こころの
「と、ここまでがこの世界のことだ…なにか質問はあるかい?」
ラウルの話が終わり、僕は現しきれない恐怖に抱かれていた。覚醒者と呼ばれる不明瞭なもの…自分がなり損ないと呼ばれる理由…兵器…。全ての不安要素が精神中を暴れ回る。
「……ありません」
「大丈夫かい?顔色が悪いように見えるが…」
「そ…そんな事は…ありません…」
隠しきれない戸惑いに焦り。明らかな体調不良は口調からして定かだろう。
「シエル…ベインくんを頼む」
「分かりました」
ラウルに命じられ、シエルは僕の肩をとる。不安定な足取りで自室へと向かった。そんな僕をラウルは目を俯かせながら見送った。
「大丈夫ですか?」
「うん…大分落ち着いたよ」
「私はお父さんとお母様の間に生まれました。この村にはそういった方々も多くいます」
「そうなんだ…本当に人間のままって事もあるんだね」
シエルは僕を慰めようとしているみたいだ。無表情な顔でも落ち着くところがある。
「僕って…どっちなのかな」
「ベイン様がですか?」
こんな事を聞いても無駄だとは分かっている。シエルを困らせるだけだとも分かりきっている。全て僕の自己満足だともーー
「きっと大丈夫ですよ」
「……え?」
「ベイン様が覚醒者になっても、きっと良い結果になると思います…だから、安心して下さい」
「………シエ…ル」
シエルの言葉に安心感を覚え、僕は凄まじい眠気に襲われ、眠りについた。




