第34話:戦いの結末
戦いの翌日。
カルナスの街は、ようやく長い夜を抜けた。
黒狼傭兵団によって暴かれた真実――
ラブプラム武器商会と帝国の陰謀。
それは市民たちに衝撃を与え、怒りの炎となって広がった。
武器を取る者、声を上げる者、やがて傭兵たちまでもが剣を捨て、黒狼の旗に集まっていく。
ラブプラム直属の兵も、主を失えば四散するばかり。
そして瓦礫の中から、ラブプラムの無惨な死体が見つかったことで、すべてに終止符が打たれた。
団長ライオネルの宣言が街に響く。
「――ラブプラム武器商会は、完全に瓦解した!」
歓声と涙、怒号と笑いが渦を巻き、カルナスの空を震わせる。
こうして、戦いは黒狼の勝利で幕を閉じた。
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戦いの渦中、暗殺者ジノと女間者ミラの姿が瓦礫の下から発見された――
崩れた倉庫の一角に、二人の武器や衣服の残骸が見つかったからだ。
「相打ちになったか……」
人々はそう噂した。黒狼の中でさえ、それ以上深く追及する者はいなかった。
――夜の裏路地。
カルナスを離れた二つの影が、瓦礫に紛れて遠ざかっていく。
フードを深く被ったジノとミラ。
互いに傷ひとつ負っていない。
「……相打ちに見せかけるなんて、さすがね」
ミラが肩をすくめ、楽しげに囁いた。
「帝国の指示通りに動いただけだ」
ジノの声は冷たい。何の感情も滲ませない。
「ねぇ、ジノ」
ミラがふと歩みを緩め、横顔を覗き込む。
「ルカって子……あなたの弟子なんでしょ? 何年も育ててきて、情は湧かなかったの?」
その問いに、ジノの足取りは一瞬も乱れなかった。
「……無い」
短く、鋭く言い切る。
焔を映した夜の瞳には、一片の迷いもなかった。
「俺にとって必要なのは任務と結果。それ以外は、ただの偶然の産物にすぎん」
ミラは唇を歪め、くすりと笑った。
「ほんと冷たい人ね。でも……そういうところ、嫌いじゃないわ」
二人の影は、夜の闇に紛れ、カルナスから完全に姿を消した。




