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宮下真奈美の推理

 宇宙の意思、宇宙の声、愚かな人類を導く超人類。。


 ・・・思えばこの事件は御影さんも言っていた通り、最初からあまりにも子供じみていた。


 真奈美はそう考えていた。


 それもそのはずである。

 すべては子供が考えた計画だったからだ。


 コスモエナジー救世会の会員たちが襲ってきたときも、東心悟が御影探偵事務所を訪ねてきたときも。

 東心悟が能力を発動したと思える時には、いつも傍には学が居た。


 思考するだけで殺人を実行するサイキック・東心悟の存在・・・それこそがこの事件における最大のミスリードだったのだ。


 東心悟は学の操り人形に過ぎなかった。

 もしかすると東心悟自身は、自分をサイキックだと信じていたかもしれない。

 思考と行動を操られ、心を空っぽにされながらも、自らの力に酔っていたのだろう。


 東心悟は命を失いそうになった瞬間、心で学の名を呼んだ。

 彼がときおり見せた、学への父としての愛情は本物だったに違いない。


 しかし、学には父親への愛情は欠片ほども無い。

 学は御影の言う通りサイコパスだ。

 目的のためなら、自分に愛情を注いでくれている父親を殺すことすらためらわない。


 父を殺し、その後を継ぎ、超人類として愚かな人類を導く存在として君臨するためには。


 学こそがサイキックではないか?そう思い至ったとき、真奈美はそれが間違いであることを祈った。


 しかし真奈美は見たのだ。

 御影探偵事務所の穂積恵子のコンピューターに保存されていた、防犯カメラの映像。

 最初に見逃していたのは画面上に移っている子供の姿だったのだ。


 拡大し解像度を上げた画像には、東心学の姿がはっきりと映っていた。



 今、目の前にいるこの不安げに見える少年は怪物だ!

 人の痛みも、命すらもなんとも思っていない、危険な殺人鬼なのだ。

 無邪気な子供の姿に惑わされてはいけない。


 ・・・私がやらなければ。。


 これ以上、被害者を出すわけにはいかない。

 真奈美は精神を集中し、学の頭部を透視しようと凝視した。


「お姉さん、どうしたの・・なんか怖いよ。。」


 目を真っ赤に泣きはらした学が心細そうに言った。

 この一言で、真奈美の精神の集中が切れた。


 次の瞬間、真奈美の胸に締め付けるような痛みが襲って来た。


 ・・・ダメだ。子供の姿に惑わされちゃ・・これは真剣勝負なんだ。目の前に居るのは恐ろしい怪物。人の命を奪うことにためらいなど持たない。。


 痛みに耐えながら、透視を試みるが、なかなか精神が集中できない。


 ・・・やらなきゃ。。もっと集中して。。


 そのとき、不思議なことに胸の痛みがすっと消え去った。



「宮下君、やめるんだ!」


 真奈美は声のする方を見た。


「・・・御影さん?」


 まさしく、その御影純一がステージの袖の階段を、まだふらつく足で登って来た。

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