せかいの
祭りも終わり、ラウルの家に戻った僕は、倒れ込むように眠りについた。そして、夢を見た。
「我々の兵器開発に伴う費用がどれくらいか…お前達が上手く適合さえしてくれれば…」
「また失敗か…落としておけ」
「くそ…これで何体目だ……いい加減首を括るか」
「また新しい兵器考案がでたか…早速試そう。実験体を搬送してくれ」
「……失敗だ落とせ」
「「「「「このなり損ないが」」」」」
「はっ…!」
目が覚めた瞬間、強烈なプレッシャーのようなものを感じ、自然と呼吸が上がる…。何か嫌な夢を見たような感覚に襲われ、思わずうずくまってしまう。
「はぁ…はぁ……」
恐怖にも似たその感覚は、自分の胸を押しつぶすように痛みを錯覚させる。やがて落ち着いたと思えば、喉の乾きを覚え、ベッドから起き上がった。
ドアノブに手をかけようとした時、ふと誰かの声が聞こえる。ラウルとシエル…あと数人聞き覚えのない声が会話をしているようだった。
「彼が覚醒しないとも限らない…今まで通り監視をつけましょうか?」
「いや、それに関しては今回は私がやろう」
「しかし、ラウルさんにもしもの事があったら…」
「私とて仮にも覚醒者の一人だ…善側だが…」
「彼が善側に覚醒するとは限らない!ここは村の数人でーー」
「いやダメだ。彼にそんな不安は課せられない」
「しかし!今まではそうしてきた!だからこそこうして村の平穏が保たれて来たんじゃないですか!」
「覚醒者には前兆がある。発見次第手を下すつもりだ」
「今までどおりにいかなかったのが覚醒者でしょう!何が起こるかわからない限り、監視は数人で厳重的に行うべきだ!」
「……ならば真実の剣で試そう。それなら文句はないだろう」
「…何故そこまでしてあの子を特別に扱うのかお聞きしたい」
「…分からない。ただ私とて覚醒者の一人だ。その私の中の何かがあの子に期待をしている…この暗闇の世界を打開してくれる…そんな期待を…」
「あの子を村の外に出すと言うのですか?」
「それはあの子に任せるつもりだ。私達が勝手に決める事では無いからな」
「……分かりました。今回の件はラウルさんにお任せしよう。真実の剣であるのなら大丈夫だという村の信頼にかけて、ラウルさんにお任せします」
「…すまない」
「それでは失礼します」
外に繋がる扉が開き、閉まる音が響くと、今まで声を発さなかったシエルが口を開く。
「ベイン様、起きてますね」
「あぁ…すまない、もう来ても大丈夫だ」
恐る恐る扉を開けると、申し訳ない顔をしたラウルと目が合った。咄嗟に目を逸らしてしまったが、ラウルは温厚な顔で口を開く。
「この世界の話をしよう…いいかな?」
「はい…お願いします」
僕は喉を鳴らした…ここに僕が今知りたいことが詰まっている…そんな期待に胸を鳴らしながら…静かに耳を澄ませた。




