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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第3石_ルビー

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第21話_ハンターギルドの

 コーテリアさんが私のほうを向いて話し始める。


「ふだんはギルド職員が行いますが、せっかくですから私が実施します。アイ、ハンターギルドの証に手をかざしてください」


 コーテリアさんの指示に従ってハンターギルドの証へ手をかざすと、コーテリアさんが呪文を唱えた。知らない魔法で、私の指先から血が1滴ほど板へ垂れるけれど痛みは感じない。


 血が垂れ終わるとコーテリアさんは別の呪文を唱え始める。血が板の内部へ吸い込まれて消えると、代わりに文字が浮かび上がった。


「これがギルドメンバーの証です。受け取ってください」


 マイリンさんが板を私に渡してくれた。表側には街と私の名前があって、ハンター区分の下には数字の1が書かれている。裏側には円形の模様が刻まれていた。


「この板は銅でできているの?」


「ハンターに成り立てはカッパーのプレートになります。ランクが上がれば、シルバーやゴールドに変わります」


「シルバーやゴールドをもらえるように頑張るね。名前の下に1が書かれているけれど、もしかしてこの数字がランクなの?」


 関連する数字は、今聞いたランクくらいしか思い浮かばなかった。


「アイさんの考えている通りにハンターランクです。ランクは1~10まであってランク4以上が一人前です。裏の模様はこのハンターギルドの印です」


「最初に目指すのは一人前みたいね」


 私とマイリンさんのやり取りが終わるのを待っていたのか、会話が途切れるとコーテリアさんが口を開く。


「これでアイはギルドメンバーになりました。歓迎します。異国とザムリューン王国では文化が異なりますが、何かあればマイリンに聞いて下さい」


「いつでも気軽に声をかけてください」


 マイリンさんがやさしく答えてくれた。


「アイちゃんは常識知らずだから心配さ。でも即決でギルドマスターに認められるとは、アイちゃんにはイロハ様のご加護があるようだね」


 言葉を疑って思わず1歩下がってしまった。ペンダントの加護が分かったのか、イロハ様に会っていると感じ取られたのかもしれない。意味が分からなかった。


「アイは異国の出身だったから、不思議な顔をしても仕方ない。イロハ様はこの大陸全土で、多くの人間が信仰している女神様だ」


 私の挙動におどろいたのか、ライマインさんが教えてくれる。どうやら私の態度を誤解して受け取ったみたい。


「光と影を司る全知全能の神様だよ。過酷な地域では、別の神様を信仰している人間もいるけれどイロハ様は別格さ。あたいもイロハ様を信仰している」


「リリスールは、口は悪いが神聖魔法を使えるハンターで、数少ない白魔道士だ」


「ライマインはひとこと多いよ。あたいなら簡単な怪我や病気なら治せるけれど、アイちゃん、無理はしないでおくれよ」


 信仰の意味で言ったと分かってほっとした。実際に会っていると言ったら驚くはずだから、イロハ様との関係は私の心にしまっておく。


「まだ魔物退治に慣れていないから慎重に行動するね」


 胸を撫で下ろしながら笑顔で答えた。


「魔物の特徴は俺が教える。魔物退治には力だけでなくて、知恵も必要だからな」


「ライマインから知恵と聞くとは、あたいは驚いたよ」


 みんなが笑い出して私も釣られて笑った。みんなが私を歓迎してくれたのがうれしくて、ハンターギルドの扉を開けてよかった。


 慌ただしい環境変化があったけれど、イロハ様の世界で生きて行けそう。


 急に目頭が熱くなってきて、私自身の意思に反して涙があふれだして止まりそうになかった。この世界に来てイロハ様とプレシャスはやさしくしてくれたけれど、気を張っていたのがわかった。


「アイちゃん、どうしたのさ。急に泣き出して、つらいことでもあったのかい」


「うれし泣きよ。私はハンターギルドのこの雰囲気が好きみたい」


 しばらくすると気分が落ち着いてきた。


 ハンターギルドの仕事は、街になれてからでも構わないと言われた。仕事の依頼方法や報酬内容、ランクアップの説明も聞くと、依頼によって点数が決まっているみたい。依頼成功で点数が入って一定の点数以上でランクアップする。


 またハンターとしての注意事項も教えてもらった。


「以上で一通りの説明が終わります。実際に仕事をしてみて、分からないことがあれば、気軽にわたしへたずねてください」


「マイリンさん、ありがとう。これからもよろしくね」


 最後に緊急連絡用で使う、家の場所を教える必要があった。この周辺の地理を把握していないので説明がむずかしいと話すと、リリスールさんが家まで来てくれることになった。みんなにお礼を言ってハンターギルドをあとにした。


 プレシャスと一緒に歩いて、となりにはリリスールさんが同行してくれる。道中では魔物などに遭遇せずに、何事もなく家まで到着した。


「この場所に住んでいるのよ。静かですてきな場所でしょ」


「何度か来たことのある場所だけれど、家があるとは知らなかったよ。たしかにすてきな場所で、まるで神殿の祝福部屋にいるような感じさ。心が温かくなるよ」


 リリスールさんはイロハ様を信仰しているから、何かを感じたのかもしれない。


「気に入ってくれてよかった。家でゆっくりしていく?」


「今日はアイちゃんが疲れていると思うから、あとで遊びに来たいさ。でもアイちゃんは不思議だね。まるで誰かに守られているみたいさ」


 リリスールさんは神聖魔法を使えて信仰心も高そうだから、イロハ様を思わせる発言になるのかもしれない。


「いつでも遊びに来てね。食事もご馳走したい」


「楽しみにしているよ。分からないことは、いつでもあたいに聞いておくれ」


 リリスールさんが家をあとにした。

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