第七十五話 クリスマスライブ
1週間みっちり練習をして本番を迎えた。
客入りは思いの外よく3万人が会場に入った。
これも地道に地方営業を繰り返して来たおかげだ。
まといのスキャンダルで注目が集まった効果もある。
アンチも増えてしまったが応援してくれるファンも増えた。
「すごい客入りね」
「それだけvoiceが注目されていることよ」
「けど、こんなたくさんのファンの前で歌えるかな」
「練習して来たとおりにすれば大丈夫よ」
私達はステージ脇から会場を覗いて本音をこぼす。
るかの言う通り練習通りにできればうまく歌えるかもしれない。
ただ、練習の時は無観客でやっていたから勝手が違う。
いざ、たくさんのファン達を目の前にすると足がすくむ。
「あなた達、こんなところで油を売っていない。楽屋に戻りなさい」
「「はい」」
マネージャーに急かされて私達は自分達の楽屋に戻る。
まずは楽屋で気合を入れてからステージに上がるためだ。
楽屋にはお世話になった声優さん達から応援メッセージと花が届いている。
レッスンでお世話になった虎悠衣子さんや上野紘さんをはじめ大倉唯さんまで届いている。
1週間前にも応援メッセージと花をもらったが今日のはさらに豪華になっている。
voiceの晴れ舞台だから気合を入れてくれたのだろう。
「あっ、ファニソンの林口博子さんから応援メッセージが届いている」
「レジェンドからなんて、すご~」
「これでファニソンの番組出演権が獲得できたわね」
現金な話ではあるがるかが言うようにファニソンの出演権を獲得できた。
あえて私達に応援メッセージをくれたのも番組の出演を希望しているからだろう。
これで人気番組のファニソンに出演できればますます人気も高まるはずだ。
「なんて書いてあるの」
「うんとね――」
”voiceのみなさん、復活ライブおめでとうございます。私はファニソンでMCをやっている林口博子です。みなさんのことはかねてより存じ上げていました。女子高生で声優でアイドルなんて中々デキることではありません。それもこれもみなさんの日々の努力があったからでしょう。この復活ライブで全てを出し切って最高のステージにしてください。影ながら応援しております”
「だって」
「番組出演のことは書いてないね」
「あたり前じゃない。今日は私達の復活ライブなのよ。番組出演の交渉なんてしないわよ」
「でも、るか。アニソンの番組出演権が獲得できたって言ったじゃない」
「そりゃあ、MCから応援メッセージをもらえたら番組出演はほぼ確定よ」
ファニソンの番組出演ははっきりと確定していないが期待してもいいだろう。
るかの言うように番組のMCからメッセージをもらえたら可能性が高まると思う。
そうでないとせっかく応援メッセージをもらったのにもったいな過ぎる。
「ファニゲーイレブンの後田佳織里さんからも応援メッセージが届いている」
「本当に?ファニゲーにも出演できるの?」
「これは土曜日の20時だいは私達voiceで決まりね」
ファニソンに続いてファニゲーイレブンにも出演できるなんて嬉し過ぎる。
人気番組に出演できればvoiceのマイナスイメージも払拭できるだろう。
これを機会にコネができれば何度でも番組に呼んでもらえるのだ。
「なんて書いてあるの」
「うんとね――」
”はじめまして。私はファニゲーイレブンでMCをやっている後田佳織里です。みなさんのことはデビュー当初から知っていました。いつかファニゲーイレブンに出演してくれないかと期待していたところです。今日は最高のステージをしてくださいね。応援しています。また番組で今日の復活ライブのことをいろいろと聞かせてくださいね。番組でお待ちしてま~す”
「だって」
「もう確定じゃん」
「これで人気の2番組の出演が決まったわ」
こんな風に番組出演が決まるのは驚きだが嬉しさでいっぱいだ。
レジェンドの林口博子さんに会えるし、後田佳織里さんにも会える。
これを機会にいい関係ができればいろんな番組出演のオファーをもらえるようになるかもしれない。
「ウハウハだね」
「テレビ番組の出演か。私達も人者ね」
「きっとこれだけじゃないと思うわよ」
「えっ、他の番組のMCさんからも応援メッセージが届いているの?」
「そうじゃなくて、この復活ライブを成功させたらいろんば番組から声がかかるってことよ」
「そうね。音楽番組とかなら旬のアーティストを番組に呼ぶしね」
「ってことは、あのLステにも出演できるってこと?タムさんから”髪切った”って言われてみたい」
人気の2番組だけでなく有名な音楽番組に出演できるなんて女子高生声優アイドル冥利に尽きる。
これもそれも私達が地道な活動を続けて来たおかげだ。
じわじわと人気が出て来たのだろう。
「もしかしたらカウントアップにも呼ばれるかもしれないわね」
「えっ、年末の定番の音楽番組」
「カウントアップは旬のアーティストが出演するから」
「これは年明けまで忙しくなりそうね」
まさに嬉しい悲鳴だ。
これで私達も人気者になるだろう。
voiceがメジャーになればいろんな仕事が舞い込んで来る。
もしかしたら来年はファニソンフェスにも参加できるかもしれない。
「こうなったら来年はレコード大賞を狙うわよ。そして紅白に出演してもっとメジャーになるの」
「そう、うまく行くかな」
「行くかなじゃないわよ。うまく行かせるのよ。私達ならできるわ」
るかの言う通りだ。
私達はこれで終るようなアイドルじゃない。
誰もがうらやむ女子高生声優アイドルなのだ。
より多くの人の心を奪ってvoiceのファンにするのだ。
そうなるためにも今日のステージは最高のものに仕上げないといけない。
練習通りではなく練習以上の力を発揮してファンを満足させるのだ。
「気持ちが高まって来たようね」
「マネージャー」
「今日のライブはただのライブじゃないわ。あなた達voiceの復活ライブよ。このステージで最高のものを届けてファン達に実力を知らしめるのよ」
「「はい!」」
「メディアも入っているから準備は抜かりなくね」
「「はい!」」
私達が相手をするのはファンだけじゃない。
会場入りしたメディアも相手にしないといけないのだ。
とかく私のスキャンダルのせいで否定的なメディアも入っている。
だから、これを機会に不信感を払しょくさせる。
最高のステージを届けられたらそれができる。
アンチ達も魅了して仲間にしてしまうのだ。
「それじゃあ、みんな集まって」
マネージャーが声をかけるとスタッフも集まって来る。
そして手を出して重ね合うと気合を入れる準備が整う。
「まとい、あなたがやって」
「私?」
予想もしていなかったマネージャーの要求に一瞬ポカンとしてしまう。
リーダーはここなだからてっきりここなが指揮をとるかと思っていたからだ。
マネージャーは恐らく今日のステージの主役は私だと思っているのだろう。
まあ、私のスキャンダルのせいで今日の復活ライブを迎えたのだから仕方がない。
当事者としてみんなの心をひとつにまとめよう。
「日々の努力のおかげで今回の復活ライブを迎えました。このステージを最高のステージにしてファンのみなさんを喜ばせましょう。私達ならできる。やりましょうっ!」
「「しょうっ!」」
私の掛け声と共にスタッフを含めたみんなの心がひとつになった。
これで後は最高のステージを届ければいい。
私達なら出来る。
今は不安すらなかった。
私達はマネージャーとステージ脇に移動して出番を待つ。
「今日の復活ライブにvoiceのすべてがかかっているわ。あなた達なら出来ると信じてる。頑張って来なさい」
「「はい!」」
マネージャーに最後の一押しをされて私達はステージの下に移動した。
あとは舞台に乗ってゆっくりとステージ上に登場するだけだ。
するとステージを盛り上げるDJの紹介がはじまった。
「今宵のステージを盛り上げるのは、あのvoiceだ。みんなも待ちわびていただろう。デビュー以来のファンもそうでないファンも今夜は最高に盛り上がるぞ。準備はいいか」
「「ワー」」
「2025、voice復活ライブ。ただ今より開幕だー!」
「「ワー」」
DJの紹介が終わるとステージにスモーク漂い出す。
それと同時に舞台がゆっくりと競り上がって行く。
スモークの切れ間から会場の様子が見えると私達の緊張も高まる。
ただ、いっさいの不安はなくワクワクだけが心を占めていた。
そして舞台が最上段まで上がると3つのスポットライトが私たちを照らした。
私達はポーズを決めたままオープニング曲のイントロが流れるのを待つ。
その間は数秒程度なのだがいつもより長く感じた。
バックバンドのドラマーのシンバルを叩く音が聞えるとここながオープニング曲を呟いた。
「shootingstar」
それと同時にオープニング曲のイントロが流れはじめる。
私達はイントロに合わせながらダンスを踊った。
会場からはファン達の歓声が聴こえて来る。
オープニング曲を合わせて今日発表する楽曲のほとんどが初お目見えだ。
地方の営業活動では披露していたのだけど会場に集まったファン達はほとんど知らない。
だから、ファン達にとっては新曲のオンパレードなのだ。
”shootingstar”はダンサブルな楽曲でテンポが速いのでノリやすい。
はじめて楽曲を聴く人でも自然と体が動き出してしまうほど。
なので会場にいたファン達も曲に合わせてペンライトを振っていた。
私達は激しいダンスをしながら楽曲を歌い上げる。
最初の曲だから体力も余っているので最高のステージを届けられた。
曲終わりになるとバックバンドが演奏をしながら次の曲のイントロへと移る。
それに合わせて私達は自分の立ち位置について曲がはじまるのを待つ。
照明が落とされているので私達がステージを移動する姿は見えない。
そして次の楽曲のイントロがはじまるとここなが曲紹介をした。
「moment」
この楽曲もアップテンポでノリがいい。
会場を盛り上げるためになくてはならない楽曲でもある。
はじめにアップテンポの楽曲を持って来て会場を一気に盛り上げる作戦だ。
曲順を決めたのはマネージャーと音楽プロデューサーだ。
音楽プロデューサーの考えた曲順にマネージャーが修正を入れると言う感じだ。
場慣れしてない私達の意見は端から聞き入れてもらえない。
やっぱり経験豊富な人が考えた方が最高の曲順になるのだ。
今のところ音楽プロデューサー達が考えた通りになっている。
会場のボルテージが一気に高まっていい雰囲気が漂っている。
最初に一気に盛り上げて、その後で少しならして、最後にまた盛り上げる。
海岸に押し寄せて来る波のような感じを想い出してもらえばわかるだろう。
何ごとも強弱をつけることでメリハリが生まれてファン達を魅了させることができるのだ。
それから3曲続けてテンポのいい楽曲を披露してファン達のボルテージを上げた。
会場はすっかり温まってファン達の気持ちもほどよく高まっている。
ここで次に披露する楽曲はこれまでとは違ってバラードを持って来た。
それはファン達の温まった心を穏やかにさせるための演出なのだ。
再びここなが楽曲名を呟くと穏やかな曲調のイントロが流れはじめた。
「あの頃にかえって」
歌い出しがはじまるまで私達はたおやかな振り付けでダンスを踊る。
スローリーな楽曲なので振り付けも激しさのない穏やかなものだ。
踊っている方としても少しだけ気を緩められるからこの曲順はありがたい。
ずっとアップテンポの楽曲を歌って踊っていたら息が上がってしまうのだ。
音楽プロデューサーもそのことを考えて曲順を決めてくれたのだ。
バラードを歌い終えると私達の息もだいぶ落ち着いて来た。
マイクに息づかいを拾われたらステージが台無しになってしまう。
一生懸命やっていることは伝わっても妨害電波のように邪魔になる。
やっぱりステージに上がった以上、無様なステージは見せられない。
そして次の楽曲もバラードを持って来た。
2曲も続けてバラードなんてと思うがけっこう馴染んでいる。
それは1曲目で会場の雰囲気を作っていたおかげだ。
ここでも音楽プロデューサーの采配が光った。
5曲目が終わるとトークコーナに移った。
復活ライブだからと言って楽曲を披露するばかりではダメだ。
ファン達と交流を持てるような演出が欠かせないのだ。
今回はクリスマスと言うことなのでプレゼントを上げることにした。
用意しておいたプレゼントはvoice関連のクリスマス限定グッズだ。
非売品だからこのコーナーでないと手に入れることができない。
質問をしてくれたファン達に私達が直接手渡すと言う風にしてあった。
ファン達と交流を持つことはアイドルには欠くことができない。
よりファンを近くに感じれるし、ファン達も私達を近くに感じれる。
そうすることでじわじわと人気が出て来るのだ。
デビューしているアイドルはみんなやっていることだ。
ただ、スタッフサイドが気になっていたことはアンチの存在だ。
まといに対してよからぬ感情を抱いていたら危険が伴う。
ステージ上でまといを襲うようなこともあるかもしれないからだ。
だから、質問者の選定は予めすませておいた。
身元を確認したうえで、不審なものを所持していないかチェックをした。
ステージ上では抽選と言うことになっているがレールが敷かれていたのだ。
「はじめまして、ユカと言います。Voiceのみなさんに質問がるのですけど、今日の復活ライブを迎えた気持ちを聞かせてください」
「じゃあ、私が代表して。今までいろいろあったから今日と言う日を迎えられてすごく嬉しいです。みなさんには最高のステージを届けたいと思っています」
「「ワー」」
私の答えに会場にいたファン達から歓声をもらう。
スキャンダルを起こした当人からの言葉に反応したのだろう。
「ありがとうございました。ユカさんにはvoiceの限定グッズ一式をプレゼントします」
「「いいなー」」
「ありがとう。ライブ、頑張ってくださいね」
「期待に応えられるように頑張るよ」
ユカはまといから直接プレゼントをもらって満足したようだ。
客席へ戻って行く足取りも軽くとても楽しそうだった。
「それではこれでトークコーナーを終わりにします。だけど、まだまだライブは続くから盛り上がってね」
「「ワー」」
こんな風にファンとコミュニケーションがとれるのは久しぶりだ。
地方営業では楽曲を披露するだけで終っていたからファンとコミュニケーションをとる機会がなかった。
ファンとの交流は欠くことができないから今後は増やして行く予定だ。
そうすることでよりファンとの結束が強くなるのだ。
「次は新曲をお届けします。この復活ライブに向けて新たに書き下ろしてもらった楽曲です。”キミのいない街で二度目のクリスマス”。聴いてください」
ここなが曲紹介をすると新曲のイントロが流れはじめる。
この楽曲もバラードだからゆったりとした楽曲になっている。
振り付けも激しくなく、流れるような感じで踊っていた。
歌い出しはサビからはじまる。
”キミのいない街で 二度目のクリスマス”
”あの頃流した涙は 雪の結晶のまま”
曲調も切なさを感じる失恋ソングだ。
ストーリーは2年前に別れた恋人をクリスマスの日に想い出すと言う物語だ。
ちょうど別れた日がクリスマスだったので記憶に残ってしまっている。
別れた日が普通の日だったら、強い印象を植え付けられることもなかっただろう。
恋人たちが幸せになる日に別れたから余計に傷が深くなってしまったのだ。
この楽曲を提供してくれたのはHIASOBIのayaso?だ。
voiceのことをかねてより知ってくれていてぜひ楽曲を提供したいと申し出てくれたのだ。
voiceの方としても有名なayaso?に楽曲を提供してもらえるのはありがたいことだ。
それだけで話題になるし、みんなから注目してもらえる。
ただ、それだけに無様な仕上がりにはできない。
だから、この楽曲に関しては練習に練習を重ねたのだ。
このステージを最高のものにしてayaso?に届けるつもりでいる。
それが楽曲を提供してくれた人への恩返しになるのだ。
間奏が終わるとAメロに移る。
この部分はここなの担当だ。
”二人で通った喫茶店 オムライスは食べかけのまま”
”スマホの写真がぎこちなく 微笑んで さみしさ ひらり”
主人公が感じている寂しさをおのまとぺで表現するところがayaso?らしい。
普通、寂しさを表現する時にひらりなんて使うなんて思いつかないからだ。
ayaso?は言葉のワードが光るタイプのボカロPだから注目されている。
新曲を発表するたびにどんな歌詞になっているのかみんなが考察するのだ。
Aメロの後半はるかが担当し、Bメロは私だった。
”行き交う人並みに 言葉がさらわれる”
”キミに伝えようとした 気持は届かない”
歌っているとつい感情移入をしてしまう。
そんな経験はなくてもそう思い込んでしまうのだ。
まあ、その方が聴いている人達には伝わりやすい。
ただ、実感がこもっていないから架空のことに留まってしまう。
それが歌う時のネックのひとつだ。
アーティストすべてが歌詞のような経験をしているわけじゃない。
それでもファンの心に響くのはアーティストの歌う力のおかげだ。
私達voiceはまだそこまでの域には達していない。
だから、今はできることを最大限でやるだけだ。
Bメロが終わるとサビに移る。
この部分がayadso?が一番言いたかったことなのだ。
”キミのいない街で 二度目のクリスマス”
”あの時流した涙は 雪の結晶のまま”
”春が訪れても 帰る場所をなくし”
”想い出だけを 残してる LaLaLa 忘れられない”
主人公は恋人とクリスマスの日に別れたことを後悔している。
毎年、クリスマスが来るたびに思い出すから辛い。
新しい恋人を作ったら忘れられるのかもしれない。
ただ、心の底には今だ恋人に対する想いがくすぶっているのだ。
想い出の数が多いほど別れた後の寂しさも増す。
おまけにクリスマスと言う記念日に別れたのだから傷も深い。
その傷が癒えるようになるまでは主人公は後悔し続けるのだ。
新曲はファンの心をがっちりと掴んだ。
voiceの新しい一面を演出できたのでステージは最高の仕上がりだ。
これもそれもボカロPであるayaso?のおかげだ。
これを機に新しい楽曲もayaso?に提供してもらいたい。
そうすればHIASOBIのようにメジャーになれるだろう。
そしてステージは終わりアンコールになる。
もちろん披露したのは”キミのいない街で二度目のクリスマス”だ。
新曲を繰り返すことでファン達の心に印象づけるためでもある。
ファン達の方も満足してくれて最高のステージを届けることができた。
「今日はありがとう。最高だったよ」
「今夜は最高のクリスマスを送ってね」
「またみんなに会いに来るから」
「「ワー」」
最後の最後までファンは盛り上がってくれる。
私達のメッセージを聞いて同じ気持ちになる。
いっしょに作り上げたステージだから別れも惜しいのだろう。
それは私達voiceも同じだ。
この時間がずっと続けばいいと思ってしまう。
終わってしまうクリスマスよりも終わりのないクリスマスの方が楽しいのだ。
そして私達はステージ脇に捌けてステージから降りた。
「よくやったわね。満足よ」
「マネージャー、やったよ」
「これもみなさんのおかげです」
「最高のステージができてよかった」
私達はマネージャーの懐に飛び込んで喜びを分かち合う。
気分が最高潮になっていたから自然と涙が溢れて来た。
「でも、これが終わりじゃないわ。あなた達はこれからvoiceの伝説を作るのよ」
「伝説?」
「そう。未来永劫語り続けられるような女子高生声優アイドルになりなさい。それがあなた達の使命よ」
「「はい!」」
マネージャーから改めて使命を告げられたことで私達の気持ちも引き締まった。
これから私達はvoiceとして活動を続けて伝説を作って行くのだ。
周りにいるライバルたちをもしのぐような存在にならなければならない。
そうすることで私達は自然と伝説の女子高生声優アイドルになれるのだ。
この復活ライブを機にvoiceの流れもよい方向へと変わって行く。




