シーンてなると喜ぶタイプ
餓者の岩山内部 (餓者軍本拠地)
「嘘だろ?あのゲイモス様が?」
イタチの戦士が驚いていた。
「あぁ…フォーリス国で殺された。」
顔が3つある骸骨兵士が、深刻な顔をして答えた。
「殺ったのは、ムーンブルク軍なのか?」
「それは、分からない。が、ゲイモス様を倒せるとしたらムーンブルク軍しかいないと思う。」
「奴等、許せん!!」
イタチの戦士は、岩壁を殴った。
「だが、俺達じゃ全く勝ち目なんてないからな…」
「左官を目指そうぜ!俺達だって下士官からここまで這い上がって来たんだ!」
「うむ!お前達、その意気なのだ!」
「!?」
イタチの戦士と骸骨兵士の後ろから突然男の声がした。
腰までかかった美しい銀色の長髪、透き通る白い肌、赤い軍服姿に黒いマント、そして超絶イケメン。
「人型?見ない顔だな、俺達は尉官だぞ、口の聞き方に気をつけろ!」
イタチの戦士は、銀髪の男をギロッと睨んだ。
「お、お前…」
骸骨兵は、イタチの戦士の首を掴んで地面に叩きつけた。
「アシュラ!てめえ!何しやがる!」
キレるイタチの戦士。
「この者をお許し下さい!髑髏元帥!!」
アシュラ(骸骨兵士)は、土下座して頭を地面につけた。
「!?」
イタチ戦士は青ざめた。
「お前達!許せん!!俺を知らないなんて!!」
銀髪の男は、2人を睨みつけた。
「なんつってえ!!」
どーん!!
銀髪の男は、右手を伸ばして謎のポーズを取った。
2人はポカーンとしたが、必死で土下座した。
「あんまりウケなかったな!精進せよ!うむ!」
銀髪の男は洞窟の奥に、消えていった。
「アシュラ…あの方が?」
イタチの戦士は、恐る恐る聞いた。
アシュラは、力が抜けたように仰向けに倒れた。
「お前…死ぬとこだったぞ…あの方が、我が餓者軍元帥、髑髏様だ。」
「初めて拝見した、すまんアシュラ…」
「髑髏様を見たのは俺も2回目だ、滅多に顔を出さない方だからな、もう気にするな。」
2人は、暫く動けなかった。
◇◇◇◇
餓者の岩山最深部
ここには、大きな大広間があり、主に餓者軍の作戦会議室として使われる。
会議室に入れるのは、少将、中将、大将、元帥の将官以上の役職。
「今日の緊急会議って何だ?」
「アレだろ、ゲイモスが殺られたってやつじゃね?」
「何処で殺られたんだ?」
「フォーリス国らしい…」
会議室には少将と中将が集まり、ザワついていた。
暫くすると、部屋の奥の扉が開き、4人の大将が現れる。
「お前ら静かにせんかい!キシャシャシャシャ!」
シルクハットを被り、立派な髭を生やしたアライグマが出てくる。
(大将 ブラームス)
「ふぅ…会議は苦手ぞえ。」
赤い着物に、長い髪の美しい女性が現れる。
(大将 末喜)
「眠い…」
身長約3m、金色の巨大骸骨兵が現れる。頭蓋骨からは無数のツノが突き出ている。
(大将 リンゴ スター)
「全員揃いましたかね?」
ちょび髭に、くたびれたスーツ姿の男が煙草を咥えて出てきた。
(大将 テスラ)
突然、会議室に変な音楽が鳴り出す。
「何だこの音楽は?」
ザワつく会議室。
「誰だ!誰だ!誰だあああぁ!!」
男が大声を出しながら、走って現れる。
「俺の弁当食ったヤツううう!!キメっ!!」
男は、変なポーズをとって止まった。
(元帥 髑髏)
シーンとする会議室。
「あれ!?何この空気!!いやんばかん!!」
泣きそうになる髑髏。
「髑髏!もう座れ!キシャシャシャシャ!」
ブラームスが大声で怒鳴る。
「はぁ…」
ため息をつく末喜。
「眠い…」
髑髏のパフォーマンス(?)を全く見ていないリンゴ スター。
「元帥、そろそろ座って貰えるかね?」
ステラは、髑髏をキッと睨んだ。
「けっ!つまらん奴等なのだ!」
髑髏は、不貞腐れながら中央の席につく。
「では、本日久しぶりに軍会議を行います。」
テスラは、用紙を取り出し読み始めた。
◇◇◇◇
「ゲイモス少将が、昨日フォーリス国で殺られました。」
一気にザワつく会議室。
「静粛に!殺ったのは、神崎組です。」
「神崎組、久しぶりに聞くのう。」
髭の長い老人が呟いた。
(少将 ガルボ)
「神崎 龍…パルメ、アイツも神崎だったよな?…」
少女は小さく呟いた。
(中将 くろねこ)
「…はい、確かに神崎 龍と言ってました。」
(少将 パルメ)
「神崎組も、昔からムーンブルク軍同様厄介な集団です、フォーリス国にむやみに近づいてはいけません。」
テスラは淡々と語る。
「テスラ様!何故です?私は神崎という男に、致命傷を受けました。神崎組は今すぐにでも、壊滅させるべきでは!?」
くろねこが、立ち上がって叫んだ。
「くろねこ!口を慎むぞえ。」
末喜がくろねこを睨んだ。
「末喜様…はい…分かりました…」
くろねこは、しょんぼりした。
「くろねこよ、我々大将はまだ、岩山から離れられない。分かるかね?」
テスラは、煙草を灰皿で消しながら言った。
「…はい」
「無駄死にする事は無い、という事だ。」
テスラの言葉にくろねこは、グッと拳を握りしめた。
「あのさー…くろねこ、悔しいのか?」
髑髏が口を挟んだ。
「は、はい…」
くろねこは元帥を見つめた。
「じゃあ!行けよ!中将好きなやつ連れてっていいから!ワハハハ!」
「よ、よろしいんですか!?」
くろねこの目が赤く鋭くなった。
「元帥!」
テスラが、テーブルを叩いた。
ビクッとする、髑髏。
「キシャシャシャシャ!テスラよいではないか!血の気が多い良い部下だ!キシャシャ!」
ブラームスが、ケラケラ笑った。
「困った娘ぞえ…」
末喜がため息をついた。
「末喜よく言うわ!お主この前、ムーンブルク軍に乗り込んでたではないかっ!キシャシャシャシャ!」
「うるさい狸ぞえ。」
「狸じゃないわ!!アライグマじゃ!一緒にするな!!キシャシャ!」
「なぁ!リンゴ スターもいいと思うだろ?ぬははは!」
髑髏が、腕組みしているリンゴ スターの顔を覗き込む。
「元帥、リンゴ スターは…」
テスラは、言いかけてやめた。
リンゴ スターは、腕組みしながら爆睡中だった。
「コイツ寝てるぅぅぅぅ!!爆睡してるぅぅううう!!」
髑髏は、テーブルに乗って、オーマイガッ!のポーズをした。
シーンとする会議室。
「あれ?みんなノリ悪いな!まぁいいか!とりあえず、そんな感じで!くろねこファイトだぜええええ!!わははのは!」
「は、はいっ!ありがとうございます!」
くろねこは、立ち上がって敬礼をした。
「今日の会議、もうやめよう…」
テスラはため息をついた。




