女は度胸
「で?何事だい?三代目。」
組長(神崎 猛)は、ジェイスに優しく語りかけた。
「三代目はやめてくれ、うちは組じゃない。」
ジェイスは、腕組みをしてそっぽを向いた。
「ハッハッハ!あのちっこい坊主がいい面になったじゃねえか!おい!酒持ってこい!」
組長が声を荒らげた。
「たけさん変わらねえなぁ…」
ジェイスは煙草に火をつけた。
1分もしないうちに、酒が運ばれた。
「ほれ、飲んでみろ。この国で一番の酒だ。」
「高そうな酒だなぁ!じゃあ遠慮なく頂くな。」
ジェイスは盃の酒をグイッと飲んだ。
「どうだい?地酒 「神の手」、中々手に入らねえ。」
「あぁ…こんな美味い酒を飲んだ事がない。」
「ハッハッハ!だろお?」
組長は上機嫌だった。
◇◇◇◇
「何だと?本気か?」
組長は、険しい顔をした。
「あぁ…3年後だ。一緒に戦ってもらいたい。」
ジェイスは、頭を下げた。
組長は、葉巻を取り出す。
ジェイスは、マッチの火を葉巻に運んだ。
ふー…と煙を吐き出し、無言の組長。
そして、ジェイスを睨んだ。
「おめーの親父は、しくじって死んじまった。無論策はあるんだろうな?」
「あるにはある、だが賭けだ。」
「賭けだと?」
睨みを強める組長。
「あぁ、俺の龍心眼でも結果までは分からない。それほどまでに、奴等は強い。」
ジェイスは、まっすぐ組長を見た。
「その賭けってやつに、うちの組を利用しようってのか?あぁ?」
ドスの効いた声が響き渡る。
「そうだ。たけさんの組が居ないと駄目だ。」
「……」
組長は立ち上がり、後ろを向いた。
「駄目かい?たけさん。」
「おもしれぇ、その代わり総大将はジェイス、お前だ。必ず勝つぞ。」
振り向いた組長は、笑顔だった。
「たけさんすまない、恩に着る。」
ジェイスは、深く頭を下げた。
◇◇◇◇
春香が黒い霧の中に見えなくなってから10分程が経つ。
ゆき、コーリー、ぽん爺は、岩に腰掛けて黒い霧を眺めていた。
「ポンモール セビロさん、ドルテインって魔法は、どんな魔法なんですか?」
コーリーが、我慢出来ない感じで切り出した。
「ふむ、そうじゃな、魔力を操る魔法と言ったら分かりやすいかの。」
「操る?ですか?」
「そうじゃ、それ以上言いようがないのう。ふぇふぇふぇ。」
「ぽん爺さんも、そのドルテインって使えるの?」
ゆきも話に食いついてきた。
「使えるぞ、この世界にドルテインの使い手は3人おる。ワシのドルテインはレベル16、知っとる限りじゃワシのドルテインが一番レベルが高いはずじゃ。」
「レベルがあるんですね…え!世界に3人しか居ないんですか!?」
コーリーは、驚いた。
「うむ、ゴーファイブ国のヒャクシキ婆、セブンピア国のエグニマがそうじゃな、ジェイスの話じゃとヒャクシキ婆はつい最近、餓者軍にやられたそうじゃがな…」
「契約って!もしかして難しいの!?」
ゆきは、春香が心配になった。
「ふぇふぇふぇ、難しいのう。契約内容は言えなくなっとるから言えんがの。」
「春香…」
ゆきはグッと手を握りしめた。
「あ、あの、他の2人ってドルテインのレベルは…いくつくらい何でしょうか?」
「んー?コーリー君は、面白いとこに興味あるんじゃな。2人ともドルテインレベル2じゃ。」
「えっ!ぽん爺さん凄い!」
「…ヒャクシキって人はお父さんから聞いたことあるんです。大魔法使いヒャクシキ、そんな人でもポンモール セビロさんとの差が凄い…」
「ぽん爺さん、レベルが違うと何が違うの?」
「範囲と威力かのう…でもレベル2でも、凄い魔法なんじゃよ。ワシもレベル16以上は知らんから何とも言えんがの。」
「契約内容が凄く気になりますが、とても恐いです。春香さん、無事に帰ってきてほしいです…」
(春香…無茶しないでよ…)
ゆきは、レベルの話を聞いて何となく嫌な予感がした。
◇◇◇◇
「はいっ!!」
春香は手を挙げて元気に答えた。
「では、コイン48枚(レベル48)の試練を行う前にお聞きします。契約を破棄しますか?」
「いいえっ!!」
「次の試練に進みますか?」
「はいっ!!」
「では、コイン49枚(レベル49)の試練を行う前にお聞きします。契約を破棄しますか?」
「いいえっ!!」
「次の試練に進みますか?」
「はいっ!!」
「では、コイン50枚(レベル50)の試練を行う前にお聞きします。契約を破棄しますか?」
「いいえっ!!」
悪魔 シニカ エロファルの顔色が変わったのを春香は気づいていなかった。




