始まりの
ーこれが世界なんだって誰かが言ったー
私は彼の言う事になんの疑いも持たず、一緒に居た。彼は私には優しくて、私にだけは世界の真実を教えてくれた……そう、思っていたのにーー
「…世界って残酷なんだね」
「…うん。これが僕がしてきた事の折り返しなんだよ……」
血にまみれ、もはや元の色さえ伺えない彼は、静かにそう言って笑った。私の喉に添えられた両の手に力が込められ、私は静かに持ち上げられる。今なら分かる。これは優しさじゃない…
薄れゆく意識の中で私は笑う…
「あなたって本当に身勝手」
「このなり損ないが」
どこかも分からない…身動きも取れない…何かで運ばれている…それだけは分かる。どこの誰か分からない人が、多分僕に文句をあびせる。
「お前のようななり損ないの行く場所はただ一つ…1度落ちてしまえば二度と戻る事はないだろうな」
「……」
視界は奪われても耳は聞こえる。何も反応しない僕に苛立ちを覚えたのか、男の手が荒っぽくなった。痛いーー
どこかの扉が開いた…ふわっと風が土の香りを運んでくる。同時に、強い腐敗臭がした。
「くそっ…何で俺がこんな事…こいつらを処理する役目なんて御免だぜ」
「……」
「呑気なものだな。これから絶望的な場所に落とされるってのによ」
「…」
「どうせ出てこれないだろうから教えてやるよ。今からお前が落ちる場所、通称「アナザー・ヘヴン」はお前みたいな実験の失敗作、なり損ないがうようよいる場所だ。一度落ちてしまえば二度と世に出ることは出来ない。いわば監獄なようなものよ。これからお前はそんな場所に行くんだぜ?」
「………」
特に興味が湧かない。終始無口な僕に、男は苛立ちのあまり声を荒らげる。
「とくと絶望を味わえよ!miss being(なり損ない)!」
深い…深い穴の底目がけて……僕は落ちていく…
皆様おはこんにちこんばんわ!
そしてお久しぶりです!石原レノでございます!
この作品を投稿するまでに多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
やっとの事でこのサイトに復帰することが出来ました。今回のモチーフは、【誰も傷つけない平和】です。主人公がどんな冒険をし、どんな人物と出会うのか…皆様お楽しみに!




