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ゴーレム娘は今生を全うしたい  作者: 藤色蜻蛉
4章 訪問!!領主のお屋敷
70/264

第65話 ゴーレム娘 VS. 次男①

58 ~ 68話を連投中。


4/7(日) 15:30 ~ 19:30くらいまで。(前回実績:1話/20分で計算)


word → 貼り付け → プレビュー確認、微調整 → 投稿してますので、時間が掛かります。


申し訳ありません。



ブックマークから最新話へ飛んだ方はご注意ください。

「始め!!!!」


合図と共に《ストレングス》《バイタル・グロージィ》を《パーマネント》で固定し、《ロング・サーチ》《マッピング》《クリア・プレイト》《ミラージュ》を立て続けに発動する。

いつもナビに任せているスキルだ。

いくつかは普段から発動させているスキルだが、領主の屋敷に来るということもあり、《ディスガイス》しか発動させていなかった。

続けて《スキャン》を発動させると、向こうも同じようにしたらしく、違和感が頭から足先まで走り抜ける。



名前:ディアス・テモール

性別:男

年齢:18歳

種族:人間

レベル:35

HP:不明

MP:不明

力:不明

体力:不明

魔力:不明

敏捷:不明

運:不明

スキル不明



なんにも分かんない!!!!


初めてのことに内心驚いていると、次男から呆れた声が届く。


「おいおい…………対人戦では自分のステータスは隠しておくもんだぞ」


「初対人戦だわ!!!!それにアンタもしたろ!!!?」


「俺のはちょい強力なやつだ。普通なら歯抜けで分かるんだが、全部分かったな……………………薄いな、胸」


「…………コロス」


「半殺しにしとけ~~」


ギルド長から注意が飛ぶが、聞き逃したことにしよう。


私のステータスを見てどう思ったのかは分からないが、次男は重大剣を構えたまま前進し、その速度をもって『突き』としてきた。

上半身を使わない、踏み込みのみの突き。主に《構え突き》と呼ばれる技である。

『突き』の最大長所はその速度と点攻撃に基づく避けにくさであるが、これは上半身を使わないため、速度はほとんど出ない。代わりに……


「……ふっ!!」


次の攻撃に素早く移れる。


右に避けた私に向かって、二度の斬撃が飛ぶ。

斬り下ろしからの斬り上げ。《切り返し》と呼ばれることの多い基本的な技。二連撃動作を補正する汎用性の高いスキルだ。

私は突きを避ける動きで距離を取り、続く二連撃を回避する。


「お……!!」


斬り上げから流れるように追加の大上段 袈裟斬り。


さすがに副長……!!速いね!!


斬撃軌道を潜り抜けるように躱すと、次男の左横をすり抜ける動きでもって首を狙った横薙ぎを放つ。

が、


「だらぁ!!!!」


「んっ!!!!」


すり抜けを狙う私に体当たりを仕掛け、動きを止めると同時に斬撃の内に入り込む。

斬撃を放った右腕は、次男の頭上を通り過ぎてしまった。

そして、


「おぁ!!」


体当たりの勢いを使って、地面に当たった重大剣を再度上へと斬り上げた。

軌道はモロに左脇腹。防護魔法のお陰で斬れはしないだろうが、打撃で肋骨が折れる。

私は――


ガッ!!!!


踏み出す予定だった右足を、重大剣を振る両手首に蹴り下ろすと、斬撃を跨ぐように飛び越える。


「なに!?」


さすがに予想外だったようだが、まだ私の攻撃中です。

右足を基点に時計回りに体を回す。当然のように左膝は次男の顔面狙い♡


「死ね」


慈悲深く宣言してやった。

瞬時に頭を後ろへ引くが、


ガゴッ!!!!


膝蹴りから直蹴りに変化した靴裏が次男の顔面に入った。





「あ~……モロに入った」


ルーシアナとディアスの模擬戦を、見るともなしに見ていたセレスは、ほとんど無意識に呟いた。


母とセリーヌ様はお昼前だというのに、一切の遅滞を見せずに用意したスイーツを口に運び、怒涛の勢いでおしゃべりを継続している。


私にはできない芸当だ。なんで食べながら話せるの…………?


私の前ではナツナツちゃんが、最近増えたナビゲーターに寄り掛かりながら、大口を開けてバームクーヘンを摂取している。

わざわざお皿に用意したフォークとナイフは、何のために取り出したのだろうか?


「ナツナツちゃん、ルーシアの応援しないの?」


周囲にメイドさんはいないが、一応偽名で聞いておく。


「え?危険は無いんでしょ?援護はいらないって言われてるし」


「いや、援護でなく、応援……」


「声掛けで結果が変わるならするけど…………それに、横から声掛けて、集中乱したくないし」


「……………………」


妖精なんていうファンタジー生物のくせに、リアリストだった。


「それにルーシアはドラゴンも倒せたし、対人戦くらいなんとかなるでしょ」


「あら、それはどうかしら?」


こちらの話など聞いてないと思いきや、セリーヌ様が反論してきた。私もナツナツちゃんの意見は楽観的過ぎると思う。


対人戦だって、私や父さんみたいなのもいるし…………


「ベーシック・ドラゴン。確かになかなかの強敵みたいだったけど、ギリギリランクBの魔獣でしょう?」


正確にはギリギリランクBに届かないランクCです。


「うちの子はランクB上位くらいの実力があるらしいし…………」


そうなのよね。


闘いに目を向けると、蹴りをモロに喰らいつつも微動だにしなかったディアスが、ルーシアナの蹴り足を掴んでいるところだった。


「ベーシック・ドラゴンも倒せるのよ?」


そのまま足を捻りながら地面に叩き付けた。





効いたーーーー!!!!


綺麗に蹴りが入ったは良いものの、体重差に基因する攻撃力不足は如何ともし(がた)かった。

バランスを崩すこともなかった次男に蹴り足を掴まれ、そのまま私は地面に叩き付けられてしまう。


欲をかかずに膝蹴りだけにしておけば良かった。


背面からではなく、足を捻られて前面から叩き付けられたせいか、左膝に鈍痛がある。

芝生だから石とかでケガすることはなかったが、満遍なく痛い。


次男は叩き付ける直前に手を離し、少し距離を取っている。重大剣の間合いだ。

逆手に重大剣を持ち替えると、逡巡することなく突き刺してきた。


容赦ないなコイツ!!!!


右腕を伸ばして地面を思い切り押し、その反動を利用して転がり次男の左側に回り込むと、回転の勢いを使って立ち上がる。

そして重大剣を地面に突き刺し、動きの止まった次男に向かって、斬撃を繰り出した。


ギャギン!!!!


それは次男が抜き放った、長剣に阻まれる。


完全に力不足だ。両手を使った全力斬りが、片手で余裕をもって防がれてしまった。

そのまま全体重をかけて押し込むが、ピクリとも動かない。


無造作に振るわれる右手の重大剣をバックステップで距離を取って躱した。


「くそ~……」


「ん~…………単純に力不足かなぁ……あとウェイト。軽い軽い」


「なんも反論できない……」


『はぁ……』とタメ息のような息を吐くと、重大剣を構えた。


…………………………………………


「なんか飽きてない?」


「え?…………あぁ……………………まぁ、思ったより弱かったなぁ、と」


「うわムカツク」


ただまぁ、ここまで見るところが全くないのは事実だ。

私のステータスだけだと次男にダメージが入れられないし、意表を突くことも出来ないらしい。


「仕方ないか」


「ん~?降参か?」


「こっからはちゃんとスキル使う」


「は?」


「あれ?スキルOKだよね?」


「いや、ダメじゃないし俺も使ってたが…………え?なに、お前スキル使ってなかったのか?」


「身体強化系とか索敵系なら使ってたけど……」


「……………………戦場で手を抜くなんて、早死にするぞ」


「だから今したんじゃない。私の素のステータスがどの程度なのか知りたかったのよ。全然ダメだったみたいだけど」


「…………そういうのは、(あね)さんとやれよ」


「どちらにしろボロ負けるんだもん。よく分からないのよ」


「…………それもそうか」


「だから全力でいくよー」


「はいはい」


あんまり期待してなさそうな感じで、次男は重大剣を構える。

私も剣を両手でしっかり握り、構えた。

間髪入れず、次男が先程と同じく《構え突き》を繰り返す。


やる気が無い割には先制してくるのな。


それに対し、


ガィィン!!!!


剣先を狙って、横から払い落とすように弾いた。


「うお!!」


長物は支点から遠いところを叩かれると、弱い力でも軌道を逸らせることが出来る。

次男も予想はしていただろうが、《クイック・エアロ》による簡易衝撃波を追加したので、大きく剣筋を乱した。


そのまま一歩を踏み込み、やはり首を狙って剣を振る。

今度はすれ違い様に刀身中程を使う斬撃ではなく、剣先を引っ掛けるような斬撃だ。


「お……!!」


次男は前進する体をムリヤリ押し留め、ギリギリのところをスカさせる。

こうなれば次は次男の攻撃か仕切り直しだ。


「《クイック・エアロ》」


そんなことはない。まだまだ私のターンだ。


剣先から飛ぶ衝撃波が、次男の顎を撃ち抜き跳ね上げた。

そのまま追撃を仕掛けるため、前進…………はしない。

左足で重大剣を押さえ込むように踏みつけると、


「【重量軽減】」


正確には効果を逆転させた【重量増加】である。対象は重大剣ではなく、『私』だ。

元の体重が軽いせいで500kg位にしかならないが、体勢を崩した状態でこの重量を支えることは難しいだろう。


次男は重大剣に固執せず、素早く手放して距離を取った。

その隙に重大剣は[アイテムボックス]に仕舞う。


腰から長剣を抜いた次男が渋い顔をしてこちらを見た。


「武器を取り上げるにも、やりようがあるだろ……」


「クエストで素材を拾ってくるじゃない。それと同じよ」


「いや、終わったら返せよ。そうじゃなくて、刀身を踏みつけて体重をかけたことだ。足斬れるぞ」


「あぁ……」


まぁ、普通はそう思うでしょうね。


「私の服、貰い物なんだけど、高ランクの魔獣素材で出来てるから、武器の斬れ味だけじゃ斬れないのよ」


「……………………マジで?」


「マジで」


次男がギルド長の方を向くと、こっくり頷く。

試したものね。一緒に。

微妙な表情でこちらを見る。


「……………………勿体ない。ちゃんとした防具にしろよ」


「制作者に言いなさい」


…………………………………………


「いきますよ」


「あぁ」


戦闘を続行する。


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