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第七話 同族だと?

「序盤の盗賊が溜め込んでいた宝とかまで、流石に設定した記憶がない、というかそこまで設定廚じゃないから、これは誰の仕業だろうか?」


 金貨や宝石なんかは溜め込んでいても、まぁそうだろうな盗賊団なんだから、ぐらいのもんなのだが……明らかに危ういぞって感じの、見るからに日本刀があるだけれど?


「日本刀って、漫画や小説で出す分には心踊るし好きだけれどさ? 実物見ると、結構怖いな……何か紫色のオーラ纏ってるし……」


 気のせいではないほどに、戦利品の日本刀が絶対呪われているってな感じのオーラに包まれてるのだが、窃盗団のアジトにあった時は、こんな感じじゃなかったのにな。だって、初めからこんな感じだったら、間違いなく盗ってこなかったからさ!


「明らかに、俺に反応している感じなのだけれど……手に余る武器、正直に言うと呪われそうで怖い武器は、アレだ。後々に俺がレベルアップした時に使える武器的なアレだろきっと。うん、だから今は埋めよう」


 とりあえず、俺みたいなモブが手にしたら、完全に身体を乗っ取られる系にしか見えない日本刀は、この場に埋めて隠すに限る。


 誰かが手にした場合、フラグを立てた俺が真っ先に狂った敵役か何かに斬られそうだしな。


 一応、将来もし強くなった時に使える系武器である可能性を考慮して、埋める場所の近くの木に目印付けておくことにする。


 存在自体を忘れそうな気がするけども、それはそれで問題ないだろう。


 盗賊からの戦利品の中にあった宝飾がメインの様な短剣で、不気味な日本刀を埋める溝を掘るのって、何かチガウ感があるのと、思ってたよりしんどいということに心折れそうになるよ。


 だがしかし、俺はやりきった! だって、埋めると決めてから、それまでより不穏なオーラが日本刀より増してる気がするもの!


「よし、頂き物だがちゃんと服を着て、変態から貴族の坊ちゃん風にクラスチェンジできたし、いよいよ出発だなぁあ!?」


  いやいや、変な声でたけども!? なんでさっき埋めたはずの日本刀が、俺の目の前に浮いて(・・・)いるのかな!?


 右に向いてもぉ、左に向いてもぉ、後ろを向いてもぉ・・・・・・


「目の前に移動してくるって何なのさ!?」


 〝・・・・・・(呪われるけど)力が欲しいか〟


「な!? 喋るだと!? そんな設定した武器あったかな!?」


 〝・・・・・・(呪われるけど)・・・・・・(そこそこ強くなる)力が欲しいか〟


「前半の言葉がボソボソすぎて、よく聞こえないだけれども?」


 〝・・・・・・(手にしたら)・・・・・・(手放せないし)|・・・・・・《少しマシになる程度だけど》力が欲しいか〟


「なんかボソボソ部分増えたよな?」


 直接頭に響いていくる感じのくせに、ボソボソ聞き取りにくい部分があるって、胡散臭すぎないか? 


 〝胡散臭いとはなんだ!〟


「心の声聞こえちゃうとツッコミ入れずにはいられない系なのかよ!?」


 〝・・・・・・(当社比ぐらいの)力が欲しいか〟


「当社比ぐらいの強さって何だよ」


 〝そっちもしっかり聞こえてんのかぁい!?〟


「念話だったら聞こえてるに決まってるだろうが! そっちのノリに合わせてやっただけだ!」


 〝知性を有する魔剣で遊ぶでないわ!〟


「そっちこそ、詐欺まがいに契約取ろうとしてくるんじゃねぇわ!」


 閑話休題(口喧嘩上等)


「で? 知性を有する武器という奴が、こんな雑魚魔族に付きまとうのは何故なんだ?」


「自分を雑魚魔族とか言っちゃうのは、どうかと思うが……是非とも、我を貴殿と一緒に連れて行ってくれ!」


 あ、念話をやめて普通に声出してきたな。さては、雰囲気重視で念話にしていたけど、心の声まで漏れ聞こえるから止めたな絶対。


「明らかに呪ってきそうな日本刀を、はいそうですかって装備する馬鹿が、何処にいるかって話だよ」


「特別な呪いなど、我のような雑魚武器にはない!」


「自分を雑魚武器とか言うのは、どうなのそれ……」


「ただ他の武器が装備出来なくて、装備から外そうとしたら、神官に依頼しないと無理なぐらいの呪いしかないのだ!」


「十分嫌な装備だよ!?」


 神官は人族が手にできる職業であり、魔族領にはそもそも純粋な神官はいない。という、設定の世界観としてこの小説を書いたのは俺なのだから、装備を変えるのに人族領域に行かなければならないとは、相当なデメリットなのだ。


「魔族の俺にとって、その呪いは無理だ。そもそも、さっきまで盗賊団のアジトに居たわけだから、そこで誰かにこんな感じでいけば良かっただろ。喜んで装備してくれただろうに」


「顔や素行が、好みじゃなかったので」


「……はい? 強さがとかじゃなくて?」


「強い人が良いとかだったら、そもそも貴方に絡んでいません。魔力量、身のこなしから判断するに、単なる魔族の一兵卒、しかも割と弱卒って感じでしょうし」


 なんだろう、他人からお前はモブ雑魚だと言われると、腹が立つ。


「ただ凄く、否、ものすごく香ばしい感じがするので、貴方が・・・・・・我が主しかないと決めました!」


「香ばしいって言ったな! 勝手にきめんな! それにお前だって、日本刀で呪われていて、しかも言葉が喋れる上に、不穏なオーラを纏ってるとか大概香ばし……まさか……」


「はい、同族愛ですね、これはきっと」


「いやぁぁあああぁああああ!!!!???」


「ちなみに見た目は妖刀感ありますが、わりとナマクラです」


「そこはせめて名刀であれよ!?」


「だから同族だと言っているじゃないですか、ね? 我が主?」


「否定出来ねぇのが嫌ぁああああ!!!!」


「と言うこととで、これから死ぬまでよろしくです!」


「な……いつの間に俺の腰に!?」


 〝呪われた刀を装備した! 呪われた! 外すことは出来ない♪〟


「勝ってに確定演出をそれっぽく念話でするんじゃないわ!?」


 ということで、この世界で早くも俺は呪われてしまったのだった。


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