


 イロハ様の神聖魔法は聞いたけれど、それ以外にどのような種類があるのか興味があった。私にはこの世界の魔法は使えないけれど、宝石魔法を使う上での参考にできるかもしれない。


「人間が使う魔法は2種類あります。一般魔法は自然界にいる精霊の力を借りた魔法で、火や水などの6属性があって属性ごとに強弱関係があります。単に魔法という場合はこの一般魔法を指します。日常生活や魔物退治に使われます」


 区切りを入れてから、またプレシャスが話し出す。


「さらに一般魔法を分類して、生活魔法や攻撃に防御魔法、特殊魔法など呼び方が分かれています。分類方法は国によって微妙に異なる場合もあります」


「用途によって分かれるのね」


 攻撃魔法なら威力が高くて、防御魔法はその名の通りに守りに強そう。両方が混在している魔法もあると思うけれど、全部をまとめて一般魔法なのね。


「もう1種類は神聖魔法で、イロハ様が人間のみに与えた魔法です。怪我などの回復ができますが、神聖魔法が使えると一般魔法が使えません。人間はイロハ様を女神様として信仰しています」


 イロハ様を思い出すと、妹を溺愛するお姉さんに見えた。でもイロハ様の世界では女神様で、人間が気軽に話せる存在ではないことも分かってきた。私がアイ様の姿だからイロハ様に溺愛されていると思う。


 本物のアイ様には会っていないけれど、恥ずかしい行動は取れない。


「魔法は便利な科学技術と考えればよさそう。魔物はどのような感じなの?」


 もうひとつ、私の知らない存在について聞いた。


「自然界の突然変異で出現した生物が魔物で、魔力の暴走と思われます。イロハ様にとっても想定外のようで、周囲の環境で魔物の強さも変わります」


「イロハ様なら魔物を殲滅できそうだけれど、直接手をくださないの?」


「自然界から発生しているので、世界破滅に繋がらなければ静観しています」


 人間に神聖魔法を与えているのも、人間が魔物退治をしているからと聞いた。わざわざ神聖魔法を作るくらいだから、それほどまでに魔物は想定外みたいね。


「イロハお姉様は世界と自然を愛しているのね。私も世界と自然を愛して、この世界を楽しんでいきたい。魔物退治もしたいけれど魔物は強いの?」


「凶暴な動物以上に強い魔物が多くて、人間以上の知能がある魔物もいます。魔法を使う魔物も存在していて、人間と魔物との間では争いが絶えません」


 思った以上に魔物は強くて、人間に肩入れするイロハ様の気持ちも分かった。


「元の世界では人間同士の争いがすごかったけれど、凶暴な動物との争いは規模が小さかった。イロハお姉様の世界では人間同士でも争っているの?」


 魔物も驚異だけれど、私の感覚では人間が驚異の対象だった。日本は平和だったけれど、ニュースを見れば人間同士の紛争が後を絶たない。


「主な争いは人間と魔物ですが人間同士もあります。イロハ様は世界破滅に繋がらなければ静観しています。信仰心の厚い人間に恩恵を与えるくらいです」


 平穏に暮らしたいから争いごとには注意が必要ね。まずは身近な場所から活動範囲を広げて、この世界を楽しんでいきたいと思った。

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