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第五話 やっぱり無理だったんだね

一部、誤字脱字がございました。

報告してくださいました。

ユーザー様ありがとうございます!

更新日時もバラバラなのですが、すでに多くのブックマークをいただけて喜びの限りです。

これからも凄惨職として頑張っていきます!

ようやく、待ちに待った土曜日!亜里沙も先輩たちも今日はログインして一日中遊ぶって言ってたし、12時からスタートだから早めのお昼をお父さんに頼んでいる。お兄ちゃんたちは初期ロットは手に入らなかったらしいけど、増産したやつは予約抽選当たったらしい。というわけで、二次組で我ら兄妹は揃うことになる。なんか、お母さんが手助けしてくれたらしいけど、何したんだろう?ま、いいや。

「お父さん、おひるなにー?」

「今日のお昼はふわとろオムライスだよ」

「やった、何か手伝うことある?」

「なら、バターライスお願いできる?その間にソースと卵の準備するから」

「了解!」

まずは、玉ねぎみじん切りにしてと、次に鶏肉を小さく切ってと…フライパンにバターを入れて、溶けて来たら、鶏肉と玉ねぎを一緒に炒めると、全体的に火が通ったら、ご飯も一緒に炒める。次にコンソメで味を調えて、最後にコショウを入れると、最後にバターをもう一度入れてさっと混ぜると!最後に皿によそってと。

「お父さん、できたよー」

「よっし、こっちも後は卵だけだ」

そう言って、お父さんは卵と牛乳、少しの豆乳を入れるのはお父さん流。それらを油と少量のバターを入れたフライパンに流していく。ゆっくりと全体に行き渡らせ、少し混ぜていき、素早く形を整えていく。最後の形を整えるときにフライパンを火から離して余熱で固めていくのが難しいんだよねー。お父さんはそれをぱっぱとやってバターライスの上にキレイに乗っけていく、全員のものを真ん中からきれいにわけてふわとろオムライスはできた。

「あとはソースを掛ければ、完璧だね」

お父さんのソースは絶品だ!レシピを聞いて同じように作ってるはずなのにできないよねー。あれ、何なんだろうね?同じレシピでも作る人によって微妙に違うのは疑問だ。

「今日のソースなにー?」

「今日はトマトソースベースだね」

ちなみにホワイトソースベースやデミグラスベースなど様々だ。お父さんの料理はおいしすぎるから、早く追いつきたい。それを父に言うといつも困った顔ですぐに追い越されたら親として威厳が保てなくなるなと言っている。まあ、私もすぐに追いつけるとは思えないけど。

「お、お母さんの好みのソースだね」

「そうだね、朋子最近お疲れだから、労いも込めてね」

「みんな呼ばないとね」

「なら、机に運んでおくから、呼んできてね」

みんなを呼びに行くとすぐに集まる。お父さんのご飯はおいしいからみんなほかほかのうちに食べたいよね。

「今日のは私好みのトマトソースなの!?ありがとう、あなた」

「ま、母さん疲れてるし、労いの意味でも込めたんじゃねーの?」

「あたりだよ、でもなんでみんなオムライスは好きで共通してるのに、ソースは好みが全然違うのかな?」

「うーん、私はどれもおいしいからどれでもいいんだけど」

お父さんと私はどれでも良い派だが、お母さんはトマトソース、大次兄さんはホワイトソース、清子姉さんはデミグラスだ。まあ、みんなどれでもおいしいとは言ってるが格別なのはそれらしい。

「ま、父さんの料理にケチをつけるなんて罰当たりだがな」

「今日は巴がバターライス作ってくれたから、親子合作だよ」

ちなみに、清子姉さんも大次兄さんも料理は作れない。お母さんの血らしい。お母さんは特にひどく、台所には立たせてもらえない。お母さんが台所に立つと死人が出る確率すらあるらしい。一度、大次兄さんが頼んで作ってもらったが、台所侵入を拒む父もおらず作って食べたら、救急車で運ばれた。大次兄さん曰く、見た目は最強にうまそうだった。だが、口の中に入れたとたん意識が途切れたと。それ以降、お母さんは台所には立たせてもらえない。

「とりあえず、冷めないうちに食べましょ」

「「「「「いただきまーす」」」」」

とりあえず、ウマ!うま!馬!ん?なんか、語彙力が足りなくなってる気がする。でも、本当においしいごはんはうまい以外の言葉がなくなるよね。

「あー、食べるのがもったいないくらいうまいよ、父さん、巴」

「大次兄さん、お父さんのソースが完璧だからだよー」

「バターライスもいい塩梅だからね?巴も料理上手いから嫁の貰い手がたくさん来るね」

「清子姉さん、冗談よしてよ…父さん、渋い顔してどうしたの?」

「いや、巴のご飯がおいしくて、嫁の貰い手ができるなら料理を教えるのやめようかと…」

「あなた、馬鹿な事言ってないの、巴の貰い手は巴が決めるんだから、それに、今更やめてもこの子の腕は私が知ってる中で、二番目よ、もちろんあなたが一番だけど」

二人が頷いている。そうなのかなー?本職の人たちには絶対勝てるわけないよ。

「というか、父さんと巴の料理のせいで、外食が物足りなくなるよね」

「人のせいにしないでよー、それに私外食ほとんどしたことないし、きっと私が知らないおいしいがたくさんあるはずだよ」

「でも、たまにチープなジャンクフードとか食べたくなるんだよな、自分の舌を下方修正するために」

お父さんの料理ってどんだけなんだろう?まあ、父は家に居ながら皆を見てきたから好みをしっかり把握できているのだろう。

「そういえば、巴昼からのゲームやるんだろ?感想聞かせろよ」

「あ、それ私も聞きたい」

「母さんにも聞かせてね」

「個別に言うのめんどくさいから晩御飯の時でいい?」

「「「いいよー」」」

「とりあえず、ごちそうさま」

「食器は片づけとくから、そのままでいいよ」

「ありがとうー、なら、少ししたら、ゲームしようかな」


…もうすぐ、サービス開始時刻だ。準備しよっと!とりあえず、空調はよし、水分補給とかもオーケー、ベッドに寝て、ギアをはめてと、よっし、ゲームスタート!!


「ようこそ、Liberty Pioneer Worldへ、冒険者の皆さまを始まりの町へ転送します」

システム開始時刻と同時にアナウンスが流れ、視界が白くなっていく。視界が開けてくるとそこには、天使のラヴィさんがいた。

「あれ?始まりの町に転送されるんじゃないの?ここって、最初のスキル設定した部屋だよね?」

「ああ、カーマ様!申し訳ありません、少しご確認したいことがございまして、カーマ様のギアに不具合の可能性がございまして、こちらの部屋に転送させていただきました」

「不具合?」

「ええ、どうやら父上たちがカーマ様のギアから特定の運動脳波が感知されないということらしく、ギアの故障が疑われているのですが…どうされました?」

どう見ても、特定のって歩くとかの足の動きの部分のような気がする。故障か私かなんて私の可能性が高いなー。

「それって、足のことですか?」

「そうなんです、そこで、こちらから少しギアに信号を送り、正常に作動しているか確認させていただいてよろしいですか?」

「もちろんですけど、たぶんギアじゃなくて私だと思います」

「え?どういうことですか?」

「あのー、開発の人たちと話すことって可能ですか?」

「ええ、わかりました、私では結果をお伝えするだけですから、直接話したほうがいいですね」

パネルウィンドウを開き、操作するラヴィさん。すると、どこからか声が聞こえる。

「時間を取らせてしまってすまない、私は開発チーフの榊原というものだ、早速だが話があるということらしいが」

「その、私実はもともと歩けないので、それでこっちでも動いてないんだと思うんですけど、こっちで歩けるかもしれないからゲームを始めたんですけど」

「そうなのか、だが、もしかしたら、ギアの故障の可能性もあるので調べさせてもらっていいだろうか?」

「それはもちろん大丈夫です、結果は教えてもらえるんですよね?」

「もちろんだとも、では少し時間をいただくよ、ラヴィ、補填の話をしておいてくれ」

「わかりました、父上…カーマ様、今回のことでカーマ様にはお詫びの品を運営が準備しております、種類は以下の通りです」

え?お詫び?どちらかというとこちらが悪い気がするんだけど…

「正直に申しますと父上たちは今回のケースを全く考慮しておらず、今後のテストケースとしてカーマ様にご協力いただけないかというのもありまして…」

ラヴィさんが申し訳なさそうに言う。あー、私みたいに動けない人とかが来る可能性あるのか。

「もちろん、協力するのはいいですけど、どちらかと言うとこっちが伝えなかったのも悪いと思うんですけど」

「いや、君は悪くはないよ、我々の想定が足りないのも原因だし、これからもいろいろ頼むことがあるかもしれないからそれを込みだと考えてくれないか?」

「わかりました、万人にゲームが楽しめるようにしていきたいですもんね」

提示されているお詫びの品を見ていく。あれ、結構素材アイテム多いなー。

「素材アイテム多いですね」

「カーマ様は生産職スキルが多いので、最初は外に出ずにある程度作れるようにですね、始まりの町周辺で採れる素材を中心になっております、最初は回復薬などだったんですけどね」

「え?そっちでも十分なのでは?」

「いえ、それはもともと持ってるセットの中にあるので、素材を中心にさせていただきました」

「あー、素材あれば回復薬とか簡単に作れそうですしね、ちなみにこの初期生産セットとは?」

「こちらは生産職の皆さまが最初に買えるものですね、これを持つことでどの生産職でもスキルを使用可能になります、調理であれば台所、鍛冶であれば炉などが出てきます、しかし、本職の物には及ばない携帯セットになります」

「あー、どこでも生産できるようになるものですね、でも品質低そうですね」

「それは、携帯セットですから、本場の場所で作るより品質は落ちてしまいますね」

「でも、【鍛冶】とかなら武器の修復とかできたりとか?」

「ご名答です、どこでもできるので、ダンジョンの前などに休憩中に直せますね」

「わー、便利だー」

「ほかに何かありますか?」

「いえ、大丈夫そうです、でも豪華なお詫びの品だなー」

「そうでもないですよ、ほとんどが始まりの町周辺で手に入るので」

「手に入らないものあるんですか?」

「そうですね、唯一始まりの町で手に入らないといいますか、冒険者が居ないと無理なものがこの魔力糸ですね、カーマ様は作れるようになりそうですけど」

「条件付きってやつですね」

「ええ、条件はお伝え出来ませんが、カーマ様なら大丈夫でしょう」

「ちょうど、いいようだな、カーマ君、結果を伝えてもいいだろうか?」

「はい、大丈夫です。やっぱり私でしたか?」

なんか、ものすごい言いづらい感じが声から伝わる。

「そうだな、ギアのほうには異常が見当たらなかった、もしあれならスキルの組みなおしをできるようにしよう、ゲーム中で困らないようにしようじゃないか」

「いえ、もともと歩けない想定でスキルを組んでいたので大丈夫です」

「そうか、なら、本来はいけないがこれからのヒントを一つ、君のスキル構成であればある職業が解放される可能性がある、ちなみにほかに君のようなスキル組は居なかったな」

「え?いいんですか?」

「なあに、チーフだから大丈夫だろう」

「父上…」

ラヴィさんが頭抱えてるよ。

「では、カーマ君また君には頼み事をすることがあるだろうが、ゲームを楽しんでほしい」

「いえ、こちらこそよろしくお願いします、ラヴィさんもありがとうございました」

「いえいえ、私たち姉妹は時折下界に降りることもあるので、お会いしましたらよろしくお願いします」

「はい…どうしたら始まりの町に行けるんですかね?」

「私が転送しますので、ではお気をつけて」

ラヴィさんがこちらに手を振っているので振り返す。あ、【裁縫】で布あまりそうだし、ラヴィさんの人形作ってみようかな。なぜか【裁縫】用のアイテム多かったし。

そして、視界が白に包まれていく。

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