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第四話 意外と身近に

スキルを組んだ翌日、亜里沙と昼食を食べながら、昨日組んだスキルについて亜里沙に報告していた。

「で、組んだスキルがこの通りなんだよ」

「うーん、基本は生産職だけど、後衛もちゃんとこなせるように考えてるねー」

「まあ、生産するかは完全にサービス開始日からの状態によるんだけど」

「あれ?できなかったからスキル組んだんじゃないんだ」

「いや、歩くこと確認するの忘れてたんだよね、ラヴィさんに聞くの忘れてたし」

「あちゃー、じゃあ土曜日までわからんのだね」

「そういうこと、歩けなかったら【念動】で移動するや」

「で、最終的には車いすと」

「どうやって動かすかはできてから考えるとしても、亜里沙にも手伝ってもらうことになるだろうけどね」

「そりゃ、もちろんわかってるよ、あ、でも私生産スキル一つも取ってないや」

「完全脳筋プレイヤーなのかな?」

「ちゃんと考えてるもん!」

「何を目指しているのかな?女子力は捨て去られているだろうし」

「え?女子力って女子の圧倒的な力のことでしょ?」

あ、この子やっぱりアホの子だ、というか狂戦士の未来が見える。頭の栄養が一部にとられすぎてしまったのか、かわいそうに…

「女子力は…もういいや、亜里沙の好きな道を選びなさいな」

「うん、最終的には二刀流を目指す!攻撃力が高くて、手数が多ければ相手に攻撃させる隙はできないはず!」

あ、完全に狂戦士ですね、はい。

「うん、もういいや、ところで、最初はみんな冒険者って職になるんだね」

「そうだよー、そこからスキルやら行動やらでジョブが増えるらしいよー、私はβテストのころは大剣使いだったよ」

「ん?さっき二刀流目指すって言ったよね?どういうこと?方向性変えるの?」

「いや、大剣の二刀流だよ?一撃でつぶせる火力で敵を千切っては投げ、千切っては投げするの」

あ、最終職はバーサーカーで決まりですね、、、

「うん、もう何も言うことはないよ」

「あ、そうだ巴!【鍛冶】取ってるなら私の武器とか防具作ってよ!」

「それはいいけど、とりあえず、私の移動確保が優先だよ?」

「それぐらいは大丈夫!というか、素材集めはさすがに手伝うよ」

「あれ?でも亜里沙の場合、【採取】とかのスキルないよね?」

「あ、それなら大丈夫なんか、βのころに【採取】持ってる人がパーティに居れば、採取だけはできるらしいよ、ただ、その人に渡さないと何を取ったのかわからないし、品質下がるらしいからねー」

「あー、ま、最悪近くにいて護衛してもらうだけでもいいのか」

「そうそう」

それなら、すぐに材料とか集まるかな?おっと、そろそろ次の授業の部屋に行かないと、私は遅いから急がないとね。

「亜里沙、そろそろ次の教室行こうか?」

「あ、そだね」


「そういえば、亜里沙はサービス開始と同時にログインするんでしょ?

「もちろん、巴は?」

「私もそのつもり、楽しみだなー」

「あ、大山さん、と昨日のシチュー食べに来てた子ね、こんにちは」

声のした方を振り向くと、部長と柳田先輩が手を振っていた。

「あ、部長と柳田先輩、こんにちはー」

「こんにちはー」

「移動教室?一年の教室から文化棟は遠いから大変ねー」

「まあ、亜里沙が手助けしてくれているんで、なんとか…まあ、ありがたいことです」

「そういえば、大山さん!【調理】は取ってくれた?」

「はい、なんとかスキル枠余ったんで、取ってみましたよ」

二人がガッツポーズをとっている。柳田先輩は似合うが部長のガッツポーズはなんか違和感がある。部長とか綺麗系でかなり美人だからもてるんだろうなー、料理もうまいし。

「二人そろって喜んでるところ申し訳ないですけど、まだ、歩けるかわからないんで、料理するかはそれ次第ですよ」

「もちろん、わかってるよ、いや、しかし…あ、橘、もしもの時は一緒に素材集め手伝いに行かない?」

「名案ね!まあ、プレイ時間とかは同じ部活だから予定も組みやすそうね」

「まあ、その時は手伝うよ、大山さん、そして料理を作ってくれ!」

「なんでお二人ともそんな必死なんですか?」

「「そりゃあ、あっちならいくら食べても太らないからね!!」」

あ、やっぱり気になるよね。そうなんですよねー、あっちで作った料理は人の味付けで変わるし、こっちの世界にも影響がないように調整されてるからそこは運営グッジョブって多くの人が言ってたね。あとは、アレルギー組の方々がいままで触れ合えなかったモフモフがーって歓喜の悲鳴を上げているのが、βテストで見られたらしい。

「まあ、ということだから、また後日ね」

「そうですね、移動教室に遅れないようにそろそろ行きますね、ではまたです、先輩がた」

「じゃあねー」

さて、移動教室に行きますかね…

「ね、巴、あっちなら食べても太らないなら、巴の料理食べ放題?」

「お前もか」

いいや、このアホの子は放っておこう。

「ねえ、どうなの?どうなの?」

「あー、うるさいなー、とりあえず、移動教室に行くよ!」

「うー、わかったよー、右手を下ろしてくれたらすぐに行くよー…」

私がアイアンクローの構えを解く。一応女の子だけど車いす移動のために上半身はある程度鍛えているため、私の現実での武器はアイアンクローである。亜里沙を黙らせるのに重宝している。



ここは、LPワールドの運営を行ってる会社の一室…

「あれ、このプレイヤー、なんかログおかしくない?」

「うん、どれどれ、確かになんか変だな?バグ?」

「ちゃんと、詳しく調べないといけないな、リーダー!ちょっとこっちに来てください」

「えー、なんかやばいこと起きたの?」

「いえ、このプレイヤーのログなんですけど、機械の故障かわからないんですけど、一部の情報が一切入力されてないんですよね」

「ん?あれ、ホントだ、なんか、身体機能情報が読み取られてないところあるね」

「これ、初日、このプレイヤー確保してみます?もう、さすがに明日の開始までには間に合わないですよね?」

「だねー、とりあえず、ログインしたら担当天使に状況説明とか任せることにするか、機械の故障ならギアを無償交換してあげるで済むけど、あとは何かのアイテムセットとかつければいいんじゃないかな?」

「いや、これかなりの大事ですからね?そんな簡単なことではないですよね」

「そうなんだよね、とりあえず、事情がわからないと何もできないな」

「本人は一切気にしてないのか?」

「スキル部屋が無重力空間みたいなもんだから、気付いてない可能性もありますよね」

「まあ、とりあえず、担当天使…ラヴィに伝えとけ」

「わかりました」

「ほかの班もバグの洗い直し徹底しろ!初日でバグだらけとか話にならんぞ」

そうしてLPワールドの開発部の一日はあわただしさを増していく。


一方、そんなこと一切知らない巴は

「あー、明日楽しみだなー、とりあえず、歩けたら、始まりの町の探索からだね!歩けなかったら【念動】上げながら、車いす作ることから始まるね」

翌日のサービス開始まで楽しみにしているのである。


開発部の方々、どんまいですね


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