千鶴の実力
「3騎撃破―――“死乃天使”級1、前進開始」
「……了解」
通信装置の向こう、管制センターには興奮が沸き上がっている。
白衣を着た技師達の明るい声が、通信網を通じて千鶴の耳にも届いている。
今まで聞いたことのない歓声が、千鶴の心を熱くさせた。
“スーパーパック”が近衛最精鋭部隊を撃破した!
彼等はそう叫んでいる。
千鶴もそう思いたい。
その歓声の輪に加わりたい。
だけど―――
千鶴の心の中で、何かが、それを否定し続ける。
心の中にひっかかったトゲのような“何か”が、千鶴を引き留める。
「……何?」
私は勝ったはずだ。
“スーパーパック”のおかげで勝ったんだ。
そのはずだ。
だというのに、何故、こんなに勝ったという実感がないの?
こういうの、勝ったといわないの?
「何?……この違和感は?」
「“死乃天使”級1、前進開始。距離950」
「―――っ!」
同じ手が二度も通じるはずはない。
なにより、今度は、こんな面白くない勝ち方はすまい。
徹底的に叩き潰して、今度こそ満足してやる!
千鶴は、“パースエーダー”のミサイルランチャーに命令を下した。
「ミサイル群、接近中。数12」
「本当に……」
祷子はその数に呆れながら言った。
「こんなの反則ですよね」
「端から見ていると面白いんですけどねぇ」
弧を描いて襲い来るミサイルの雨を避け、“D-SEED”は宙を舞った。
地面に着弾したミサイルが一斉に爆発して、地上を紅蓮の火炎地獄に変えた。
「うわぁ……炭火焼肉屋さん思い出すなぁ」
「せめてマグマとか言いません?」
「七輪なら……サンマですか?」
「その発想が理解出来ないんですけどねぇ……」
ピーッ
「次、来ます!地対空モードで発射した模様!」
さっきは弧を描いたミサイルが、空中を滑るようにこちらへ向かってくる。
獲物を見つけた、血に飢えた猟犬さながらのミサイル達を前に、祷子は動じることがない。
「よいしょ―――っと」
空中で紅蓮の炎と黒煙が巻き上がる。
誰もが“D-SEED”にミサイルが命中した。
そう判断するに十分だった。
だが―――
千鶴は爆発には全くかまうことなく、ビームライフルを連射した。
空中で爆発したはずの“D-SEED”が、地上ギリギリでビームライフルの弾幕を回避しつつ、ホバー移動を開始しようとしていた。
“D-SEED”は、ミサイル同士の爆発をかいくぐって、地上まで急降下をかけた。
千鶴は、その動きを先読みして、ビームライフルを発砲した。
それだけだ。
祷子にしても、千鶴にしても、驚くべきことではない。
無論、信管が作動するギリギリのタイミングで騎体を急降下させ、ミサイルから回避するなんて芸当、普通なら出来る事ではない。
しかし、この二人にとっては―――それは“当たり前”の事でしかない。
「こりゃスゴイ」
丁度、最も近くで見物することになった芳が感心した。という声を上げるのも無理はない。
「これは好カードどころか」
MCの川崎少尉は、記録を取りながら言った。
「歴史的勝負ですよ?」
「へっ?」
「ハイレベルクラスの、しかも女性同士の勝負なんて、そうそうないことですからねぇ」
そう。
レベル一つ違えば、戦力として大きな差が開くのがメサイア使いだけでなく、騎士そのもののレベルというものだ。
つまり、自分達とは格段にレベルの違う者達同士の戦いを、生で見ることが出来るチャンスなんて、そう簡単に転がり込んでくるものではない。
「たっぷりと」
モニターに具合を確かめた川崎少尉は言った。
「見物させていただきましょうか?」
その視線の向こう側で、ついに“幻龍改”が打って出た。
“アナイアレーター”を八相に構えた“幻龍改”―――千鶴騎がホバーによる強襲をかける。
攻勢側にある“D-SEED”が逆に防御に回った。
「そこっ!」
下からすくい上げるように振り回した“アナイアレーター”と斬艦刀がぶつかり合う。
千鶴はそう判断した。
それでいい。
ここで切り結んで―――次は、
次々と頭の中で攻撃パターンを組み上げていく。
ところが、
「……えっ!?」
“アナイアレーター”は、空を斬るだけ。
“D-SEED”側で、体勢を引いたのだ。
しかも、“アナイアレーター”の切っ先ギリギリに“D-SEED”の装甲があった。
“アナイアレーター”のリーチが読まれているのは間違いない。
「―――っ」
千鶴は、思わず歯ぎしりした。
攻撃が回避されたことに対してではない。
“D-SEED”の今の武装に気付いたからだ。
目の前の敵は、抜刀すらしていない。
騎士同士が交戦状態にあるというのに、抜刀していない。
右手にはビームライフルが握られたままだ。
この状態で武装を変更しない。
抜刀していない!
それは、相手に交戦の意志がないか、或いは、相手として認められていないか、いずれか。
模擬戦である以上、そして、向こうから攻めてきた以上、交戦の意志がない。それは認められない。
残された選択肢―――それは、相手が千鶴を敵として認めていない。ということだ。
悔しい!
本気でそう思った。
バカにされている!
千鶴は、怒りがこみ上げてきて爆発しそうだった。
「このぉっ!」
ブンッ!
“アナイアレーター”が再び空を斬る。
“D-SEED”はそれでさえ、武装変更しようとは考えない。
「落ち着いて!」
福沢中尉が怒鳴る。
「興奮している!脳波が異常値よ!?」
「―――っ!」
歯を食いしばって自制を試みるが、一度熱くなった脳はそう簡単には冷めることはない。
「冷静に!普段のあなたにもどって!穂村少尉っ!」
「……ちっ」
千鶴は“幻龍改”を後退させようとした。
しかし―――
ドンッ!
狙撃隊が弾幕を張ったのはそのタイミングだった。
“幻龍改”の後方に着弾したロケット弾が爆風をもって“幻龍改”の後退を止める。
「ぐっ!?」
千鶴は目を見開いた。
“D-SEED”の攻撃じゃない。
「一体!?」
耳が痛む程の爆発音と、騎体を焼く熱風。
そして、弾丸のように空を切り裂いて飛んでくる礫と、雨のように降り注ぐ土砂の中、
どうして!?
そう考えて、千鶴は自分の考えの甘さに気付いた。
敵は“D-SEED”一騎だなんて、誰も言っていない。
後方の部隊は、あくまで敵なのだ。
敵が敵である自分を狙った―――それは当たり前のことでしかない。
自分の甘さに、千鶴の頬が紅く染まった。
「……下がるなということ?」
“D-SEED”を睨み付ける。
千鶴には敵の狙いがわからない。
まるで試されている。
そうとしか考えられない。
―――当ててご覧なさい?
そう、バカにされているとしか思えない。
―――あなたに、当てることなんて、出来ものですか。
そう、見下されるとしか思えない!
「このぉっ!」
“幻龍改”が前進し、“アナイアレーター”が二回、三回と空を斬る。
なぎ払い、突き、引いては、押す。
“D-SEED”は後退しつつ、舞うように右へ左へとその全てをかわしきってしまう。
傍目には“幻龍改”が押して、“D-SEED”が一方的に押されているように見えるが、内実は逆だ。
“幻龍改”は、完全に翻弄されていた。
千鶴は、“アナイアレーター”の柄を脇まで引くと、“D-SEED”めがけて切っ先を向けた。
ドンッ!
ビームライフルが発砲された。
狙いは“D-SEED”の胸部。
命中、しかも直撃したら、中の騎士は無事では済まない。
しかし、それでもなお、千鶴は直撃を望んだ。
最早、千鶴にあるのは、目の前の“D-SEED”を止めることだけだった。
―――だが、
「何っ!?」
“D-SEED”が急速後退をかけたのは、ビームライフルの発砲より若干前。
素人目にはほとんど同時だが、“D-SEED”の方が若干速かった。
ビームが“D-SEED”の装甲をかすめて飛び去った。
そして―――
千鶴は、“D-SEED”の騎士が何をしたかったか、初めてわかった。
何故、ビームライフルを放さなかったか、初めてわかった。
ビーッ!
千鶴は、コクピットに響き渡ったその音が何の音か、最初は理解出来なかった。
『危険
武器破損
強制放棄モード作動中
危険』
騎体情報を告げるステイタス・モニターに表示された警告。
騎体がコントロールを離れ、右腕に持つ“アナイアレーター”を投擲。
騎体そのものが勝手に急速後退をかける。
「あぐぅっ!?」
千鶴が、状況を理解するより速く、形容のし難い音と衝撃が、コクピットを襲った。
慣性制御システムをもっても殺せなかった衝撃が、千鶴の細い体を容赦なく襲う。
左腕の小型シールドがコクピットブロックを防御するが、ステイタス・データとして左腕や騎体右側の装甲に重度の障害が出たことが伝えられた。
ステイタスモニターに映し出される騎体の半分が、障害を持つことを示す黄色になっていた。
「な、何が?」
「“アナイアレーター”が」
福沢中尉が千鶴の疑問に答えた。
「―――破壊されました。大丈夫ですか?少尉」
「なっ!?」
何が起きたか?
簡単だ。
祷子の放った一撃は、正確に“アナイアレーター”の中心部、つまり、ビームライフルの銃口に飛び込んだ。
本来、ビーム・エネルギーを生成、発射するそこは、内部でエネルギーを集束し、撃ち出すことに耐えられても、その内部で、そのエネルギーが解放されることは想定していない。
“アナイアレーター”のビームライフル発射装置内部で解放されたエネルギーは、一瞬で“アナイアレーター”をズタズタに破壊してのけた。
ただでさえ危険な魔力エネルギーを扱う“アナイアレーター”は、その負担に耐えることが出来ず、破壊がエネルギーパックシステムに到達した時点で、物体としての存在さえ維持することが出来なくなっていた。
はぁっ。
はぁっ。
爆発という形でエネルギーパックから解放された魔力エネルギーがキノコ雲を作り上げる中、騎体にダメージを負いながら生き残った“幻龍改”のコクピットで、千鶴は呼吸を整えた。
こんな危険な立場に立ったのは久しぶりだ。
ただ、不思議と、
恐い。
そんな感情はなかった。
水が飲みたい。
そうは思ったが、敵は許してくれないだろう。
無理矢理、唾を飲み込んだ千鶴は、福沢中尉に武器の変更を要求した。
“幻龍改”が、背中にマウントしていた斬艦刀を引き抜いた。
「なかなか、しぶといですけど、もう終わりですね。これで」
「―――本気で殺す気だったんですか?」
「まさか」
祷子は心外。という顔になった。
「美奈代さんの恋人を殺すつもりはありません」
「えっ?」
「美奈代さんが狙っているんですよ。あの子」
「そ、そうだったんですか?てっきり、本妻が小清水少尉で、愛人関係が宗像元中尉かと思ってました」
「……本妻と愛人が逆じゃないですか?」
「いえいえ。これでいいんですよ」
「そうだったんですか?私、てっきり小清水少尉が夜の玩具にされているのかと」
「いやぁ……少尉の発言からして、本妻は絶対、小清水少尉ですよ。私、これだけは譲れません」
「私もまだ未熟ですかねぇ……とにかく、あの子は今晩を境に、美奈代さんを狙って、小清水少尉と血で血を洗う泥仕合になる身なのです。そんな楽しみ、私がわざわざ潰す理由はないでしょう?」
「同感ですけど、現時点で恋人と断定するのはどうでしょうか?」
「恋人になるかもしれない。なんて、長くて面倒くさいです」
「成る程ねぇ」
ゾクッ!
千鶴は背筋に恐ろしいほどの冷たい何かを感じ、思わず身震いした。
「な……何?今の」
「少尉。とにかく、敵の撃破最優先―――いいですね?」
福沢中尉が、念を押すように言った。
「“同じ目”に会いたくなかったら、何をすべきかわかっていますよね?」
とにかく、目の前の敵を撃破しよう。
それに専念すれば良い。
千鶴は自分に言い聞かせた。
“アナイアレーター”を破損したんだ。
昨日までみたいに、ひっぱたかれたり、罵声を受けたり、ご飯減らされる程度じゃすむはずはない。
もう、殴られるのはイヤだ。
「“あれ”は大嫌いなんでしょう?」
千鶴の脳裏を、“あれ”を取り付けられ、悲鳴を上げてのたうち回る自分の姿が走馬燈のように浮かんでは消えていく。
体に、初めて恐怖が走った。
ガクガクと、膝が震える。
「嫌いなら、“あれ”を味わいたくないなら」
福沢中尉の声は、あくまで冷たい。
「―――わかっていますね?」
「―――はい」
千鶴は、呼吸を整えると、STRシステムに力を込めた。
「―――あら、まだやる気?」
祷子は、少しだけ、呆れた。という顔になった。
「“アナイアレーター”壊した所で、演習は終わりのはずなのに」
「……ですねぇ?」
水城中尉も首をかしげるしかない。
武器破壊の時点で演習停止命令が出るとばかり思っていた。
ところが、演習は継続している。
何故?
「敵、斬り込んできます」
「……無駄なことを」
「やぁぁぁぁぁっっ!」
千鶴の渾身の一撃が上段の構えから振り下ろされた。
祷子はその一撃をシールドの曲線でそらすと、振り向き様、横薙ぎの一撃で胴を狙った。
千鶴は、斬艦刀を翻し、しっかりとその一撃を受け止めた。
斬艦刀同士のエネルギーのぶつかり合いが、激しい火花を散らす。
「くっ」
「……このっ」
祷子と千鶴。
体格差と騎体のパワーの違いは、千鶴の方がわかっていた。
力押しになったら負ける。
だから、千鶴は自ら手首をひねって、力押しから小技に転じた。
力押しから逃れた千鶴騎の斬艦刀が、突然、力押しから逃げられてバランスを失いかけた“D-SEED”の持つ斬艦刀の峰にそって、その首へと伸びる。
「なっ!?」
驚いた祷子は、転倒しないギリギリまで、体勢を大きく崩し、その脅威から逃れる。
“D-SEED”の補助ブースターが点火され、“D-SEED”の姿勢制御が働いた。
「―――やる」
ぺろり。
祷子は上唇を舐めた。
「この娘、素質は美奈代さん並です」
その口元に、笑みが浮かんだ祷子は、斬艦刀を構え直すと、“D-SEED”の目前でそれを掲げてみせた。
わざとらしい。
自分でもそう思うけど、こういうことをしたい位、千鶴という相手は祷子にとって敬意に値する存在だった。
千鶴からの返答が動作としてなかったとしても、祷子は腹も立たなければ、それでいいとさえ思った。
今の祷子にとって、千鶴という存在は、敵であれば十分なのだ。
これ以上を望むなら、狩られる存在という、“当然”の身であれば、それで良いのだ。
斬艦刀同士が鎬を削る。
ここで千鶴という騎士の技を、祷子はまざまざと見せつけられた。
普通、剣同士がぶつかりあった場合、力押しになるのが相場だ。
ところが、千鶴は違う。
斬艦刀で、相手の斬艦刀を“叩く”という方が正しい剣の使い方をしてきたのだ。
無論、そんなことをする理由は、祷子にはすぐにわかった。
斬艦刀を弾いた力を利用して、小さく祷子の予想外のポジションで再度、斬艦刀を構え直すと、そこから一撃を見舞うのだ。
切り結んだと思った瞬間、突き技が襲ってきて、斬艦刀そのものを放棄しそうになったことは、一度だけではなかった。
騎体、特に頭部や首といった、メサイアの弱点を千鶴は適切に突いてくる。
狙いは恐ろしく正確だ。
大技はないが、隙を狙った小技こそが、千鶴の剣の特徴だと、祷子は即座に抜いた。
見事だと、祷子も思う。
「だけど―――!」
ギインッ!
“D-SEED”の斬艦刀が、千鶴騎の鍔ギリギリの位置に撃ち込まれた。
下段からの逆袈裟斬。
千鶴騎は、それを弾ききることが出来ず、斬艦刀の動きが止まった。
次の瞬間―――
「寛大すぎる私に感謝なさいっ!」
「っ!?」
目を見開いたのは千鶴の方だった。
“D-SEED”は、右手で斬艦刀を保持したまま、伸ばされた左手で千鶴騎の斬艦刀を脇に挟む要領でねじ上げたのだ。
手首をひねられたに等しい千鶴騎は、斬艦刀を持ち続けることが出来なかった。
「美奈代さんなら」
ズカァァァァンッ!
祷子は叫びながら、千鶴騎の胸部装甲を蹴り上げた。
「“エッジアタック”で殺してる所ですよ!?」
千鶴騎がくの字に曲がって後方を吹き飛ばされた。
数回、大きくバウンドしてやっと止まった千鶴騎は、そのまま動かない。
「司令部、こちら水城中尉。穂村騎撃破を宣言。演習の停止を要求します。水城中尉より福沢中尉、大丈夫ですか?」
悠然と、大地に横たわる千鶴騎へ近づく“D-SEED”から、水城中尉が問いかけた。
「無事……とは言いがたいですけど」
痛たたっ。
福沢中尉が答えた。
「システムが緊急停止。騎士、反応無し」
「まさか」
「心拍は確認……気絶している模様」
「よかったぁ」
「よくありませんよぉ……こっちはタンコブ出来ちゃった」
「お気の毒に。回収、必要ですか?」
「お願いします。システムが止まって、リブートを試みているのですが、ダメです」
「モードは?」
「303。ショックによるフリーズですね。一度、システム全体を止めなくちゃ」
「手間ですね……回収してハンガーで実施した方が」
「私もそう思います。フリーズしたまま……えっ?」
「どうしました?」
大地に転がった千鶴騎を抱き上げようと腕を伸ばした“D-SEED”。
「緊急モード?何これ」
「フリーズしているんでしょう?」
「ええ……303が繰り返し表示されて……何?この“自己防衛モード”って」
「“自己防衛”?」
何を―――
水城中尉は、そう問いかけようとした。
ところが、
ズンッ!
鈍く、厭な音が震動を伴って“D-SEED”を襲った。
ビーッ!
騎体損傷を告げる警報が鳴り響く。
破損箇所は腹部。
「なっ!?」
スクリーンには、それまで横たわっていた千鶴騎が再び起き上がって、そして手にした短剣を“D-SEED”の腹部めがけて突き刺す姿が映し出されていた。
「ふ、福沢中尉、一体、何を!?」
「何もしていないっ!」
その声は悲鳴に近い。
いや、悲鳴そのものだろう。
「騎体から離れて下さいっ!」
「騎士を止めなさいっ!」
千鶴騎は何度も“D-SEED”の腹部へ短剣を突き刺す。
“D-SEED”の腹部を構成する機材がその度に、まるで内蔵のように撒き散らされる。
「騎士のコントロールは停止状態、こちらもシステムが―――」
パニック同然の中、福沢中尉は宣言した。
「騎体暴走!システム制御不能!現時点をもって、騎体の暴走を宣言します!」




