第28話_この世界の宝石
寝室で寝る準備をしていて、今日の出来事を思い出す。魔物退治はむずかしくて貴重な経験ができて、まだまだひとりで出歩いて魔物退治は無理だと悟った。
ベッドの横にプレシャスが近寄ってきたので、今日も宝石の話をしたい。いつもは元の世界にある宝石だったから、今日は私の知らない宝石で語りたい。
「イロハお姉様の世界にある宝石を教えてくれる?」
横にいるプレシャスに視線を向けた。
「どのような宝石の内容が知りたいですか」
「最初はどのような使われ方をしているのか知りたい。元の世界では宝石と貴金属を使って、身につける品物として楽しんでいた。ジュエリーやアクセサリーと呼ばれていて、ジュエリーで着飾って魅力的に見せると気分的にもうれしくなる」
「似ていると思います。特に女性が好んで身につけているようで、稀少な宝石なら権力の象徴にも使われます」
魔法があって魔物がいるから、異なった使い方もあるかと思った。でも私が知っている宝石の使われ方と大差なかった。宝石単体のルースとして楽しむ人もいる可能性が高いから、出会えれば話が弾みそう。
「着飾るために宝石があるのなら、目の保養ができそう。各地の宝石を探すだけでも旅ができそうね」
もしかしたら元の世界にない宝石があるかも知れないから、それだけでも旅に出る価値はある。
「アイ様は本当に宝石が好きなのですね」
「ずっと見ていられるほど好きよ。とくに大好きなオパールは、見る角度や明かりで雰囲気が異なるから、何時間でも見ていられる」
宝石魔図鑑で写真を見るのも楽しいけれど、実際の宝石には勝てない。現物が恋しくなったので胸に手を当てた。ペンダントの感触が手に伝わってきて、元の世界にあった宝石を使っていると思い出す。ペンダントを手にとって眺めた。
「やっぱり本物の宝石は何度見ても飽きない。ペンダントにはイロハお姉様の加護が付加されているけれど、見た目はジュエリーそのものよ。元の世界で宝石はお守りの意味もあったけれど、イロハお姉様の世界ではお守りとしては使われないの?」
相手が宝石だと色々と知りたくなる。
「色つきの魔石がお守りの意味合いで使われますが、これは魔法を付加できるからです。とくに属性魔法の耐性はお守りの意味合いが強いです。宝石にも魔法を付加できますが、ほとんど威力はありません」
「威力強化の魔石は、お守りにはならないの?」
魔法付加は2種類あると聞いていた。
「魔法が使えなければ、威力強化の利用価値はないので、お守りの意味合いは薄いです。魔法の補助として使われていて、黒魔道士や白魔道士が、武器の威力強化に魔石を埋め込んでいます」
宝石と一緒に魔石にも詳しくなった。黒魔道士や白魔道士の武具を見れば、魔石が埋め込まれているか分かる。色が分かればどの属性強化なのか判断できるから、どのような武具を強化したのかが分かるから面白そう。
「私の宝石魔法は基本ルースが出現するから、ほかの人から見れば不思議よね」
「言葉も含めてめずらしいと思うでしょう」
プレシャスが答えてくれる。
「やっぱり私の宝石魔法は特別なのね。でも私には使いやすい魔法よ」
心の中で思った内容が魔法に反映できるのは、魔法として使いやすいと感じる大きな理由だった。宝石の特徴を使って見た目も工夫できるから、魔法を作るだけではなくて、宝石選びも楽しみになっていた。
「わたしも芸術のような宝石魔法が気に入っています。純粋な魔法効果だけではなくて見た目にもすてきです。アイ様のこだわりが見受けられます」
「宝石だから見て楽しまないと絶対に損と思ったのよ。今日もプレシャスと宝石を語り合えてうれしかった。そろそろ寝ましょう」
イロハ様と本物のアイ様に感謝しながら眠りについた。




