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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第3石_ルビー

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第15話_街にやってきた

 昼食を済ませたて街へ行く準備も整ったときに、プレシャスが小袋をくわえて歩いてきた。プレシャスは軽やかにテーブルの上へ乗ると小袋をおいた。


「イロハ様から預かりました、この世界の貨幣です。普通に使うのなら、10日以上は暮らせる金額となります」


 プレシャスが器用に小袋の口を開けて中身を見せてくれた。


「街で買い物するのに貨幣は必要だから嬉しい。自給自足はできるけれど、日用品などを揃えるのには街は重要よね」


 小袋の中を覗くと金色の硬貨が10枚入っていた。でもこの世界の貨幣価値はわからないので、プレシャスへ聞く。


「金色の硬貨1枚あたりは、どの程度の価値があるの?」


「食事だけなら2日か3日分だと思います」


 プレシャスが教えてくれた。1日3回の食事と考えると、元の世界では3千円から5千円くらいだから、金色の硬貨1枚で1万円前後かもしれない。


「お金の価値は徐々に覚えていくけれど、金色の硬貨は高額そうだからなくさないようにする。街へ行く準備は完了しているから、ほかになければ出かけるね」


 小袋も忘れずに持って、プレシャスと一緒に家をでた。私が住んでいる家は森の中にあるけれど、近くにあるリガーネッタの街までは歩いて1時間くらいだった。


 街へ近づくと農地が道の両側に見えて、行き交う人々の姿も多くなってきた。道なりに進むと城壁が見えて、出入口と思われる門もあった。元の世界の感覚では小さな街に見えるけれど、この世界では中規模の街かもしれない。


「どのような街なのか今から楽しみ」


「街中でも少なからず危険はありますから、気をつけてください」


 街に来るまではプレシャスのおかげで、散歩に近い状態で移動できた。それでも森には魔物がいて、街中なら悪い人間もいるから注意が必要ね。


「危なそうな場所へは近寄らないようにするね」


 プレシャスと話している間に門の前に着いた。前にいる人の動きを見ると、街へ入るには門番に証明書を見せる必要がみたい。


 私の順番になって証明書がないと話したら、金貨1枚で滞在証明書を発行してもらえた。手持ちにあった金色の硬貨が金貨だった。ギルドの証明者でも代用できるみたいだから、ハンターギルドに入会できれば次回からは楽になりそう。


 街の中へ入って辺りを見渡すと、目につく家は木や石で造られていた。プレシャスの話では一般的な中規模の街らしくて、雰囲気は歴史の教科書に出てくる中世ヨーロッパを思い出した。


 通りを歩く人たちには、ごく少数だけれど使い魔を連れている人を見かけた。どの使い魔の姿も通常の動物と異なっていて使い魔は特別な存在にも思えた。通りを進んで広場に出ると、中央には石像が建っている。


「この石像は雰囲気が似ているから、イロハお姉様よね」


「その通りです」


「お祈りしても平気?」


 本来は神殿でお祈りすると思うけれど、このまま素通りはしたくなかった。


「通常の人間は神殿でお祈りをしていますが、イロハ様はこだわりません」


 石像の前に立って両手を組んでから目を閉じて、イロハ様と本物のアイ様に心の中で感謝した。気のせいか体が温かくなるのを感じて、やさしい雰囲気に包まれる。


 ふと鐘の音で我に返った。何の鐘の音かと思って周囲を見渡したけれど、驚いている人はいなかったので、時間を知らせる鐘かもしれない。


「そういえば、イロハお姉様がこの街を選んだ理由は何だと思う?」


 お祈りを終えてからプレシャスへ聞いた。


「リガーネッタは中規模の街で治安がよいのも理由だと思いますが、イロハ様が直接会った聖女の故郷だからかも知れません。この国では大聖女と呼ばれています」


 先日、魔物から助けたタラーキンさんは神殿の神官長で、イロハ様という女神様もいるから聖女がいても違和感はなかった。


「聖女様は神殿に仕えると思うから神聖魔法を使えるの? それとも神殿を管理する女性を意味する役職なの?」


「聖女は役職名を意味しますが、特別な神聖魔法を使える信者です。イロハ様への信仰心と本人の潜在能力が一定上になると、神聖魔法が使えます。その中でもすぐれた女性が聖女と呼ばれます」


「神聖魔法はイロハお姉様が与えた回復魔法よね」


 確認の意味を含めてプレシャスへ聞く。


「その通りです。信仰心と潜在能力の高さで、神聖魔法の効果や威力が異なってきますが、聖女は特別な神聖魔法も使えます。国に3人聖女がいれば多いほうで、聖女がいない国も多いです。聖女は国の要にもなるので、通常は王都に住んでいます」


「聖女様は貴重な存在なのね。ザムリューン王国には何名の聖女様がいるの?」


「今はふたりです。ザムリューン王国は建国から常に聖女がいる国として有名で、周辺国からひと目置かれています。イロハ様への信仰が高いのでしょう」


 長い年月の中で聖女が存在し続けているのだから、相当にイロハ様への思いが強いみたい。


「そのうちのひとりがイロハお姉様に会ったことがあって、このリガーネッタの街がその大聖女様の故郷なのね」


 イロハ様がリガーネッタを選んだ理由のひとつへとつながった。


「その通りです。イロハ様はほとんど人間には会うことはなくて、過去にさかのぼっても数えるほどの人数です。現存する聖女では彼女だけです」


「いつかは大聖女様に会えるかもしれないから、今から楽しみね。お祈りも終わったからハンターギルドに向かうね」


 広場から移動すると、とあるお店の前で人垣ができていた。ハンターギルドの場所を聞けるかもしれないと思って、近くの人に場所を聞くと親切に教えてくれた。

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