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ゆきと春香  作者: のこころ
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エロジジイ!



【餓者の大軍】




餓者の王が率いる軍。


およそ100年前、餓者の大軍は、この世界に突如現れ、あらゆる国を襲い、多くの人間を殺してきた。それを阻止するために全ての国が一致団結し、餓者の王討伐のため戦い、そして長期に渡る戦いに勝利した。王は辛うじて生き残り、世界の果ての岩山に籠城した。


【魔法学校歴史資料集"5年戦争"より抜粋】





「ジェイス!!着いたぞ!!」


ドスーン!!




ドラゴンのガイルは岩山から少し離れた平地に降り立った。




「もう、僕の思考ではついていけないよ。」


コーリーは、フラフラしていた。




「ガイル、ありがとよ!」


ジェイスが、ガイルに手を挙げる。




グワアアアーーー!!!


3人を降ろし、ガイルは飛び立っていった。




「ほんとに着いちゃったんだね…春香。」


「うん…、でもあれ凄い岩山だね、あんなに大きな山見たことないよ。」




「あれが餓者の岩山だ、敵さんの本拠地さ、よく見とけよ。」


ジェイスは煙草に火をつけた。




ゆきとコーリーはゴクリと唾を飲んだ。




「あ!あんな所に家があるね!」


春香の言葉に、コーリーとゆきはビクッとした。




「あそこが、ムーンブルク軍の基地だ。」


ジェイスがしれっと言う。




「え!?」




3人は同時に声をあげた。




「ジェイスさん!冗談はやめて下さい!あれは一軒家、いわゆる…その…普通の民家ですよ!」




ゆきと春香も、ウンウン頷いた。




「まぁ、そうか、そーだな…。とりあえず着いてこい。」




3人はジェイスと共にその一軒家に向かった。





◇◇◇◇





一軒家は3階建てくらいの大きな家で、何故か3階付近?にも大きな扉が見えた。


家の周りには人間ぐらいの大きさの岩石があちらこちらと散らばっていて、この場所にポツンと家がある事にとても違和感を感じる。




「…大きい家だけど、春香の家の方が全然大きいね…」ヒソヒソ




「うーん…でも、何か家って感じじゃないよここ。」




「だから、ここはムーンブルク軍の基地だって。」


ジェイスは苦笑いした。





1階の小さな門を潜ると、扉があった。




ガチャ!


ジェイスは普通に扉を開けた。




(いや!普通に家でしょ!鍵も掛かって無いし!)


3人は同じ事を思っていたが、言えなかった。




「ほえ?ジェイス帰ったんかー。」




中に入ると、小さいおじいちゃんが声をかけてきた。




「おう!戻ったぞ!」




中は妙に明るく、真っ直ぐな廊下、何部屋かあるようで、扉がいくつか見えた。




「は、初めまして!私は柊ゆき…きゃあっ!!」




ゆきが大声をあげた!




「いいケツしとるのー、うん、いいケツじゃ!」サワサワ




「ゆきに何してんのよ!!」




バチーン!




春香の平手打ちが炸裂!




「あたた!ジョークじゃよ!ジョーク!」




「この!エロジジイ!」




春香はゆきを庇うように前に立つ。




「春香…ありがとう。」





「やれやれ…、ぽん爺、今殴ってきた娘と、この坊や、頼めるかい?」




「えー!ワシ、ゆきちゃんがええんだけど!」


ぽん爺はイジける。




「ゆきはとりあえず別口だ、頼んだぞ。」




「しょーがないのう。」





「あの…全然状況が掴めないので、説明をお願いします…。」


ゆきが春香に隠れながら言った。





「随分と若い子連れて来たのね。」


廊下の扉のひとつが開き、綺麗なお姉さんが出てきた。




「こんな所で立ち話してないで、こっちへおいで。」


綺麗なお姉さんは、3人に手招きした。

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