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ゆきと春香  作者: のこころ
51/63

女は度胸




「で?何事だい?三代目。」


組長(神崎 猛)は、ジェイスに優しく語りかけた。




「三代目はやめてくれ、うちは組じゃない。」


ジェイスは、腕組みをしてそっぽを向いた。




「ハッハッハ!あのちっこい坊主がいい(つら)になったじゃねえか!おい!酒持ってこい!」


組長が声を荒らげた。




「たけさん変わらねえなぁ…」


ジェイスは煙草に火をつけた。




1分もしないうちに、酒が運ばれた。




「ほれ、飲んでみろ。この国で一番の酒だ。」




「高そうな酒だなぁ!じゃあ遠慮なく頂くな。」


ジェイスは盃の酒をグイッと飲んだ。




「どうだい?地酒 「神の手」、中々手に入らねえ。」




「あぁ…こんな美味い酒を飲んだ事がない。」




「ハッハッハ!だろお?」


組長は上機嫌だった。





◇◇◇◇





「何だと?本気か?」


組長は、険しい顔をした。




「あぁ…3年後だ。一緒に戦ってもらいたい。」


ジェイスは、頭を下げた。




組長は、葉巻を取り出す。


ジェイスは、マッチの火を葉巻に運んだ。




ふー…と煙を吐き出し、無言の組長。


そして、ジェイスを睨んだ。


「おめーの親父は、しくじって死んじまった。無論策はあるんだろうな?」




「あるにはある、だが賭けだ。」




「賭けだと?」


睨みを強める組長。




「あぁ、俺の龍心眼でも結果までは分からない。それほどまでに、奴等は強い。」


ジェイスは、まっすぐ組長を見た。




「その賭けってやつに、うちの組を利用しようってのか?あぁ?」


ドスの効いた声が響き渡る。




「そうだ。たけさんの組が居ないと駄目だ。」




「……」


組長は立ち上がり、後ろを向いた。




「駄目かい?たけさん。」




「おもしれぇ、その代わり総大将はジェイス、お前だ。必ず勝つぞ。」


振り向いた組長は、笑顔だった。




「たけさんすまない、恩に着る。」


ジェイスは、深く頭を下げた。





◇◇◇◇





春香が黒い霧の中に見えなくなってから10分程が経つ。




ゆき、コーリー、ぽん爺は、岩に腰掛けて黒い霧を眺めていた。




「ポンモール セビロさん、ドルテインって魔法は、どんな魔法なんですか?」


コーリーが、我慢出来ない感じで切り出した。




「ふむ、そうじゃな、魔力を操る魔法と言ったら分かりやすいかの。」




「操る?ですか?」




「そうじゃ、それ以上言いようがないのう。ふぇふぇふぇ。」




「ぽん爺さんも、そのドルテインって使えるの?」


ゆきも話に食いついてきた。




「使えるぞ、この世界にドルテインの使い手は3人おる。ワシのドルテインはレベル16、知っとる限りじゃワシのドルテインが一番レベルが高いはずじゃ。」




「レベルがあるんですね…え!世界に3人しか居ないんですか!?」


コーリーは、驚いた。




「うむ、ゴーファイブ国のヒャクシキ婆、セブンピア国のエグニマがそうじゃな、ジェイスの話じゃとヒャクシキ婆はつい最近、餓者軍にやられたそうじゃがな…」




「契約って!もしかして難しいの!?」


ゆきは、春香が心配になった。




「ふぇふぇふぇ、難しいのう。契約内容は言えなくなっとるから言えんがの。」




「春香…」


ゆきはグッと手を握りしめた。




「あ、あの、他の2人ってドルテインのレベルは…いくつくらい何でしょうか?」




「んー?コーリー君は、面白いとこに興味あるんじゃな。2人ともドルテインレベル2じゃ。」




「えっ!ぽん爺さん凄い!」




「…ヒャクシキって人はお父さんから聞いたことあるんです。大魔法使いヒャクシキ、そんな人でもポンモール セビロさんとの差が凄い…」




「ぽん爺さん、レベルが違うと何が違うの?」




「範囲と威力かのう…でもレベル2でも、凄い魔法なんじゃよ。ワシもレベル16以上は知らんから何とも言えんがの。」




「契約内容が凄く気になりますが、とても恐いです。春香さん、無事に帰ってきてほしいです…」




(春香…無茶しないでよ…)


ゆきは、レベルの話を聞いて何となく嫌な予感がした。





◇◇◇◇





「はいっ!!」


春香は手を挙げて元気に答えた。




「では、コイン48枚(レベル48)の試練を行う前にお聞きします。契約を破棄しますか?」




「いいえっ!!」




「次の試練に進みますか?」




「はいっ!!」




「では、コイン49枚(レベル49)の試練を行う前にお聞きします。契約を破棄しますか?」




「いいえっ!!」




「次の試練に進みますか?」




「はいっ!!」




「では、コイン50枚(レベル50)の試練を行う前にお聞きします。契約を破棄しますか?」




「いいえっ!!」




悪魔 シニカ エロファルの顔色が変わったのを春香は気づいていなかった。




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