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ゴーレム娘は今生を全うしたい  作者: 藤色蜻蛉
5章 爆誕!!私の○○○○
80/264

第74話 ゴーレム娘、今後の予定を話し合う②

70 ~ 81話を連投中。


4/30(火) 14:50 ~ 19:10くらいまで。(前回実績:1話/21分で計算)


word → 貼り付け → プレビュー確認、微調整 → 投稿してますので、時間が掛かります。


申し訳ありません。



ブックマークから最新話へ飛んだ方はご注意ください。

「いや~、良いもの見せてもらったわ~♪」


「これぞ『姉妹愛』ってことかしら~。私も母として頼ってくれていいのよ~♪」


「まぁ、ルーシアナの言う通りだな。一人で全て出来る者などいないのだから、足りないところは頼ればいい。少なくともここにいる連中はお前らの味方だ」


「私たちだって、色々試行錯誤したんだもん。オズだってすぐに自分なりのやり方覚えるって~」


『そうだな。まだ一日も経っていないのだ。当初はルーシアナだって索敵スキルをかけ忘れるなど、日常茶飯事だったのだ。不足分は私たちが補助しよう』


「あ、ありがとうございますぅ~~~~…………でも、そろそろ勘弁してくださいぃ~~~~…………」


未だに顔を上げることの出来ないオズは、私の胸に埋めて恥ずかしさを紛らすように顔を振る。

ちなみに私の顔は、みなの視線に晒されている…………お、お姉ちゃんなんだから我慢!!!!


一頻りからかい混じりのエールを送られると、オズもようやく顔を上げられるようになったので、話を続ける。


「え~と……とりあえず④の『人見知りの改善』については、タチアナさんを中心にまずはこの家の中で慣れる、と」


「その後は街の中でってことになるんだろうけど、まぁちょっとずつ人の多いところに行ってみる感じかな~?」


「そうね。その頃どのくらい改善してるのか分からないから、詳細を今考えても仕方ないでしょう」


「じゃ、最後。⑤の『義体に慣れる』だけど、現状どのくらい扱えるの?」


と言ってこちらを見るセレス。


「一般人レベルですね。特に細かい力加減が苦手みたい。昨日は鬼ごっこをして慣らしたんだけど、避けようとして全力で床を蹴るものだから、停止するのにも力を込めなきゃならなくなって、すぐにバテてた」


「なるほど」


「あと『次どう動きべきなのか』が分かってないみたいだけど、これは動くのにまだ余裕がないからかなって思ってる」


「妥当なところだな。なら、しばらくは鬼ごっこか?」


「そう考えてましたけど…………何か良いアイディアがあれば、参考にしたいです」


ちょっと期待を込めてギルド長たちを見る。


「ん~……難しいな。正直 外に行って、失敗しながら慣れていった方がいい気がするんだが」


「まぁ、子供はそうやって体の動かし方を学ぶわけだしね。人見知りが治ればGランククエストなんかが丁度いいと思うけど」


「今出来ないことを言っても仕方無いわ。…………そうね。オズちゃんは何か興味のあることはないかしら?」


「興味のあること、ですか?」


コップを持ちながら、コテンと首を傾げるオズ。

まぁ、『興味のあること』と言われてもね……咄嗟に出ないでしょ。


「…………………………………………激マズ料理?」


「「「何故?」」」


ギルド長たち三人が同時に疑問の声を上げて私を見た。

私は顔を逸らした。


「何したの、貴女」


「食材を無駄にするのは良くないわよ?」


「妹にするイタズラとしては感心せんな」


「冤罪ですよ!!私はちゃんとしたのを勧めたし、私も食べた!!!!」


一瞬の迷いもなく、私が何かしたと確信されるのは甚だ不本意なのだが…………まぁ、他に容疑者はナツナツくらいしかいないんだから、仕方ないんだが。


「オズが昨日、『昼食はささっと済ませましょう』的なことを言って、保存食的な物を食べたのよ。あまりに激マズでオズの精神が逝ったの」


「どんな保存食よ…………」


「食べたいならあげるけど、本気でやめた方が良いと警告はするね。あと、食べるならお風呂か御手洗いで食べた方が後片付けが楽になると思う」


「……………………やめとく」


「朝食時にする話じゃなかったわね」


「それホントに食い物か?」


「おじいちゃんは良く食べたらしいよ」


「『食べ物だ』とは言わないんだな」


「認めてないからね」


ホントに。えぇ、ホントに。


自分の回答が拙かったことに気が付いたオズが、慌てたように補足説明を追加する。


「ま、まぁ、どうしたらあれだけ激マズになるのか気になるところですが、現実的なところでは料理に興味があります。今日の朝食は大変美味しかったです。ごちそうさまでした」


そういえば嬉しそうに食べてたものね。


「それは良かったわ。じゃあ、料理とかやってみる?」


「「『「え?」』」」


私、ナツナツ、ナビ、オズの声が被った。


あんまり動かないけど、意味あるんかな?


「詳しくないので分からないのですが、料理ってそんなに体を動かすんですか?」


「もしかして狩りから始めるの~?」


オズとナツナツの疑問はもっともだと思う。でも狩りは料理ではない。


「違う違う。正直『義体に慣れる』については、クエストでもしながら慣らしていった方が効率がいいと思うのよ。こういうのは、意識してやるとバランスが悪くなるものだからね。

ただ、人見知りが治るまで何もしないのもアレだから、興味のあることやってれば、多少は時間の無駄にならないんじゃないかなぁって。ついでに自然な動きで慣れも進むんじゃないかなぁ、とも思うのよ」


「なるほど……それで料理ですか……」


オズは納得したものの、あまり乗り気ではない様子。多分効率が悪くても動いていた方がいいと思っているのだろう。

私の方としても、そんな過密スケジュールで急ぐ必要もないので、そのくらいはいいんじゃないかと思うのだが。


悩むオズを見るタチアナさんは、一瞬こちらに視線を送ると、


「ルーシアナちゃんもオズちゃんの手料理食べてみた」


「やります」


「「「「早い!!!!」」」」


食い気味に言った!!私の意見聞いてないけど!!


「良かったわね~、ルーシアナちゃん?」


ここで合わせろということですか。


「そうですね。味見役はお願いします。美味しいの期待してるからね」


前半はタチアナさんに向けたお願いである。大丈夫だと思うけど、『全合成食、再び』とかになったら、洒落にならん。


「はい!!」


「おほほほほ。任せなさい。セレスちゃんだってそれなりの味に出来るようになったんだから」


「お母さん!?余計なこと言わないで!!」


ついでにセレスの料理の腕が明らかにされた。


「セレスちゃんだってねぇ~……ちゃんとレシピを守ればもっと良くなるんだけど……」


「なによ~……ちゃんと守ってるわよ……」


なら、何故に若干 口ごもっているのか…………


「計量器も使わないくせに、何をもって『ちゃんと』なの?」


「お、お母さんだって使わないじゃん!!」


「私のは『目分量』っていうのよ。使わなくても適正な量が分かるの。貴女のは『適当』でしょう?」


「うぐぅ……」


「えーと…………最初は計量器使って教えてください」


「分かってる分かってる♪」


まぁ、オズはキッチリしてるから、その辺の心配はしてないけど。逆に計量に集中し過ぎて、タイミングを逃しそう。


「それじゃ、まとめ~♪」


割と静かに聞いていたナツナツが、両手を上げると全員の前に話し合いのまとめが投影される。



今後のスケジュール ― まとめ ―

① 冒険者ギルドに登録 及び ギルドカードの作成

→ 後日。④改善後。


② 生活必需品 及び 武器防具の購入

→ まずは服。戦闘服をシャルドさんとこで注文。担当:ルーシアナ。時期:今日の午前中。


③ 領主に報告

→ ルーシアナと同じような扱いとなるよう交渉。担当:ギルド長。時期:未定。


④ 人見知りの改善

→ まずはグランディア家の面々に慣れる。担当:タチアナさん。時期:今日の午後から。


⑤ 義体に慣れる

→ まずは料理を学びながら。④改善後は、クエストしながら。担当:タチアナさん。時期:今日の午後から。



「パッと見、タチアナさんの負担が大きいですけど……」


「大丈夫大丈夫。どうせ、家で暇してるだけだから。それに料理以外の家事も手伝ってくれるんでしょう?」


「あ、はい。それはもちろん」


「なにより新しい娘と仲良くなりたいのは母の本能よ!!!!」


「やり過ぎないでくださいね!?泣いてたら怒りますからね!!」


タチアナさんのテンションが心配だ…………護衛はナツナツに任せよう。


長くなった朝食を終えて、出掛ける準備をする。なお、セレスとギルド長は急いで出ていった。

…………ごめん。ちょっと予定より長引きましたね……





朝食も終えたので、オズと一緒にシャルドさんの人形工房『フェアリークロス』へと向かっている。


オズにはとりあえず《ミラージュ》と《ハリューション》に似た魔法を使ってもらって、目立たないようにしている。

ホントはナツナツの隠蔽魔道具を借りようかと思ったんだけど、それはオズが遠慮したのだ。

魔法を使う練習もしたいとのことなので、まぁうまくいかなかったら、私のスキルの適用範囲を広げればいいだけだ。


昨日もそうすれば良かったんだけど、私たちも混乱してたってことだよね。

実を言えば、ガア・ティークルからテモテカールにオズを連れてくるのだって、一度 転移基点端末に憑依してもらって、ガアンの森の出口付近で義体に憑依し直せば良かったのだ。昨日、寝る直前に思い付いた。

何事もよく考えてから行動しないとダメだね。


魔法の効果により、昨日よりかは注目を受けずに進める。

まぁ、昨日は仕事終わりの人々が多い時間帯だったのもあるだろうけど。

オズはキョロキョロと物珍しそうに周りを見渡している。


「端末から一度見た光景ですけど、ちょっと違いますよね。五感の情報を直接受け取っていたのですから、同じだと思ったのですが。不思議です」


「そうなんだ。私は端末から見た光景ってのが分からないから何とも言えないけど、どう違うの?」


相変わらず手を繋いだままのオズに聞いてみる。強張りや発汗などの異常もなく、緊張は少なそうだ。


「そうですね…………端末から見た光景は、情報が『整理』されてました。端末のセンサに不要な情報をフィルタリングする機能が備わっているのでしょう。

今は生の情報が『ごちゃ混ぜ』と言った感じで押し寄せてくるので、そこから必要な情報のみ抜き出すのが大変です」


「そっかぁ~…………そのフィルタリング機能ってやつ、あった方が良い?」


「いえ。なんと言いますか、臨場感?現実感? があって楽しいです。マイアナやルーシアナと同じ世界に生きている実感があります」


「そっか」


それならば良かった。私の不手際で外の世界に苦手意識を持ってしまっていたら、なんとかしてやらなければならないからね。


楽しそうなオズの邪魔をしないように注意しながら、慣れた住宅街の道を進む。誰もこんな住宅街のド真ん中に防具を造りに来ているとは思わないだろう……

見えてきた廃墟のような外観の店舗に躊躇いなく入店する。

今日も人影は見られない…………シャルドさん曰く、『一日数人くらいならいるぞ』とのことだが、まだ見たことはない。


カランカランカラン……


うん。実はこのベルの音は結構好きだったりする。高過ぎず低過ぎず、乾いたような音が心地よい。


店内に入ると、落ち着いた雰囲気の店内にあって一際異彩を放つオレンジがあった。シャルドさんである。

比較的動きやすそうなエプロンドレス風のロリ服で、店内の掃除をしていた。もう私の知識ではどういった系統のロリ服なのか見当も付かないが、もしかしたらロリ服ではないのかもしれない。


「いらっしゃ……おや、ルーシアくん。おはよう。メンテナンスかね?」


「おはようございます、シャルドさん。昨日、ようやくクエストが解禁されたばかりなので、メンテナンスではないですよ。実はちょっとお願いが……」


「ふむ。聞こうか」


作業を止めてこちらにしっかりと向き直るシャルドさん。


朝の忙しい時間に来るべきじゃなかったかな。


私の陰に入っていたことでシャルドさんに気にされていなかったオズを前に出す。

そこでようやくシャルドさんはオズをしっかりと見た。


「――――――――…………」


息を飲んだような気配を感じた。

さすがにシャルドさんも私と同じ顔がいきなり現れたら驚くか。


まぁ、それはちょっと狙った。

印象を強くして、『ぜひコーディネートしたい!!』と思ってくれたら、お安くなるかもしれないし。

ただまぁ、妖精であるナツナツからお願いしてもらうのはフェアじゃないと思ったので、とりあえず静かに見ててもらう。


「私の妹のオズリアです。ちょっと色々ありまして、私と生活することになりまして。冒険者としても一緒にやっていくつもりですので、シャルドさんにお揃いの戦闘服を作ってもらえないかと」


「オズリア・ケイプです。はじめまして。あの…………わ、私にもお姉ちゃんとお揃いの服をくださいっ!!」


落ち着きが()ったのは、『はじめまして』までだった。

バッと頭を下げると、ササッと背後に隠れてしまう。


「すみません。この子、極端に人見知りなんです。現在改善中なので、今日のところは大目に見ていただけると助かります。

それでいかがでしょうか?1,000,000テトくらいなら出せますので、なんとか二着分用意出来ませんかね」


失礼にならない程度にオズを隠し、ひと息に要望を伝える。

さて、どうだろう?


…………

……………………

………………………………

…………………………………………


あれ?無反応?それとも、あまりに厚かましいお願いに呆れられているのだろうか?1,000,000テトでもダメだとしたら、ホントにいくらするの、この戦闘服…………


表面上はにこやかな表情を張り付けつつ、背中に鈍い汗をじんわり滲ませ始めた頃、オズが私の服を引っ張った。


「お、お姉ちゃん…………私、普通の服でいいですよ?ね?知り合いだからって無茶なお願いはダメですよ、やっぱり」


オズの健気な態度に、何とかしてあげたいと強く思う。

とはいえ、オズの言う通りシャルドさんに無理をさせる訳にもいかない。


…………仕方ない。


まぁ、始めから選択肢としてはあったのだが、私の予備を《どこでも錬金》で小さくしてオズにプレゼントしよう。

前衛と後衛で必要な機能が異なるので、出来ればオズ専用の方が良かったのだが。


そうと決まれば余り長居しても、お互いに気不味くなるだけだ。さっさと切り上げよう。


「シャルドさん、無理なことを言ってすみま」


どんっ!!!!


私のセリフを遮るように大きな音が床から響いた。

私とオズは、『ポカーン……』としている。


シャルドさんが怒って足裏で床を蹴り付けた……わけではない。突然糸が切れたように、両膝から床に崩れ落ちたのだ。


うわ痛そー…………


躊躇いの一切ないその動きに、思ったことはまずそれだった。

こちらが動けないでいると、そのまま上半身を勢いよく倒していき、『床に顔面がぶつかる……!!!!』というところでギリギリ止まった。よく見ると両手が左右に伸びて床を支えていた。


そして、


「私にキミらの服を作らせてくれ……!!!!!!!!」


…………………………………………それ、私がしたお願い…………


半眼で眺めていると、シャルドさんは流麗な言葉遣いで、『ルーシア君の衣装と高度に馴染ませられるのは自分だけだ』とか『きっと満足させてみせる』とか、色々言っていた。


要するにシャルドさんがオズをコーディネートしたいんですね?


なんか私の時と反応が違うことに怒っても良いような気もするが、まぁ確かにオズの醸し出す雰囲気が『儚さ』とか『繊細さ』とかを感じさせて、それが私の外見と合うものだから、色々想像が捗るのだろう。

前世ではよく『中身と外身が合ってないから、微妙に残念』とか言われた私であるが、まぁ奴らが見たかった理想像がここにいるわけだ。

その内 人見知りが治ったら、また雰囲気もポジティブ方面に変わるだろうから、今しか見ることの出来ないレア姿である。


一通りシャルドさんの自己PRを聞いた後 肩を叩くと、勢いよく顔を上げた。


「完全に聞き逃しているようですからもう一度言いますが、私とお揃いでお願いします。戦闘スタイルは、大雑把に言うと後衛ですが、まだまともに戦闘したことが無いので、ある程度汎用的に。予算は1,000,000テトですが、シャルドさんが良ければツケといてください」


「任せ給えよ……!!我が生涯最高傑作にして見せる……!!!!」


「いや、だから、これから微調整していって欲しいから、汎用的に……」


「さぁ!!!!まずは採寸だ!!!!こちらへ来給え!!!!」


「え!?え!?えぇ!!!?」


言葉から受ける印象とは正反対の優しいエスコートで有無を言わせず導くという、なかなか難しいことをしてのけるシャルドさんにオズを預ける。いや、別に付いていかないわけじゃないけど。

嬉々としてオズを連れていくシャルドさんとオロオロしながらエスコートされていくオズを眺めながら、ナツナツとナビに言ってみる。


『…………やっぱりさぁ……私ってそんなに魅力無いんじゃない?』


『いや、あれはオズがハマり過ぎているのが原因であってだな……』


『ル、ルーシアナだって、あのくらいのポテンシャルは持ってるんだよ?』


……………………ホントかなぁ……


まぁ、別にモテたい訳じゃないけど。

でもオズがモテそうなのは分かったので、『変な虫が付かないように警戒しなきゃならんな』とは思った。





人形工房『フェアリークロス』を後にして、現在 帰宅の途に就いている。


テンション上がったシャルドさんに、オズの人見知りが悪化しないか心配だったけど、オズの苦手とするタイプでは無かったらしく大丈夫だった。


…………アレが大丈夫なら、大抵の人は大丈夫な気もするけど。


一先ず完成までの仮服として、大きめのワンピースをササッとヒダ状に縫い上げて貸してくれた。…………あと下着もくれた。

どうやら最近は下着の作製にも手を出し始めたらしい。

もちろん妖精サイズがメインなので、ナツナツ用のをたくさんもらった。試着したところ、とても着心地が良かったらしく喜んでいる。まぁ、ナツナツの下着は人形用のを私が再加工したもので、あまり出来が良くなかったからね。

とりあえず、衣類に関しては全てシャルドさんのところで済ませられたので、良かったと思おう。

変態レベルが上がっている点についてはノーコメント。私のせいじゃないよ……いや、ホントに……


道行きの途中でオズが興味を引かれた料理がいくつかあったので、適当に購入して行った。

タチアナさんが用意しているかもしれないけど、そしたらまぁ[アイテムボックス]に保管しておけばいいだけだ。


そして、この買い物で私の余剰金(おこづかい)が完全に空になった。今日の午後はクエストに行こう……


「ただいま~」


「た、ただいま……です」


ぎこちなく挨拶するオズを微笑ましく思いながら、先に中に入る。


「おかえり」


「……………………ただいまっ!!」


『こういうやり取りも初体験だよね』と思ってやってみると、一瞬何のことか分からない様子を見せた後、嬉しそうに挨拶して私の胸に飛び込んできた。

最後のは予想外だったけど、嬉しそうなら何よりだ。


姉妹で戯れていると、タチアナさんがやって来て、


「おかえりなさい。結果は…………良かったようね?」


「ただいま。えぇ、テンション上がってノリノリでやってくれるそうです」


「それは良かったわ~♪ダメなら『お話』に行かなきゃならないかと思っていたから~♪」


「……………………そですね」


深くは聞くまい。


「ただいま、です」


「えぇ、おかえり。良い買い物が出来たようで何よりだわ。そのワンピースも可愛いわね」


「はい!!下着もくれたので、助かりました」


「…………………………………………ルーシアナ、ちょっと」


口止めするの、忘れてた…………


一瞬でマジ顔になったタチアナさんに手招きされる。有無を言わせぬ表情だ…………

玄関近くの小部屋に連行された。


「納得のいく説明をしなさい」


「はい…………」


…………………………………………出来ませんでした☆


こってり一時間程叱られた。『変態過ぎてある意味安心』というのを口で説明するのは難しい…………


後日、シャルドさんのとこに『お話』に行ってくるそうです。


シャルドさん、ごめん。


時間が押してしまったので、私の昼食は昨日オズ用に作ってもらった軽食にしてギルドに向かいました。


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